サカキノホトンブログヒサビサムスビ

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ヒサビサムスビ

最近、なんだかし残しているコトがあるぞ？
…、ってそう思って考える。
何だろう？
ああ、そうだ…、おむすびを最近、食べてない！って、そう思い出しササっと四ツ谷。

「おむす人」。

通勤ルートから四ツ谷の駅が外れてしまって、それでしばらく忘れてた。
丸ノ内線が地下鉄なのに地上に出てきて、ただそれだけで不思議なところ。
しかもその上、その地下鉄がJRの中央線や総武線という地上を走る電車の線路の上にいる。
そんなシュールな景色も久々。
走るようにして階段あがり、駅前広場を右に曲がってお店に向かう。
お店の入るビルの前。
掃除のおばさんが、変わらず「おはようございますっ！」って元気な声出し掃除機かける。
その掃除機の吐き出す空気の音に負けぬよに、おはようございますって返してお辞儀。
お店に入る。

おむすび二つに、ウィンナさん。

注文をしてお金を払い、カウンターにソッと座った。
カウンターの上。
一段高くなったところに、お弁当箱がズラっと並びお昼用のおむすびとおかずを次々、詰め込んでいく作業の最中。
その手をとめて、ボクの注文を作ってくれます。
ジャッジャッジャッジャッと、湿った音が低く、けれどもリズミカルにする。
ご飯とご飯が手をつなぐ音。
ひとつひとつが潰れぬように。
どれ一粒も寂しくないよう。
口の中に入れた途端に、ハラっと自由にちらかれるよう。
ほんとはとてもデリケートで、スゴく入念な手仕事なんだろう…、けれどそれを軽々こなして、お米をおむすびに仕上げてく。
おばさんたちの手の技、見事でウットリとする。

焼いたたらこと生の明太子。
カサカサパラっとした乾いた魚卵と、シットリとした生の魚卵が一緒に口の中にくる。
ご飯のホツホツと手に手を取って、口の隅々、にぎやかにする。
それからはじめて食べたコレ。

メカブとちりめんじゃこのおむすび。

おむすびと磯の香りって不思議とよく合う。
海苔の香りとまた違う、メカブの甘い海の風味と、じゃこの味。
ほんの小さな魚なのに口に入るとズシンと魚の香りがしてくる。
ジャコがクシュっと奥歯で潰れ、メカブがトロトロ、ご飯にからんでなめらかにする。
納豆なんかと違ったスキッと切れのある、やさしい粘り気。
オクラともまたまた違った、一口目からスルンと口に広がるトロミ。
なんだかこれは、はまりそう。

カリッと揚げたウィンナさんもひさしぶり。
これとおむすび、一緒に食べるとまるで遠足気分になれる。
冷たいお茶をコクンと飲んで、それで満腹、ひとそろえ。
オゴチソウ様！って元気に言うと、いってらっしゃい！って三つの声がボクの背を押す。
なんだか今日は、いい気持ち。

中央線を都営地下鉄に乗り換える、途中に一軒、スタバがあって、時間調節、コーヒーでする。

冷たいコーヒー。
ドリップコーヒーのアイスショートを選んでたのむ。
なんだかとっても冷たいコーヒーを体に入れて芯からシャキッとさせたくて、それで「氷を多くしてくださいネ」って。
わかりました…、って氷を一杯カップに入れてコーヒー入れる。
冷たいコーヒー。
それでも注ぐと氷は溶ける。
溶けた分だけ、氷を足してそれで冷やっと、手にも冷たいカップが出来る。

コクっと飲んだ。
ああ、甘い。
ゴクッと飲んだら喉がキュキュッと縮こまるよに冷たくなって、カラっと氷が鼻先につく。
秋の入り口。
気持ちはほんわか、あったかい。

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