サカキノホトンブログアマザケコオリ

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アマザケコオリ

神田明神…、お茶の水の北の方。

ニコライ堂に対峙するように豊かな緑をたたえて広がる、湯島聖堂。
その裏側にひっそりと。
鳥居をくぐるって奥へ奥へと歩いていくと、２１世紀の東京からしばしおさらば。
江戸の昔の東京にちょっと旅するみたいな気持ちになれる場所。
その参道の入り口に昔からある甘酒茶屋を思い出す。

秋葉原からだとずっと坂道、上り坂。
しかも今日のうだるような暑さと湿気に、ダラダラ汗をかきながら、これも運動。
「あれ」をおいしく食べる儀式と体と頭に思い込ませつつ、テクテク、はぁはぁ。
お店の半分は神田明神グッズを売る店。
残り半分は茶屋になってて、さすがにこれだけ暑いとワザワザやって来る人も少ないんでしょう…、ボクの他にはノーゲスト。

お店のおばさんが、いらっしゃいと元気に声をかけつつボクに窓際の席をすすめます。
ココがコノ店で一番涼しい場所だから…、って。
そして冷たいお水を一杯。
はい、どうぞ…、って、もらったボクはなんの躊躇なくゴクリと一気に飲み干した。
あぁ、天国。

甘酒氷にしましょうね？…、ってボクがたのみたかった注文を先回りしてニッコリ、笑う。
冷たい飲み物。
普通のかき氷なんかもあるのだけれど、やっぱり夏にココでたのしみたいのは甘酒氷。
お願いします…、ってしばらく待ってコレ。

高い足で支えられたガラスの器。
大正ロマン的とでもいいますか…、ノスタルジックなデザインの器に冷やし甘酒を入れ、そこにサラサラ、かき氷。
自然な甘みの甘酒だけが味のたよりで、だから決して甘くはない。
最初の氷のひと、ふたすくいはただの氷の味。
ただ、その氷がおいしいのですネ…、水が多分、いいのでしょう。
甘酒と一緒に口に含むとヒヤッと氷がやさしくとけて、仄かな甘みと麹の香り。
頭を痛くさせぬよう、ユックリ食べる。
すると氷がとけてシャリシャリ、冷やし甘酒のようになってく…、それをゴクゴク。
体は冷える。
けれど不思議と、元気が湧いてくるような…。
もともと甘酒。
その成分って、点滴液とほとんどおんなじなんですってネ。
だから夏に飲む甘酒は夏バテ防止の良き暑気払い。

それにしてもこのお店。
冷房のない、昔ながらの民家作りでなのに涼しい。
窓という窓を開け放し、風が入るようにしている。
そもそもこの場所。
高台にあり、前には豊かな湯島の森。
だから風も熱気を含まぬ良き風で、不思議とひんやりして感じられる。
窓の近くにはいくつもの風鈴があり、それがチリンチリリと涼しい音を立てている。
テーブルの上には団扇がいくつも。
ボクが少年時代の家で過ごしているような…。
昔の人はこうして「涼をとる」知恵を持っていたんだなぁって思う。
溶けた氷の中にホツホツ、潰れたお米の粒がタップリ。
器を傾け直に飲み、最後にタンタン。
底を叩いて米粒ひとつのこらず飲み込む。
元気になって、さて仕事。

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2010/07/22 (Thu) 食品・スイーツ・コンビニ Trackback() Comment(6)

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ほんとの甘酒

小さい頃は「酒粕と水をミキサーにかける→鍋で温め、砂糖をどはどば」で作るものが甘酒なんだと思ってました。
（実際に、近所のお母さんたちが作っていたのはそんなレシピ）

実はそれが本流じゃないと知ったときのショックと言ったら…！

甘酒を見る度に何とはなしに思い出します。

それにしてもこの甘酒、うっとりです…。夏を乗りきるための美しくおいしそうなお薬、夏が終わりきらないうちにいただきたいものですo(^-^)o

setsunaさん / 2010/07/22(Thu) /

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甘酒の素

> setsunaさん
田舎にいた頃は甘酒の素を買ってきて、良く作って飲んでいました。
ボクもsetsunaさんと同じように本当の作り方をきいたときにはビックリしたモノです。

この甘酒氷。
本当においしい。
やさしい気持ちにしてくれます。

サカキシンイチロウさん / 2010/07/22(Thu) /

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やっぱり行きたい！

サカキさん、こんばんは。
こちらでしたか！
東京をよく知らないので、神田明神さんとはいかなるところか、と想像しながらこちらに参りました。
丸五のとんかつ→甘酒氷、といきたいです。氷の季節のうちに、ご縁がありますように。

ryoko*さん / 2010/07/22(Thu) /

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シアワセのコース

> ryoko*さん
ひれかつ、のち、甘酒氷。
シアワセのちシアワセという、今の季節のゴチソウコース。
ぜひ。
レースの日傘が似合う道のりでもありますよ。