渋谷でたのしい懇親会…、「ワイン食堂がっと」に来ます。
「こちら飲食開業準備室」という、飲食店の独立開業を目指すひとたちのためのサイトが主催しているコミュニティーのオフ会のような勉強の場。
ちょうど半年前に独立開業を果たしたココで、その実例をみてみましょう…、と。
決して便利な場所でなく、チェーン店でなくだからありとあらゆることを一から組み立てなくてはならない苦労を今も続けているお店。
勉強できるコトがたくさんあるでしょう…、とそれで10名ほどが集まり乾杯。
おいしいモノを食べながらたのしい勉強。
週末ということもあるのでしょう。
今日は満席。
20席ほどの小さな店で、だからお店が一杯になるともうそれだけでおいしい空気に満たされる。
料理ができる厨房の中。
サービスをする人たちと、この時間をたのしもうというお客様とがぶつかり合って、おいしいエネルギーに満たされる。
よいレストランの必要条件。
そこにおいしい料理がそろえば、シアワセな時間がやってこようというモノ。
たのしい料理が次々、テーブルの上を飾ります。
例えばフレッシュのアンチョビ。
今日の魚はアンチョビですって言われたときにはどうしたことかと思ったけれど、やってきたのをみたらばなんと。
丸々と太ったイワシにタップリの塩をほどこしなじませて、それを焼く。
オーブンの中でコンガリと。
オリーブオイルとにんにく、赤唐辛子。
いわゆるペペロンチーノ味のイワシで、フォークの背で軽く押すとほぐれるほどにフックラ、シットリ…、かなり強めの塩味が、イワシの味をドッシリさせてお酒がすすむ見事な一品。
熟成きかせた牛肉に羊の心臓、イベリコ豚のロースなどなど…、赤いワインに合わせた肉を焼いてみましょう…、と、油を熱した鍋の表面に押し付けるようにして肉の周りを焼き固め、中までじんわり熱を通した焼き方で、肉の味わい、風味をたのしむ。
肉の脂は焼ききると甘みがひきたち、肉そのものの風味も増してく。
赤身の肉は歯ごたえたのしく、噛むとジュワリと肉汁湧き出す。
顎がおいしいたくましい肉。
なにより塊肉をナイフで切り分けるとき。
手に伝わってくるおいしい予感に気持ちが明るく盛り上がる。
ソースを使わぬこうした料理。
塩の力ってスゴいなぁ…、って、つくづく思う。
イワシの料理はタップリの塩が素材の持ち味を引き出し、塩と油がソースの代わりを果たしてる。
一方肉には最小限の塩しか使わず、舌が一生懸命味を探して、結果、肉のうま味に気づきウットリとする。
緩急きかせた塩使い。
好みでどうぞ…、と出されたハーブ塩やトリフ塩。
パラッとかけるとまるで違った味になっていくのがまたオモシロイ。
切ったトマトにそれをかけると、口の中でまるでソースのようになってく…、口の中で料理ができていくようなそんな感じもまた不思議。
他にもお酒にあわせた料理が次々。
イベリコベジョータの生ハムや、スパイシーなサラミと一緒にハーブ野菜を食べる一品。
肉の脂がまったり舌にまとわりついて、それを即座にハーブがサラッと拭い去る。
ひと噛みごとに味の印象がめまぐるしくかわってくるのがオモシロイ。
ポテトグラタン、鶏のローストとどれも手がかかっているわけではないのだけれど、スパイスが特徴的で素材がおいしい。
レストラン的使い方もできるけど、ワインバーでもあってだから気のきいたおつまみ料理も結構、充実していてちょっと魅力的。
例えばピクルス…、酸味が野菜のうま味を引き立て、カリコリ歯ごたえ軽快で手作りならではの食感がいい。
ミルクをゴトゴト揺すって作った、これも自家製のカテージチーズ。
塩と胡椒とレイズンの風味をかりて食べると、もういくらでも食べられちゃう…、口の中でチーズがミルクに戻っていって、白いワインを飲むとサッパリとした軽いワインがドッシリ、濃厚ワインに変わってくれる。
独立開業を目指す人にとって、おいしい料理を作ってくれるシェフとめぐりあうコト。
そして彼らに自分が作りたい料理の内容を伝えるコトが一番むつかしいコトなんだ…、と集まる人の話しを聞いても実感。
飲食店は「やる気とおもてなし精神を料理という形に変える」コトではじまる仕事だから、シェフの力が重要になる。
この店。
かつて荒木町で繁盛店を経営していた岩井さんというシェフとの出会いでできた店。
今日も、岩井シェフの創意爆裂な料理をたのしむ。
〆に何かとお願いしたら、「本当は作りたくないんだけどね」といいながら、なぜだか笑顔でフレンチトースト作ってくれた。
荒木町では恋人同士か美人限定の隠れメニューだったんだけど(笑)。
ミルクをタップリ飲み込んで、パンがトロトロ。
スプーンですくって食べなくちゃ、こわれてしまう、それほどやわらか。
メープルシロップの風味が混じって、まるでプリンを食べてるみたいな食感でお酒にまみれたお腹がほっこり、あったかになる。
間もなく夜中の時間となって、お休みなさい、またいつか。
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