サカキノホトンブログカフェマメヒコでとんかつ食べる、夏の午後

S	M	T	W	T	F	S
	1	2	3	4	5	6
7	8	9	10	11	12	13
14	15	16	17	18	19	20
21	22	23	24	25	26	27
28	29	30

カフェマメヒコでとんかつ食べる、夏の午後

渋谷のちょっと変わった店で、とんかつ食べる今日の昼。

渋谷のはずれのBunkamura。
そのまたはずれにひっそりとある喫茶店の「CAFEマメヒコ」の支店が近所にある。
しかもそこがとんかつ店を併設してる！
喫茶店が片手間にとんかつ作って売ってるのじゃなく、あくまでとんかつ専門店が喫茶店と共存してる。
それって一体、どうしたお店？って、興味津々、やってくる。

「CAFEマメヒコpart３」。

地図でみてるとそこの近所で、けれどなかなか見つからない。
CAFEマメヒコもわかりにくい場所にあるけど、ここも負けず劣らず見つかりづらい。
洋館仕立ての小さなビルの、３階にある。
外階段をタンタン上って、ドアを開けると喫茶店。
女性スタッフかひとりいてコーヒーの甘い香りが漂ってくる、どこをどうみてもコーヒーのための空間で、こりゃ間違ったか？とビックリします。
店の右奥。
軒下部分にネクタイ締めて微笑む豚の絵が飾られていて、なるほどそこの奥がとんかつ専門店…、という趣向。

軒をくぐって扉をあけると、１０人ほどが座れるカウンター。
中に厨房、それからのれんとたしかにとんかつの店の風情出あります。
カウンターの中には年嵩の調理長とおぼしき人と、若い調理人。
座って注文。
注文受けた若いスタッフが、「おじちゃん、ヒレカツ一枚」っておじちゃんに言う。
聞けばおじちゃん。
近所で飲食店をやってた人で、そこを閉店すると同時にここのオーナーに請われてとんかつを揚げることになったんだという。
調理経験は長いけど、とんかつ揚げてまだ半年足らず。
日々、勉強でございます…、と。

けれど調理の姿勢や手際は見事。
ピカピカの真鍮製の揚げ鍋に、ギッシリ、パン粉をつけた肉をそっと沈めてあげていく。
そのかたわらで、キャベツを切って器に盛って、さぁ、どうぞ。
トンカツを盛るお皿にジャガイモサラダを盛り付けるアシスタントの若い衆に、あれやこれやとやさしく指示を出しながら、見目麗しいとんかつたちまち仕上げてくれる。
早く育てよ…、って親心のようなやさしい言葉になんだか、ほろり。

味噌汁、ご飯と一緒にやってきたのがコレ。
ほえい豚のヒレカツ定食。
粗いパン粉がバリッと立ってて、かなり濃い色、強い揚がり目。
けれどクルンと一切れつまみ、中を見たらばシットリ汗をかいた肉。
これ以上、油の中に沈めていたら肉の中まで火が通りきってバサバサになる。
切った瞬間は芯がまだ生。
その状態で引き上げて、ザクリと切って皿に並べる。
このギリギリの状態を見極めるのが私の仕事…、と、ニッコリしながらお皿を差し出す。
人懐っこい仕草に表情。
食べる前においしさ感じる、なんだか最高の先味でした。
とんかつにソースをかけるのでなく、別のお皿にソース。
ケチャップ、それから芥子をしぼったところにチョコンとカツを浸してどうぞ…、という趣向。
カツの衣が濡れず、汚れず、最後の最後までサクサクとした衣の食感たのしめる。

カサカサとしたパン粉の食感。
ムッチリとした肉の歯ごたえ。
どちらも最高。
しかも肉に味があり、ソースを沢山使わずともおいしくおなかに入ってく。
ポッテリとした味わいの濃厚な味噌。
いりこを使った曲者系の力強い出汁がまた濃厚で、汁で十分ご飯が一杯食べられるほど。
ポテトサラダも味わい正直。
芋のうま味や風味がそのまま口に広がる、手作りならではのオゴチソウ。

なにより感心したのが油。
ガリッと揚がっているのにまるでお腹にもたれぬ。
すっきりとした不思議なほどにやさしい味わい。
油の匂いもしないのですね。
お店を入ったときから空気がとてもきれいで軽やかで、狭いお店の小さな空間。
窓さえないような場所に小一時間身を置いて、服にも体にも油の匂いがつかなかった…、コーヒー屋さんの横に店を構えていても、これなら隣に迷惑かけぬ。
立派だなぁ…、って感心します。
そしたらお店のじいちゃんが、あれこれ言葉をかけてくれます。
聞いてもないのに豚の仕入れや仕込みのコトや、自分の思うおいしいトンカツのことやあれこれ、たのしい話題に華が咲く。

ごちそうさまと席を立つと、伝票渡され、お勘定は喫茶店でお願いします…、と、そのひとことに、そうだ食後のコーヒーをのもう…、と自然に隣に気持ちが向かう。
とても上手な仕組みであります。
カウンターだけのこれまた小さな喫茶店。
カウンターの端から端にギッシリ座って１０人ほどで一杯ですか…。
アイスコーヒー用のドリップポットや、ホット用のサイフォンなどがピカピカキレイに磨かれてズラリと並ぶ。
とても上等なスピーカーから、モーツァルトの流れるところ、まるでかつての名曲喫茶。
女性スタッフがひとりでお店を守っています。
のんびりコーヒー飲みながら、ボンヤリしてたら次々、お客様が入ってきてドアを開けた途端にギクッと立ち止まり、「トンカツどこで食べられますか？」と。
まるでいたずらたのしむような、店のしつらえ、一度きたらば忘れられない、よいお店。

カフェマメヒコパートⅢ

関連ランキング：とんかつ | 神泉駅、渋谷駅、代々木公園駅

[0回]

2011/08/16 (Tue) 銀座ウェスト：和 Comment(10)

■ この記事にコメントする

お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード

■ コメント一覧

おぉー

このお店、何日か前に雑誌で見て気になってました！
喫茶店でとんかつなんて、かなり面白いデスヨネ。
サカキさんに先越されちゃいましたねw
私も行ってみたいです(≧▽≦)ﾉ

lovekuma69さん / 2011/08/16(Tue) /

編集

カッコイイ店

> lovekuma69さん
ここはとてもカッコイイ店でした。
というか、ココを知っている大人はカッコイイなぁ…、と。
なんだか行かなきゃいけないお店がどんどん増えていきますネ。

サカキシンイチロウさん / 2011/08/16(Tue) /

編集

わかりにくい

東急のパーキングの裏のまた裏ですか。。。
ここは何故かちょくちょく歩いている私でもわかりにい。
三茶の本店？も少しだけ外れた場所にあるし
ここのオーナのコンセプトはかなり面白いですね。
若者の街に大人の隠れ家を作りたいのかなぁ。

しかし、とんかつにコーヒー！興味津々です。
週末にでも行ってこようかな。

れきさん / 2011/08/17(Wed) /

編集

見つける楽しみ

> れきさん
街中が看板のようになって、ぼんやりしていても店の存在が飛び込んでくるようなお店ばかりの日本の街に対する、皮肉めいたロケーション選び。
たしかに、かなり変わったメッセージを発しています。
本当に分かりにくい。
なのに、見つけてしまうと、こんなところにあったんだぁ…、って見つけるたのしさを感じたりもできます。

この喫茶店。
食パンにこだわりを持っていて、トーストやかつサンドを売ってらっしゃる。
トンカツにはパン粉がつきもの。
つまり「パンつながり」のコラボレーションということのようでありますよ。

サカキシンイチロウさん / 2011/08/17(Wed) /

編集

穏やかな店

以前おじさんが働いていた定食屋もわかりにくい場所にありましたが、とても良いお店でした。こちらのマメヒコは渋谷の喧騒から離れ一息つける穏やかな店です。

amaさん / 2011/08/17(Wed) /

編集

渋谷

> amaさん
もともと通りが入り組んでいて分かりにくい街、渋谷。
メインストリートは喧騒に溢れていても、ちょっとさがすとこうしたおだやかなお店がある。
気持ちがホッとするようなこんなお店が増えるといいなぁ…、って思いますネ。

サカキシンイチロウさん / 2011/08/17(Wed) /

編集

とんかつ！

土曜日マメヒコ近辺うろついてましたまさか
やさしそうなとんかつ！
行って可愛いうんちく聞きたいです