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2024/05/11 (Sat)
早起き初藤
ひさしぶりに東京駅の初藤にて朝。
朝、ほんの少々、早めに起きる。
それにくわえてNHKの朝の連ドラ。
新シリーズの「ウェルかめ」のハイテンションな方言ドラマにちょっと辟易。
見続けるのを断念しちゃったこともあり、乗換駅の東京駅にかなり早めに着いちゃった。
それでテクリと散歩をし、丸の内側から八重洲に抜けて、それで初藤。
相変わらずの繁盛店。
テーブルにつき、食券渡して湯呑みを手にする。
温かい!
冷たい夏の麦茶から熱々のほうじ茶に、お茶も衣替えしたのですね。
そういやとっくに10月だもの…。
それにしても朝からにぎわう繁盛店。
元気いいおばさんたちのサービスもいつもにましてキビキビしてて、朝からたのしい。
ニコリ顔。
卵焼きの定食に、豚汁つけて朝とする。
味醂で甘味をくわえたテカテカ。
ふんわり、程よく空気を含んで焼き上げられたシットリとしたやさしい食感。
ひとかけ箸でつまみあげ、舌にのせるとポワっとあったか。
ハフハフしながらそっと噛む。
するとジュワッと玉子の旨味と出汁の風味がほとばしり出る。
幸せな味。
ボクの前に座ってた歳の頃60手前のおじさんが、同じように卵焼き定食をたのんでて、まずはきれいに均等に卵焼きを8等分して、それから食べてた。
几帳面な正確なのでありましょうか?
おもしろい。
十分下味がついていて、だからそのまま何も付けずに食べられる。
けれどポタっと醤油を少々たらしてやると、甘味が引き立つ。
焼いた表面の香ばしさも際立つ感じがまたご馳走。
醤油パワーのもの凄さ。
普通の味噌汁の代わりにつけてもらった豚汁。
この倍ポーションの豚汁がメインの豚汁定食もあるほどで、ここの名物。
不用意にススっと啜ると確実に、舌と唇をやけどしちゃうほどの熱々で、しかも豚の脂で蓋されてその熱々が持続する。
大根、ごぼうにニンジン、豆腐。
おどろくほどの具沢山にヒラヒラと豚バラ肉がタップリ浮かぶ。
汁というより、鍋の残り…、みたいな贅沢。
もひとつここには「肉豆腐」って定食もあり、この豚汁の具と汁のバランスが逆転したような食べ物だった。
それも最近、人気のようでたしかにこれから涼しくなると、ハフハフしながらご飯を食べるこうした料理はありがたい。
体が中からあったまり、汗かくご馳走。
さて、行ってきます、月曜日。
[0回]
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2009/10/05 (Mon)
日記 : 日本の料理
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Comment(6)
テクノロジーが焼いた鯖
昨日の検査。
ありがたいことに今のところ大きな問題はみつからず、いくつかの精密検査の結果待ち。
とはいえ、内臓脂肪の増加は由々しき問題ではありまして、お医者様からきついお言葉。
反省中。
で、一日ぶりのご飯を、新宿駅地下、天金にて…。
と書きはじめて、果たしてここは地下なんだろうか、どうなんだろう?って、ちと考えた。
新宿西口の一階窓口は一つ上のフロアーにある。
駅近隣の百貨店のこのフロアーに面した出入り口はみんな地下口。
目を上に向ければ頭の上には道路があって、地下ロータリーに車を誘う大きな穴がポッカリあいてる。
駅に対してはまごうことなき地下なんだろう。
けれどこの地下通路をどんどん西に向かって歩いていくと、いつの間にか頭の上の道路がなくなる。
そしてパカっと視野が開けて、空が直に見えてくる。
右手にオフィスビル。
左手には京王プラザのビルがあり、見れば1階玄関口って表記まである。
駅の地下からはじまる道が、いつしか地上1階になる。
坂道じゃない。
平坦なただただズっと続く道。
そう言えば、丸ノ内線という地下鉄が部分的に地上を走ってしまうという東京という街。
不思議な地形の渓谷都市。
奴と鯖の朝ご飯。
メインが選べるすべての定食に、海苔と味噌汁、しらすおろしにご飯と漬け物。
それだけが付く、シンプルだけどまさに日本の朝ご飯というここの定食。
季節のごとに、大根おろしの味が変わる。
辛くなったり甘くなったり。
あるいはちょっと乾いた感じと、季節がそれでわかるみたいなそんな定番。
今日のはとてもみずみずしくて、ほのかに甘い。
鍋の季節がそろそろはじまる。
おでんもおいしくなるんだろうなぁ…、って、そんなことを思ったりする。
日本のご飯は季節のご飯。
冷や奴、生卵、鮭に鯖とメインの料理がいくつかあって、いつもかならず奴は食べる。
朝、まだ睡眠モードからリセットできぬ、ぼんやりとした喉とお腹にスベっとやさしくしのびこむ豆腐の冷たいなめらかが、とてもおいしい。
特に昨日、ほぼ一日、なにもお腹に入れなかった翌日の今朝。
豆腐のひやっとスベスベとした奴はとてもおいしく感じる。
だから奴ともう一品。
いつもは焼いた鮭にするけど、今日は何故だか鯖が食べたく、焼き鯖にした。
焼いた鯖。
これを食べるとほぼ半日はお腹の中が青臭くなる。
なにしろ「魚」に「青い」と書いて鯖です。
色も青いし、匂いも青い。
ゲップをすると鯖独特の匂いがケフっと鼻からぬけて、鯖を食べたってことを思い出す。
まぁ、それも含めて鯖を食べるというたのしみで、今日もジックリ、鯖の脂とたわむれる。
それにしてもこの鯖。
スティームオーブンで焼き上げたのでありましょう。
最近、家庭用にも普及がはじまった水蒸気で焼き上げるタイプの電子レンジの複雑な奴。
だから皮がパリパリって具合には焼き上がらない。
シットリしてて、旨味はむしろ身に凝縮されているので決してまずくはないけど、脂の香りがちと弱い。
手間をあまりかけることなく、煙が出ずにキチンと焼ける。
地下商店街の店にはピッタリなんでしょう。
しょうがない。
テクノロジーを食べる朝。
[0回]
2009/09/30 (Wed)
日記 : 日本の料理
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Comment(4)
居酒屋的なる「すずな食堂」
すずな食堂。
四谷三丁目にちょっと前にできたお店で、先日はじめて行ったとき食堂と名乗ってはいるけれど中身は割烹料理店のクオリティだよなぁ…、ってちょっと感心。
定食だけじゃなく、一品料理をたのんでみたい。
そう思って今日やってきて、あれこれ料理をたのんで食べる。
南瓜の肉そぼろ煮。
ひじきの煮付け。
鶏のレバーの煮付けとあれこれ、まずはビールのつまみに作ってもらう。
南の瓜と書いてカボチャと読ます、まずその古風がとってもステキ。
甘く煮込んだホクホクのカボチャにタップリ鶏肉そぼろがくっついていて、一緒に食べるとカボチャで作ったコロッケみたいな味わいになる。
ホッコリしてる。
ひじきの煮付けもそうだけど、自分で作るとこれほど甘く作れない。
プリプリっと奥歯ではじけるレバーの具合もまた絶妙。
鰯の梅煮。
生まれて初めて、おばんざい屋さんでこれを食べたとき。
ビックリしました。
家で鰯を煮るときは、味醂と醤油とお酒と生姜。
圧力鍋でグツっと煮込んで作るのだけど、生姜の代わりに梅で臭みをとるという、この発想には正直やられた。
指でお腹をしごいてワタをキレイにし、落とし蓋してコトコト、体を崩さぬように。
だからツヤツヤ。
まるで結城紬をまとわせたようなテラっと艶もつ色っぽさ。
身離れ抜群。
シットリとした太った鰯の味わいもまた抜群。
不思議なことに梅の酸味や香りはせずに、魚の風味がほどよく残ってそれが嫌みじゃないのがいいところ。
鶏の唐揚げ。
味醂と酒と醤油で下味付けた鶏肉。
片栗まぶしてその表面がバリバリっとなるまでかなり強めに揚げたボク好み。
鶏の皮が剥がれてそれがよじれるように、ガリガリっと揚がったところが美味しそうにて、よだれを誘う。
噛む。
するとジュワッと肉汁ながれて、それに続いて脂がススっと唇、濡らす。
噛めば噛むほど揚がった皮の香ばしい、甘い香りが広がってくる。
こりゃ日本酒だねぇ…、って、ビールを冷酒にかえて飲む。
おやつに食べたケンタッキーのフライドチキンも鶏の揚げたの。
あれはシットリ、脂で煮るようにして出来たフワッとやわらかなみずみずしさを味わう料理。
それに比べて日本の唐揚げ。
余分な水気を油に吐き出しその分、ギュギュっと質量が減る。
けれどかわりに凝縮された旨味指数が増したところを味わう料理。
前者はビール、後者は日本酒。
お酒の性格に合ってるようなそんな気もする、面白い。
〆を定食にしませうか?と、秋刀魚の塩焼き。
まるまる太った立派な秋刀魚。
今が一番おいしい季節。
きれいな焦げ目でしっかり焼けてて、目を凝らしたらば塩が立ってる。
秋刀魚の脂をタップリ吸って、それでキラキラ、食欲さそう。
箸を当て、力を入れると秋刀魚の脂が噴き出してくる。
当然、旨い。
はらわたまでもがプリっとしてて、ほろ苦くってしかも甘い。
ここはご飯が本当においしい。
お釜で炊いたご飯の味がするのが不思議。
厨房の中を覗いてみれば、普通のガス釜。
多分、何かのコツがあるに違いない。
汁も具沢山の豚汁で、サービス精神旺盛でいい。
一緒に豚の生姜焼き。
ロースの肉を薄切りにして、一枚一枚、丁寧に、フライパンに広げて敷いてジックリと焼く。
焼きながら生姜風味のタレをかけまわし、肉にゴクゴク飲ませつつ煮詰めてちょっと焦げ味付ける。
洋食屋さん的じゃなく、あくまで日本料理としての生姜焼き。
関西風のすき焼きを焼く流儀で一枚、一枚、焼き上げてそれを三枚。
見事なキャベツの千切りと、香りのたったキュウリを添える。
肉焼いたタレにキャベツがからんでしんなり、ちょっと柔らかになったところがまたおいしい。
そうそう今日はお店も満席。
常連さんがお酒を飲んだり、おそらく近所のビジネスマンが残業途中に腹ごしらえを…、ととてもにぎやか。
今日も何度も「またぜひお待ちしておりますから」ってお辞儀をされてお店を出ます。
食堂使いのここもいいけど、こうした居酒屋的なる使い勝手もまた抜群。
またまいります…、心から。
[0回]
2009/09/25 (Fri)
日記 : 日本の料理
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Comment(0)
串揚げ、そしてうどんの夜
夜、でめ金。
新宿西口にある串カツの専門店。
今年でもう35年間。
ここで変わらずずっと同じ商売を続けているという西新宿では老舗のお店。
ボクも昨年までこの店の存在をずっと知らずに、はじめてきたときには「ああ、もっと早く来ておくんだった」って、悔しく思った。
揚げ物をいくら食べても体がギブアップしなかった、例えばボクが100キロあった時代にココを知ってたらどれだけ沢山食べられただろう…、って。
まあ本当は、その頃、この店の存在を知らなかったことをむしろ感謝べきとそうも思う。
時の巡り合わせというものなのでありましょう。
カウンターに15席ほど。
厨房と客席の間を仕切る役割をしている一段、あがったところに青々としたネギ。
いつも変わらぬこの景色。
昼は定食。
夜はおまかせコースの店となる。
今日の素材を次々揚げてもらってほどよきところでストップかける。
大人の真剣勝負のような、さて夕ご飯のハジマリハジマリ。
ここで料理をおまかせすると、必ず揚がってくるのがこの子。
素揚げの沢ガニ。
よく揚がっていてバリバリっと口を刺すよに壊れてく。
香ばしい。
油の香りと、甲殻類の甘い香りが一緒にバリっとやってきて、海老せんべいをこれでもかって凝縮させたそんな味わい。
塩もビリっときいていて、お腹がパカっと一気に開く。
食欲誘う、よき一品。
海老に牛ヒレ、稚鮎にホタテと、どれも見事な火加減でヒレ肉なんて中はレア。
なのに表面のパン粉はパリパリ。
細かなパン粉がギッシリ、身を寄せあいながら火をくわえられ中の素材を包み込む。
旨味と風味を外に逃がさずフックラ、ほんわか。
串ひとつひとつがまるで小さなオーブンになり、素材の持ち味引き出していく。
なんだかスゴい調理法。
串で刺して揚げる以外の料理もあります。
鶏の手羽。
骨の付いたままの手羽元にパン粉をつけてカリッと揚げたの。
ただ揚げるのじゃなく、骨から身が外れ易いよう細かく包丁で切れ目をいれて、周りを海苔でグルンと巻いた。
噛むとぼろっと身がほぐれおち肉汁ドバっという見事。
素材を素直にそのまま揚げるというモノもある。
けれど一手間くわえたものがほとんどで、例えば栗。
今の季節の丹波栗です…、ってさりげなく出された串をパクッと齧れば栗の周りにグルンと鶏肉を巻いている。
鶏と栗というのは日本料理でも中国料理でも一緒に焚きあわせるよき組み合わせ。
コホコホとした栗の食感を、シットリとした鶏肉がやさしく包んで、ほっこりとしたおいしさになる。
ベーコン巻いたジャガイモを、まるでコロッケみたいな味の串ものや、カニのほぐし身をキスで巻いた揚げ焼きなんかが次々でてくる。
おもしろい。
口直しにと野菜が出ます。
出るというより、カウンターに座ると同時にそっと置かれる。
甘いキャベツに、野菜スティック。
ニンジン、大根、キュウリがそろい、どれもほんとにみずみずしい。
油にまみれた口がスッキリ。
ありがたい。
そう言えば、関西流の串揚げの店ではしゃびしゃびソースがバッタに入ってテーブルの上に置かれてて、それを何人ものお客様がシェアーするという食べ方スタイル。
だから「二度付け御免」がルールなのだけど、ココではソースはポットに入ってテーブルの上。
トロミの強い中濃ソースのようなソースで、それをお皿に注いで付け放題。
お国が変われば流儀も変わる。
たのしいコトでございます。
そろそろ「留め」にしようかなぁ…、と思っていたら、そんな気持ちを見透かすように、はい、どうぞとコレ。
サツマイモとリンゴの串カツ。
で、これが絶品。
おどろいた。
実はボク。
サツマイモとかカボチャの天ぷら、フライがあまり好きじゃない。
中途半端な甘さが苦手。
ボクの父がサツマイモの天ぷらが好物中の好物で、だから昔から天ぷら揚げよう…、っていうと半分くらいがサツマイモ。
しかもそのサツマイモの天ぷらにソースをかけてご飯のおかずに食べるという、その食習慣を無理強いされて、ますます嫌いになってった。
本来苦手であるはずの、揚げたサツマイモ。
ところが揚げたリンゴと一緒になると、これが面白いほどにアップルパイの味になる。
新たな発見。
オキニイリ。
桃とバターを一緒に揚げた桃の串揚げ。
フルーツトマトを丸ごと揚げたトマトの串揚げ。
どれも以外で、でも期待以上においしい新たな味との遭遇に、「恐るべし!串揚げの世界」っておもわず思う。
今日は不思議なほどに食欲があり、用意されたネタをほとんど一通り、平らげかなりご機嫌の夜。
ココでは食べ終えた串をカウンターの上に置かれた金魚の姿の器の中に放り込む。
金魚の口も串で一杯。
それと一緒にボクのお腹も一杯でそろそろ失礼いたしましょうか…、と。
よっこらせ…、って席を立つ。
さすが週末。
明日から大型連休の前。
街もお店も大混雑で、気持ちもワクワクしてきます。
腹はほどよく満足したけど、でも〆を何か食べたい。
それでこの「でめ金」の近くのうどん屋。
「かのや」に来ます。
蕎麦文化の東京にあって、昔から「うどん」で勝負をしかけるお店。
しかも立ち食い。
ヨドバシカメラの本店前という、場所がら決してよろしくはない雑然とした場所。
いつもほどよくにぎわっていて、だから前から来たかった。
なかなか機会を発見できず、よし、今晩こそ…と勇んできます。
お店の外には券売機。
サンプルケースに「化学調味料や食品添加物をなるべく使わぬ体にやさしいうどんです」…、って真っ正直なメッセージ。
そもそもうどん。
昔の日本では離乳食にもつかわれた、体にやさしい料理の代表。
なのに今ではこうしてワザワザ、体にやさしいとうたわなくてはならないほどに、いろんなうどんがあるというコト…、なのでありましょう。
なやましい。
かのやうどん、というここの名物。
刻んだお揚げに、ワカメに天かす、切り昆布。
カマボコ一枚、ほうれん草。
その真ん中におぼろ昆布という、具沢山にしてその具のセレクションがなんだか讃岐。
おぼろ昆布というのが中でもステキにみえて、思わずウットリ。
太い麺。
角ばっていて、ちょっとボソっと噛み応え感がありいわゆる讃岐のうどんとちょっと違いはするけど、なかなか旨い。
うどんを噛んで食べるのが好きな人にはおいしく感じるんじゃないのなかぁ…。
出汁は見事に旨くてキレイ。
醤油の風味に甘えない、出汁そのものの旨味でゴクゴク飲ませるおいしさ。
結構、これもオキニイリ。
[0回]
2009/09/19 (Sat)
日記 : 日本の料理
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Comment(6)
喜助にイリィ
牛タンの喜助。
浜松に向けての日帰り出張。
その出陣を、肉汁したたる分厚いタンで飾る気持ちでやってくる。
分厚い。
そして肉汁したたる…、というところが大切で酒の肴なんかじゃなくて、ご飯と一緒にガッツリ元気をひねり出すために焼くタンっていうのは、やっぱり仙台風の焼き牛タンに限ると思う。
東京にも何軒かある。
けれど何軒かしかないそうしたタンをふるまう店の、そのひとつ。
東京駅のキッチンストリートという企画モノ系際物レストランが結構多い、そんな場所に出店したのが勿体ないなぁ…、って逆に思っちゃう、真面目なお店。
ランチはタンに麦飯、それからテールスープで一人前。
カウンターに座って焼けるタンを眺める。
ガスの火と違って轟々音を立てる訳じゃない、時折、パチパチ、火がはぜる音がする炭の上。
瞬間、1000℃近くになる炭の力で焼き上げる。
一度、炭場の前に立たせてもらったコトがあるけど、目も開けられぬ程の熱さにビックリ。
これは気合いのいる仕事だなぁ…、って思ったりした。
さて、出来上がり。
タンの量を多めで作った1.5人前というランチ。
分厚い、しかも表面カリッと焼けたタンが重なりあって層をなす、このタップリがまずはご馳走。
ムチュンと歯ぎれる。
ザラッと歯茎をなでまわし、肉の旨味をこれでもか…って吐き出しながら奥歯を叩く。
噛む、噛む、噛んで繊維がバサッとちぎれる食感たのしんで、それでゴックン。
一噛み分で舌から顎から喉から頭を、もう存分にもてなすご馳走。
シャキッと奥歯が痒くなるよな塩漬け白菜。
お店の人に、そっとお願いすると分けてくれる青唐辛子の味噌漬け、「南蛮」。
どれもがタンの脂をサラっとリセットさせるよき相棒で、ポッソリとした麦飯さえもがタンをおいしくさせる組み合わせ。
何が欠けても。
何を変えても。
多分、これほどおいしくならない見事に枯れたこの食べ方にウットリします。
仙台の人の創意工夫が作ったまさに「郷土の料理」…、っていう感じ。
それにしてもテールスープ。
旨いなぁ…。
フランス料理。
韓国料理。
牛を煮込んで旨味をつめて、それを料理の味の基本にする国の人ってテールが大好き。
テールのシチュー。
テールのお粥。
ドッシリとした味わいで、旨味濃厚、なのにサラっと後味軽い、それそのもので完結してて、でも他の旨味を壊さない。
ここのスープも見事な旨さ。
中に沈んだホロホロ、崩れるほど煮込まれたテールの肉もクチャっとおいしい。
麦のご飯をレンゲにのせて、ちょっと浸してズズッとすする。
クッパな味わい、ノックダウン。
のっそり、ユッタリ歩く牛。
その緩慢に似合わぬ動きをする場所が、草はむ舌と虫追う尾っぽ。
その両方をこうして一度に味わう幸せ。
体も気持ちも温かい。
新幹線の出発時間を待つ間、イリーによります。
イタリアンレストランのコーヒーといえば、このillyか、あるいはLavazza。
どちらもレストランの裏方にずっと徹してた。
けれど、スターバックスみたいなお店がエスプレッソを売り物に、お店を出すのを横目でみながら、よし自分たちも…、ってことで直営店をそれぞれ試行錯誤してる最中。
espressamente illy vs. Lavazza Cafe…、みたいな感じ。
今のところはillyが一歩リードってところでありましょうか?
結構、お店が目立ってきてる。
本場イタリアでも、ショッピングセンターを作ると必ずメインテナント扱いで誘致されるようにもなってきている。
アメリカ的とは違ったクールでお洒落なデザイン感覚すぐれたお店。
なによりここのカプチーノ。
ふんわりとした泡が決して壊れぬ頑丈。
トロンとしててなめらかで、甘さすらをも感じる濃密。
香り鮮やか、飲むデザートみたいな味わいはここ独特で、かなり好き。
ニッコリなります…、新幹線の出発時間の15分前。
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2009/09/18 (Fri)
日記 : 日本の料理
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