サカキノホトンブログ夜家ご飯にＤＶＤ

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夜家ご飯にＤＶＤ

夜を家でする。

和牛のイチボを安く売ってた。
お尻の先っぽ。
脂があまり混じらぬ赤身。
旨みが強くて、けれど後味がスッキリしてる焼いておいしい牛の部位。
フライパンでスライスガーリックを少量の油と一緒にあたためる。
ジックリ熱を通して香りを油にうつし、ニンニクチップはキッチンタオルにとって乾かす。
フライパンを一旦、冷ましてそこに肉をズラッと並べる。
そしてユックリ、熱をくわえる。
強火で短時間に焼く焼き方もあるけど、脂の少ない肉の切り身は徐々に鍋肌の温度をあげる。
するとフックラ。
肉汁を外に吐き出さぬように焼けていく。
今日のお肉も片面、ユックリ。
ひっくり返して強火にし、醤油をかけて味と風味を付けたらそれで出来上がり。
お皿に並べる。
オレンジ色のパプリカを皮ごと黒くなるまで燃やし、皮だけツルンと剥いて冷やして、肉と交互に並べて最後にニンニクチップをちらして食べる。
サクッと歯切れるイチボの食感。
プニュンと前歯になめらかなペペロナータの食べ心地。
どちらもゴチソウ…、よきメイン。

先日作ってたちまちオキニイリになったお料理。
細切り茄子と春雨を麻婆豆腐風にして黒酢で風味を付けたモノ。
それのアレンジ。
茄子と春雨の他にお豆腐。
それも厚揚げ豆腐を細かく切って、油で再び揚げたモノ。
豚挽き肉を鍋で炒めて脂を出させ、そこに具材を投入し麻婆豆腐の素を使って下味にする。
醤油と黒酢で味と風味をととのえて、最後に熱した胡麻の油で香りをつける。
黒酢の香りと酸味が味をスッキリさせて、食べてて全然、飽きが来ない。
油を吸った茄子のシットリ。
豆腐のプルルン。
ホツホツとした豚挽き肉と、食感それぞれ、味わい多彩であるけれど、具材の味やタレを全部吸い込んでおいしくなった春雨がこのお料理の堂々主役。
麻婆豆腐や麻婆茄子だと、ご飯がどうしても欲しくなるけど、春雨入りのこれは主食を必要とせぬ、これそのもので完結した味…、タンノウス。

〆にスパゲティー。

塊ベーコンを厚切りにして、しかもそれを拍子に切り取る。
オリーブオイルの中で揚げるように炒めていってカリカリにする。
そこに茄子。
乱切りにした茄子をカラコロいれて、油をすわせて実が透き通るまで熱をくわえる。
そして火を止め、一旦、休ませパスタを茹でる。
塩を多めに入れたパスタボイラーのお湯の中に、バスケットを入れブロッコリを放り込む。
花がボロボロ、壊れる寸前まで熱を通して引き上げそれを茄子を炒めたフライパン。
それからエノキ。
塩で下味ととのえて、そこにパスタを入れ、あおる。
ピカンテオイルで辛味をたして、最後に醤油で風味をつける。
エノキのトロミでパスタに旨みがゆきわたる。
シャキシャキとした食感も、パスタらしからぬおいしさで夜のお腹が満たされる。

食事をしながら、のんびりＤＶＤをいくつか観ます。
東欧作のナチスがゾンビになっちゃう映画。
ドラキュラ少女とフランケンシュタインが闘う日本のとんでも映画。
どれもたのしく食事がすすむ。

それから一作。
観たかったけど、知らない間に劇場公開が終わってしまっていたコノ作品。
「恋するベーカリー」ってラブコメディー。
これは良かった。
離婚した中年夫婦の焼けぼっくいに火がついちゃうコトからはじまる、アレヤコレヤの物語。
恋愛に対する男と女の感じ方。
シアワセに対するアプローチ。
さまざまなコトに対する男女の違いが本当に上手に描かれている。
邦題は「恋するベーカリー」ってまるで間抜けなモノになっちゃってるけど、原題の「It's Complicated」。
もうむちゃくちゃでござりますがな…、ってそんな感じでありましょうか。
こんがらがった人間関係が、ほぐれそうでなかなかほぐれず、ちょっと切なくほろ苦い結末へと向かっていくのがアメリカの映画にしては大人な感じでとても良かった。

なによりメリルストリープの目と口元の演技の力。
アレックボールドウィンのメタボを恥じぬ見事すぎる脱ぎっぷり。
アメリカには上手い俳優がいるもんだ…、ってそこに惚れ惚れ。
感心します、オキニイリ。