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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    松江にて勉強会。

    nekko.jpgおいしい料理を作るだけではお店を繁盛させることはむつかしい。
    おいしい料理を作り「続けなくては」商売として成立しない。
    続けるためには、続くような工夫をしなくちゃいけないワケで、例えば「たのしく働くコトができる」仕組みを考え、導入することも必要になる。
    やる気と技術と経験だけでは、仕事は続かぬ。
    「好きなコト」を「続けてやれて」しかもそれで「食べていく」コトができる仕事にであえることが、シアワセのコト。
    おいしい料理を作ることも大切だけど、働く人が休みをしっかりとれるコト。
    厨房の中で食事を立ってたべるような、貧しいコトをしなくてすむようにちょっと知恵を使うことを必要なコトなんだよね…、って。
    今日はそれで、新しい調理法のコトをあれこれ勉強する日。

    鮮度を保つ保管法。
    鮮度を活かして調理し、しかも品質保持期間を長引かせるコトができる調理と保存法。
    松江の「根っこや」と言うお店の厨房借りて調理長の講義で、今日の勉強会の〆にする。
    山陰地方の食材を既存の調理方法にこだわらず、新しい味の提案をしているお店。
    そこでいつもつくられている実践的な、けれど同時に実験的な料理のありようをアレコレ学ぶ。

    60d82cdc.jpegもともとフランス料理を習得した人。
    その人が作る和食のさまざま。
    独創的ではあるけれど、創作料理のようではないどれも本物。
    温度と時間。
    今まで経験でほとんどすべてが出来上がっていたコトを科学してやる。
    方程式でできる料理の骨格に、感覚的なる肌を着せ、食器という名の舞台にのせる。
    それが料理を作るというコト。
    素材が調理されたように調理すればおいしい料理になるんですよ…、って確かにそうかもしれないなぁ…、って感心します。
    そもそもボクらはどれだけ食材のコトを知って今まで料理をしていたんだろう…、ってちょっと反省したりする。

    例えば前菜。

    0018b0b2.jpeg向こう側にみえるまるでムースのような食べ物は酢味噌を泡にした料理。
    スペインのエルブリではじまった料理の一つで、タップリの空気と窒素を抱いた酢味噌がなんともなめらか。
    その泡で包まれているのがタコやエビ、あるいはイカといった海の幸。
    季節の海鮮の酢みそ和えも、こうしてスプーンで食べてくと、まるで違った味に感じる。
    思わずワインと口走る。

    手前のガラスの鉢に入ったモノは蕎麦粉をつかって作ったフェトチーネ。
    カツオ出汁のジュレをちらして、会席料理で言うならばオシノギに当たる、けれどこれまた冷たい前菜としてもおいしいたのしい料理。
    バルサミコ酢を使って〆た鯖だとか、ゴルゴンゾーラチーズを巻いたヒラメの昆布〆。
    なるほどこんな解釈方法もあるんだなぁ…、って感心しながら料理が進む。

    170def0d.jpeg地物のアワビをやわらかに煮た魚の一品。
    そのまま刺身で食べていただくこともできるアワビなのですけど…。
    でも山陰で、コリコリとしたアワビの刺身を食べさせる店はそこらじゅうにある。
    他の地方から来る人ならば、それを食べて感動するかもしれないけれど、地元の人には当たり前の味。
    ならばココでしか食べれぬ料理をつくろうよ…、とそれでクニュクニュ。
    やわらかにして、提供をした。
    地元のモノを使った料理。
    地産地消がブームの中で、ならばそれを地元の人が喜ぶかっていうと決してそうじゃない。
    こうした工夫がほんとは必要なんだろうって。
    熊本産の真っ赤な柚子胡椒がビリッと辛味をくれて、これはこれでおいしくて、不思議と何故だか、芋焼酎の水割りが欲しくなるかもって思ったりする。
    おもしろい。

    肉のメインはまるでケーキのように見えるコレ。
    鳥取産の牛肉をやわらかく煮て、それを焼く。
    ワサビを混ぜたパン粉でよそおい、それをオーブンで軽く焼きあげ出来上がりという、遊び心満点がいい。
    なによりまるで絵を描いたようなうつくしいさま、オゴチソウ。

    3b33dcb7.jpegフォアグラをタップリ混ぜた茶碗蒸し。
    宍道湖でとれたすずきと、島根の大田市でとれる種無し柚子をつかった雑炊が〆。
    それに続いてデザート、ケーキの盛り合わせがきて、それで今日の宴の終了。

    これらコース料理をこうして作った厨房。
    その直前までボクらが勉強会で使っていた厨房でもあるワケで、当たり前なら絶対こんな料理を作る準備ができていないはず。
    けれども、なのに、この厨房では驚くほどの手際と速度で見事な料理が次々できる。
    参加者一堂、舌を巻き、それと同時に舌鼓打つ。
    よき勉強の夜となる。

    そのあとみんなで夜の街。
    今日はかなり飲んでしまった…、まぁ、それも良し。
    明日も勉強、がんばろう。

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    無題
    弊社でも今年はHerve’This氏の分子料理学を1年間の学習テーマにして今月から。大学教授を招いての料理革命講義を行います。エルブジには行けないけれど日本でエルブジファミリーの店に行きたいのでご紹介していて頂けませんか?
    ジッサさん / 2010/07/21(Wed) /
    エルブリ的
    > ジッサさん
    東京で一番のエルブリ的といえば、やはり「サンパウ」さんではないでしょうか。
    グラナダが提携してスペインから持ってきたダイニングレストラン。
    女性シェフの作り出す見事な世界はさすがです。
    あるいは、小笠原伯爵邸さん。
    既存の料理の破壊と再構築を小気味よく、しかも分かり易くやってらっしゃいます。
    和食世界での応用を考えるならば「龍吟」。
    分子レベルのオモシロサを味わうのであれば、マンダリンオリエンタルホテルのモノキュラーバー。
    どれも知的好奇心を満足させてくれるお店であろうと思います。
    詳しくはまたメールにて。
    サカキシンイチロウさん / 2010/07/21(Wed) /
    無題
    ありがとうございます。小生は旬香亭で体験して以来久しく味わっていません、香りと味覚の知的探検。8月に日本に伺いますので、その折に。
    ジッサさん / 2010/07/21(Wed) /
    残念ながら
    > ジッサさん
    旬香亭メルカドは閉店してしまいました。
    すばらしい料理を出していたのですけれど、やはりそれだけで繁盛するのは難しかったようです。
    8月のご来訪。
    心待ちにしております。
    サカキシンイチロウさん / 2010/07/21(Wed) /
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