ちょっと見ておきたいお店があって、それで昼を秋葉原。
新橋に「牛かつおかだ」という店がある。
肉をカツにして食べると言えば、とんかつ文化のこの東京。
そんな街には珍しく「牛肉をカツにして食べる」というコトをずっと提案し続けている。
ニュー新橋ビルっていう、新橋サラリーマンの聖地にあっていつも満席。
ワンコインランチが当たり前な新橋にあって1000円オーバーという価格にして、なお連日行列ができる伝説的なるお店。
その商売を見事なまでに真似したお店。
しかもやっているのが大盛りロメスパチェーンのパンチョを経営している会社だという。
話題性も抜群で、開業早々、かなり流行っているんだよ…、と。
それでワザワザやってきてみる。
「牛かつ壱弐参」という店。
秋葉原の北側で、どちらかと言えば末広町が最寄駅。
飲食店の集積エリアが終わったところで、小さなオフィスがギッシリ集まる地域のビル。
ビルの2階にはマチガイネッサンドウィッチズというオリジナリティーの高いホットドッグで有名なカフェがあるビルで、認知性はなかなかのモノ。
ビルの地下ではあるけれど、まるで路面にお店があるような上手な外観。
階段トントンおりてみると、お店の中は満席でちょっと待ってとメニューを見ながら、しばらく待とうというコトになる。
メニューはシンプル、牛かつ定食とその定食に山芋とろろがついたモノだけ。
後者を選んで待ってると、5分ほどして空席ができカウンターにどうぞと、座る。
間髪入れず、料理ができて、さぁ、どうぞ。
ギッシリ肉に貼り付いた、細かなパン粉。
強めの茶色に仕上がっていて、油の甘い香りがポワン。
カウンターの中に厨房。
椅子の高さが高めにできてて、だから厨房の作業の様子がすっかり丸見え。
フライアーが二層あり、その片方で揚げ切っている。
かなり高温。
パン粉をギッシリまとわせた、肉をそっと油槽に落とすとブクブク、油が大きな泡をあげて肉を包み込む。
油が沸騰させて衣をカリッとあげるため。
とんかつだったら、中までシッカリ熱を通さなくちゃ食べられない。
だから低温でジックリあげて色白衣に仕上げてく。
けれど牛肉。
生でも十分食べられるというのが売り物の肉でありますからして、衣がカリッと揚がれば良し!というコトなのでありましょう。
本家おかだでも注文をしてお茶を飲んだら料理がでてくる、クイック提供が売り物で、衣の色や肉の切り方、お皿の色や大きさまでもがそこと同じなところにビックリ。
真似するならば徹底的に、アレンジくわえずそのままに…、ということなのでありましょう…、それにしてもの徹底的にちょっと笑ってしまいます。
肉の断面を見てみると、見事な肉色。
深い赤色。
若干白いすじがはいっているものの、肉は甘くてやわらかい。
口に入れるとカサッとパン粉が口にちらかる。
噛むとネットリ。
そのカサカサに続いてヒヤッと肉が舌を撫で回し、奥歯に肉がからみつくのがなんとも旨い。
こうした肉感的な肉の食感って、いろんな規制で最近あまり出会わなくなった。
ひさしぶりにネットリとしたレアな牛肉のうま味、風味に歯ごたえ味わう。
ただところどころに残念なところを見つける。
衣のところどころが剥げてて、まだまだ不慣れなところがあるのでありましょうか?
それに油切れの悪さを感じる。
食べてるうちに、ちょっと重たく感じるのです。
新橋で牛かつ食べると、「もう肉が終わっちゃうんだ」って名残惜しく感じるんだけど、ここのはそうした「もう終わっちゃう感」に出会えない…、オモシロイ。
油を中和させましょう…、ってことなのか、白米ご飯じゃなくて麦飯。
トロロ付きを選べるってところはココのオリジナル。
牛タン焼きの定食屋さん的工夫なのでありましょう。
麦飯との相性もよく、口の中がサッパリする上、パン粉衣の油っこさを中和する。
わさびと醤油で味わうというのは新橋譲りの食べ方…、かなりタップリわさびをのっけて食べてもわさびがツンとセず、むしろそれが甘みに変わる。
わさびの代わりにホースラディッシュを溶いた甘辛醤油のタレもあって、それをつけるとローストビーフな風味がしてくる…、いろんな工夫を感じるお店。
でも新橋に行きたくなっちゃう…、しょうがない。
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