サカキノホトンブログ白山ベーグル

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白山ベーグル

パスタでお腹を一杯にして、再び歩いて会社に戻るその途中。
前からちょっと気になっていて、来てみたかったお店に立ち寄る。

白山ベーグル。

日本にあってベーグル専門店というのがまず珍しく、しかもその専門店が港区じゃなく文京区の白山にあるというコトがなお珍しい。
どこかから仕入れて作っている…、ってのじゃない。
正真正銘、ここで作って、それを売ってる。
外から眺めるお店の雰囲気。
パン屋さんというよりカフェ。
それもニューヨークならばチェルシー界隈にありそうな、控え目だけどお洒落な主張に満ちあふれている端正な顔。
お店の前の街路樹が、まるでここが白「山」じゃなく白「金」みたいに見えるのが、なかなかステキ。
おもしろい。

プレーンベーグル。

ツヤツヤ、とてもうつくしい。
ドーナツのように丸く作った生地にあとから穴あけるのでなく、細く伸ばした生地の紐。
それをグルンと輪にして両端をつないでつくる、リースのような作り方。
だから一カ所、つなぎ目がある。
リボンのノットのようなところが丁寧に目立たぬように他の部分と馴染んでるのが、またうつくしい。
生地を焼く前、お湯で両面茹でてやる。
グラグラ煮立ったとこで茹でると、あばたができたりザラッと仕上げる。
けれどここのはツヤツヤ、テカテカ。
ぬるめのお湯でやさしく茹でてもらったんだねぇ…、ってちょっとウットリ。

軽くトーストしてもらい、クリームチーズとブルーベリージャムをもらってタップリつける。

うん、おいしい。
モッチリしていて、しかもカリッとその表面は香ばしい。
ムッチリとしたベーグル独特の歯ごたえがあり、けれどネチョっと歯に貼り付くような不快な食感とは無縁の生地。
ほどよき塩味。
酵母の甘味がとても自然で、それだけ食べても十分おいしい。
けれどやっぱりベーグルには、クリームチーズの乳の旨味がとても合う。
ほんのり酸っぱくコッテリとしたチーズの粘りが、モチモチ生地を一層やさしくなめらかにする。
日本で美味しいベーグルは食べられない…、って思っていたけど、こんな近くにこうしてあった。
なんだかとてもうれしくなった。
メッケモノ。

ところでこの店。
建築的にもおもしろい。

建物作りが好きな人が作ったんでしょう。
お店の中にまるで積み木で作ったような箱形厨房がおかれてて、そこと客席ホールを仕切る壁がズズッと動いて扉になったりします。
座り心地のよい椅子や、プライウッドのテーブルが、ちょっとミッドセンチュリーな感じでもある。
何より壁や天井をアルミのパイプが縦横無尽に走ってて、見れば電源コードやケーブルなんかを中にくるんでてそれそのものがオブジェみたいな存在感を出している。
ニューヨーカーなベーグルを売ってる店のBGMがフレンチポップスというとこが、これまたちょっとチェルシー風でかなりご機嫌。
また来ます。

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