サカキノホトンブログ弁松、弁当、早い夜

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弁松、弁当、早い夜

夜、弁当で軽くすませる。

異業種がらみの勉強会。
もしかしたら夜、遅くまでひっぱるかもしれないなぁ…、とそれで折り詰め弁当をあらかじめ。
お願いをして届けてもらって、準備万端！のはずだったのに、今朝の大風。
参加予定者が半分近くもそろわない。
結局、集まった人たちで近況報告だけをして、弁当片手に解散となる。
風には勝てぬ、しょうがない。

日本橋弁松総本店のお弁当。
http://www.benmatsu.com
なんと創業160年。
江戸の仕出し弁当の典型的をずっと変わらず提供している老舗のひとつ。
お赤飯におかずの詰め合わせ…、っていうのがここの名物。
だけどボクは赤飯だけはどうにこうにも苦手なもので、ワガママ言って一個だけ。
白いご飯におかずの弁当にしてもらう。
ほんとにお前、小さなコトにこだわるよなぁ…、って言われたけれど、ボクにとっては大事であります。
首尾よく白いご飯の弁当、手にして帰る。
いただきます！

経木の折りにギッシリ、おかず、ズッシリ、ご飯。
実はここ、経木の折りを使った弁当を日本ではじめて売ったお店…、なんだそう。
もともと料理屋の残り物をお土産にして持たせて帰った、というのがコトのはじまり。
残り物じゃなく、持って帰って食べるというのを前提とした料理を作って提供しよう…、と今ならとても当たり前のこと。
それを初めて思いつき、商売にしたという勇気がステキ。

だからか、ここの料理は味が濃い。
甘くてまるでケーキのような卵焼き。
「甘煮」と呼ばれる野菜の煮付け。
里芋、タケノコ、椎茸、レンコン。
どれもひとかけ分でご飯一口食べられるほど、しっかり醤油と砂糖の味がついている。
なのに不思議と、根菜類はカリッと歯ごたえ健在で、芋は形が崩れていない。
しいたけなんかはシットリとした食感で、噛むとジュワッと中からおびただしいほどの煮汁が出てきて、もうたまらない。
なのに青みの豆だけは、味がほとんど入らぬ入念。
緑の香り。
シャキッと歯触り新鮮で、見事においしい口休め。

ここの折り詰めで好きな料理が二つある。
ひとつはひき肉を小さく丸めて胡麻をまぶして煮付けた団子。
「ごま団子」って呼ばれてて、折り詰めの中に一個だけ。
どのタイミングで食べてやろうか、といつも悩んでそれでも最初にお腹の中にストンと収まる。
もうひとつが、魚の照り焼き。

魚はめかじき。
あらかじめ、醤油につけて味を含めた魚の切り身をこんがりと焼く。
水気を徹底的に吐き出させ、その分、魚の風味と旨味がギュギュっと凝縮されている。
照り焼きというより「煮物」みたいな風合い。
けれど端の部分はカリッとしてて、魚の脂の風味がほんわか漂ってくる。
崎陽軒のシュウマイ弁当に入ってる、マグロの焼き物もおんなじ風合い。
あちらはメインの焼売に負けぬようにと、かなり強めの味付けで、こっちはむしろ、他の料理の味が濃い分、若干、サッパリ。
魚の旨味が引き立つご馳走。

ギッシリ折りに詰め込まれてる白ご飯。
箸を折りに直角に突き刺すようにそっと入れ、ちょっと斜めに傾けながらスッとあげるとご飯が崩れずそのままクイっと持ち上がる。
なのにご飯は潰れておらず、この詰め具合。
この炊き具合。
すべてが歴史の産物なのに違いない…、っていつもウットリ、思って食べる。

汁も作らず熱々のお茶で食後の口を濯いでおしまい。
今日は早めに寝ることにする。
おやすみなさい、また、明日。

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2009/10/08 (Thu) 食品・スイーツ・コンビニ Trackback() Comment(0)

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