サカキノホトンブログラムネと天丼

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ラムネと天丼

夏の終わりにラムネを飲んだ。

こんな飲み物、他の国にはあるんだろうか？
ボトルの中で仕上がっていく、発泡性の甘い飲み物。
なめらかにしてやさしい泡が、栓を抜くと同時に底から湧き上がってくる。
空気にふれる。
瓶の中身がユックリ目覚め、香りと風味がはなひらく。
まるでシャンパンみたいな飲み物。
それをボクらは昔から、何気に飲んでたのしんでいた。

瓶のくびれに溜まったビー玉。
泡でくるまれ、ほんのかすかに小さく揺れる。
カタコトカチコチ、音を立てているように目で見て思う。
耳にはシュワシュワ、ソーダが弾ける音しかしない。
それがなんだか不思議にたのしい。
夏がユックリ、終わってく。

夜、天丼でほどよく満腹。

てんやに来ます。
もう２０年以上も前のコトになるのかなぁ…。
天ぷらを自動的に揚げるコトができる、ベルトコンベアー式の天ぷら揚げ機を開発した人と、一緒にチェーン展開をしようか…、って話しが盛り上がったコトがある。
ファストフード型のお店にしようか、それともレストラン型のお店がいいのか議論紛糾。
結局、低投資でできるファストフード型を開発者は選び、レストラン型を押したボクたちはその展開から手を引くコトになったのだけど、その人の方が多分、未来を見る目があったのんでしょう。
手軽な値段で天丼を食べるコトができるてんやという業態。
結局、業界オンリーワンになれましたから。
どうしても、ボクの中には合理的な食事よりも感度の高いお店を好む傾向がある。
まぁ、クセだからしょうがない。
ひさしぶりに来ると立派なメニューブックが出来ていた。
折り畳み式のブック型。
こうしたお店にはあんまりふさわしくない感じがする…、どうなんだろう。

てんやが明日まで作ってるという「カレー天丼」。
今日を逃すと食べ損なっちゃう。
それでたのんで食べるコトにした。

エビにインゲン、カボチャにジャガイモ。
それから茄子と野菜が沢山。
夏を感じさせるモノであったり、あるいはスープカレーに入っているとおいしく食べられそうなモノ。
普通の天丼とは、ちょっと違ったネタの顔ぶれ…、オモシロイ。
ここの天ぷら。
天ぷらとしてそのままツユで食べるより、丼タレにくぐらせご飯にのっけた方がおいしく感じる頑丈な出来。
その丼タレにちょっとカレーの風味がのってる。
カレー天丼って言うくらいだから、もっとカレーっぽいのかなぁ…、って思って食べたらちと拍子抜けするほど天丼。
味の基本は甘辛醤油にカツオのうま味。
そこにフンワリ、カレーの香りがのっかって、最後にピリッと辛みが残る。
オモシロイ。
油のしつこさがカレーの香りでスキッと中和されてるようで、サッパリ食べれてしかも食べてるうちに食欲が湧く。
確かに夏にはおいしい料理。
ホクホクとした揚げた天ぷらの食感が、とてもやさしくニッコリなった。

追加でキャベツのサラダをとった。
千切りキャベツにドレッシング。
このドレッシングがガツンと酸っぱく、強い味。
天丼につかれた舌がシャキッとリセットされて、次の一口、おいしくさせる。
サラダの上の生姜のガリも、同じくスキッと口をサッパリさせておいしい。
カレー天丼の上にもガリがのっけられてて、なんだか今日は生姜祭りな気になった。

この値段にてこの天丼が食べられるってかなりウレシイ。
文句はない。
けど、残念なのはここの味噌汁。
天丼にはやっぱりコッテリとして酸味がほのかにあとをひく赤だし、あるいはシジミ汁。
そうでなければ天ぷらの油に負ける。
ここが変わればもっと贔屓できるのに…、って思ったりした、さて寝よう。

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