サカキノホトンブログスコッチエッグをなつかしむ夜

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スコッチエッグをなつかしむ夜

有楽町で今日の〆。

駅前にある交通会館っていうビルの地下。
キッチン大正軒という洋食屋さんで夜のお腹の仕上げをします。

月島で魚にまみれて、程よくお腹を満たしたあとにテレテレ、橋を渡って銀座に向かう。
散歩気分で小一時間ほど、夕方の街をさまよって何故だかお腹がすいてくる。
ここで我慢が出来ればいいのに、でも今食べとかなきゃ、夜中にお腹が空いちゃうから…ってワケのわからぬ理由をつけてそれでココに滑り込む。
前から来たくてしょうがなく、けれど何度もふられたお店。
臨時休業だったりあるいは、閉店直後。
縁がないのかなぁ…、って思いながら今日もおそるおそるやってきたらば、やっていた。
こりゃ、試さなきゃと暖簾をくぐってカウンターにつく。

外から見ると古くさい店のように思える。
けれど中に一歩入ると、キレイに磨かれたカウンターに真新しい椅子。
座り心地が結構よくて、しかも厨房に立つのは若き女性でちょっとビックリ。
巣鴨発祥のかなりの老舗で、なのにお店のしつらえ、人とも新しい。
なんだか新鮮。
こりゃ、めっけもんかもしれないぞ…、と思いながらさて、食事。

目当てはココのスコッチエッグ。
ゆで卵を牛挽き肉でくるんでパン粉をつけて揚げるというレシピ。
昔はいろんなところで見かけた。
けれど最近、あまり見かけぬ「なつかし料理」になっちゃった。
ちょっと手間がかかるからでしょう。
あるいは真ん丸になっちゃうんで、揚げる時間がかかったり、揚げる間中、転がしながら面倒見なくちゃいけないからかもしれません。
ここではそれを売り物にする。
お客様のため、手間を惜しまぬ姿勢がステキ。

パカッとキレイに半分に割り、ソースをタップリかけてくれます。
ちょっと薄めのデミソースのような独特のやさしいソース。
肉からとったブイヨン風のスッキリとした旨みに焦げた脂の風味。
サラッとしてて料理にシッカリからんでくれて、最後に酸味がほのかに残る。
旨みがあるのに、それがかかった料理の風味を壊さない。
このソースだけでもなかなかのモノ。
フックラとした挽き肉に、プルンとハリのある白身。
シットリしてて口の中でとろけてまるでソースのようになる黄身と、ひとつひとつの素材が見事にかみあって、おいしい料理になっている。
セットで添えられたエビフライも尻尾の先まで食べられる、良心的なほどよい出来。
また食べに来るにふさわしい味。

一緒につき合ってくれた友人が食べたのがコレ。
生姜焼きにコロッケ、それからアジフライという盛り合わせ。

分けてもらって食べたけど、ココの生姜焼きはボク好み。
ミリンに醤油にすった生姜で出来ている味。
変にソースを作ったり、肉を漬け込んだりして焼いたのじゃないとてもシンプルな出来栄えで、ご飯のおかずにピッタリとくる。
厚すぎず、薄すぎずという豚バラ肉の切り方も、タレをからめるのにピッタリサイズ。
脂がヒラヒラ、フリルのように焼き上がってて噛むとクチャっとなまめかしい。
身厚でフックラしたアジを、サクッと揚げたフライも見事。
ジャガイモがネットリとしたコロッケの味も素朴でステキ。
何より植物油で揚げてサクッとし、しかも胃にももたれぬ揚がり具合がいい感じ。

ちょっとお待たせしましたお詫びに…、と鳥唐揚げを一個ずつサービスしてもらったりした。
お客様がたまたま立て込みちょっと時間がかかったのです。
決して気が遠くなるほどの待ち時間じゃなく、ボクとしては厨房の中の作業が眺められて、それはそれでたのしかった。
でもこうやって気づかってくれるなんてうれしいなぁ…、って頭が下がる思いがします。
下味しっかり入ってて、ちょっとシットリ。
カラッと揚がった衣が好きなボクとしてはちと残念な唐揚げで、でもご飯のおかずにはいい。
ココのちょっと硬めに出来たご飯と一緒に食べるとなおさら、そのクチャッと感が引き立つ感じ。
シッカリとした出汁と濃い目の味噌で作った味噌汁も他の料理の力強い味に、まけぬおいしさ…、悪くない。

何度もふられて、それでこうして来れた店。
期待以上の結果というのが、なんだかとてもウレシク感じる。
メタボリーマン系のお店に思えるけれど、不思議と若い人たちのお客様が多い店。
しかもカップル、女性同士となんだかおしゃれな人も来ているカウンター系の洋食の店って珍しいなぁ、と感心もする。
今度は昼に、腹を本当に空かせてきましょう…、またいつか。

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2010/06/10 (Thu) 銀座イースト：洋 Comment(4)

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スコッチエッグ

美味しいお店を教えて下さってありがとうございます！
スコッチエッグ、食べたいです。
なつかしい。
初めてスコッチエッグを食べたのは、三笠會館ででした。
「ハンバーグのコロッケみたいなもの。でもすこーし違うんですよ。」とウェイターさんが教えてくれて、子供の私は「どう少し違うんだろ？」と興味津々でおりました。
やがて出てきたスコッチエッグ。
「ゆでたまご！」と言った私に、ウェイターさんと（ダジャレ好きな）父が、ほぼ同時に「それがすこっち違う！」と言って、ものすごく可笑しかったのを懐かしく思い出します。

スコッチエッグとエビフライなんて、すごいごちそう！
日本に行く日が楽しみです。
とても丁寧に調理されたお料理がいただけそうで・・・行きたいです！
やはり東京はステキに美味しい街ですねー。

ねえねえさん / 2010/06/11(Fri) /

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もう何年も

スコッチエッグ食べてないですねぇ…すごくおいしそうです。

交通会館、しょっちゅう行くのですけど、地下のお店は入ったことないです。
いつも１階で珍しい食材買ったり、ソフトクリーム食べたり
だけです。サカキさんの日記は
「楽しい冒険しよう！」と
心弾ませてくれます。

先日目白の「志むら」に初めて行ってきました。
サカキさんと同じ「つぶつぶ夏みかん」
食べました。
かき氷に￥８００って、
という感覚だったのですけど、
ぽーーんと吹き飛びました。
本当においしく、楽しかったです。
お店のお冷やも、なんだか特別
おいしく感じたんです。

９９さん / 2010/06/11(Fri) /

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スコッチ違う

> ねえねえさん
「すこっち違う」。
なんてステキなだじゃれでしょう。
覚えときます（笑）。
このお店に限らず、東京という街には気軽でたのしくお腹いっぱいにしてくれるお店が沢山。
こんな街はなかなか他にみつからないと思います。
東京に来られたときには是非、ご一緒に。

サカキシンイチロウさん / 2010/06/11(Fri) /

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交通会館の地下

> ９９さん
ボクもこのビルの地下はつい最近まで秘境のように思ってました。
このビルはパスポートセンターと使い勝手のよい本屋さんがあるビル…、って思い込んでいたものですから。
なかなかにたのしい地下ですよ。
この店の他にも、ちゃんぽんがおいしいお店だとか、小林旭がコーヒーを飲んでそうな昭和な喫茶店だとか、たのしいお店が沢山あります。

志むらさん、お気に召していただいてウレシイです。
あのお店はお客様がみんなにこやかな顔をしてらっしゃるのが、またステキ。
いいお店ですよね。

サカキシンイチロウさん / 2010/06/11(Fri) /

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