サカキノホトンブログ鹿児島の朝・白い朝

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鹿児島の朝・白い朝

ホテルにて朝。
実は昨日、夜の試食を終えた後、ちょっとおもしろい店があるからということで泊まるホテルの近所で夜食を食べました。

黒豚百寛っていう店。
オープンキッチンの中で若い人たちが楽しげに働く、今的な店。
テーブルの真ん中に切られた炉端で、キビナゴを炭で炙って酒を飲み、皮付きの脂が見事な黒豚をしゃぶしゃぶしたり、黒豚カツのサンドイッチを食べたりと。
かなり重たい夜食となって、それでさすがに朝は食欲、あまりなし。

とはいえ何か、お腹にモノを入れてやらなきゃ元気もでない。
食べられそうな料理を選んで、お皿に盛ったら「白い朝食」とあいなった。

トースト。
ベーコン、ヨーグルト。
ゆでたジャガイモに玉子とやんわりマカロニを一緒にあわせて、ざっくりサワークリームとマヨネーズソースであえたサラダが今朝の糧。
どれもやさしい食感で、疲れたお腹が修復される。
よく焼きパンの甘い香りは朝のごちそう。
ほっとする。

それにしても最近のホテル事情はものすごい。
元気をなくした景気の影響で、出張需要がかなり減り稼働率が下がってる。
にもかかわらず、新興チェーンのホテルがどんどん開業をする。
景気がよかったときの計画が今ごろになって実を結ぶ…という、皮肉な現象。
車は急に止まれぬように、景気も急に止まれない。

結果、どこも安売りです。
最初から安く売ることを目指して作った新しいホテルはそれでもいいのでしょうが、昔ながらの老舗ホテルは大変でしょう。
大きなロビー。
贅沢な付帯設備をもちながら、それでも安くしないと売れない。
それでも安売りしながら営業を続けていけるホテルは幸せ。
あえなく廃業…、って事例も多い。

街の財産。
外から来た人を泊めるだけの宿屋じゃなくて、街の人が集ってたのしむ共有の財産としてのホテルが次々、無くなっていく。
ショッピングモールが商店街を壊したように。
ホテルもこれからほんとに大変になるんだろうなぁ…、って。

バナナを食べつつ、ふと思う。

このホテル。
二つのベッドを一人で使い、朝食ついて５０００円とちょっとの値段。
火曜日使った秋田のホテルに至っては、部屋に朝食、サウナにフィットネスクラブがつかえてそれでも５０００円と少々だった。
どちらの朝食もほとんど手を抜くことなく、手作り料理がズラッと並ぶ。
和食に洋食。
この朝食バフェに値段をつければ多分、１５００円くらいにはなるんだろうなぁ…。
だとしたら。
シャンプー代や、電気代をさっ引いて、働いている人の給料払って、そして残った「本当の部屋代」っていったいいくらになるんだろう？

利用者的に考えるなら、とてもありがたい価格破壊も、こうして思いを巡らせるなら、ちょっと心配。
なやましい。

ポツンポツンと茶色いシミ付くバナナを剥いて、パクンと食べると筋が残った。
ザラッとしてて噛むとエグミがやってくる。
顎がブルッと震える感じ。
筋に罪があるわけじゃなし…、気をとりなおし、さて移動。

鹿児島中央駅から特急電車に飛び乗って。途中の駅でローカル線に乗り移る。

たった１両。
玩具のような小さな電車が、ガタンゴトンと重たく走る。
山越え電車で、大きく息をつきながら一生懸命、坂をあがっていくようなガタンゴトンに思わず声援かけたくなります。
がんばって！
窓から外をながめると、木々の緑と畑をおおうレンゲ色。
日本の春はうつくしい。

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2009/04/24 (Fri) 東京以外のレストラン Trackback() Comment(0)

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