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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    サカキシンイチロウ
    年齢:
    64
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    神田という町。
    電車の駅でいえば、神田、秋葉原、お茶の水。
    東京駅の手前から日本橋のちょっと先まで、かなり広い地域に広がる江戸な町。
    中心があるでなく。
    神田という町を代表するような目抜き通りがあるでなく。
    町全体が町外れ。
    …、みたいな不思議にのんびりとして、鄙びた感がステキなところ。

    そんな神田にとけ込むようにたたずんでいるお店に来ます。

    「むらた」という店。

    P1050505.JPGボクの中で「むらた」といえば、二つの「むらた」が昔からある。
    一つは「無量塔」。
    湯布院にある愛すべきステキな旅館。
    もうひとつは麻布十番にある、釜炊きご飯がおいしい「むら田」。
    どちらもご飯がおいしい上に、のんびりできるのどかな雰囲気が大好きで、でも神田にもこれまたほどよい「むらた」があるんだよ…、って。
    場所は岩本町の駅からも、神田の駅からも中途半端に時間のかかる不便なところ。
    けれど、そんな不便もわざわざ感をあおるご馳走。

    お店はまさにしおれた感じ。
    すきやき、しゃぶしゃぶ、トンカツの店…、と言ってはいるけどココの名物は蛤鍋。
    今日はそれを食べにきました。
    ワクワク、ドキドキ、たのしみです。

    まずは前菜。
    おまたせしました…、ってやってきたのが、トンカツ、それから海老フライ。

    P1050512.JPGさすがであります。
    ここの昼はほぼトンカツの専門店。
    そうしたお店が、夜に揚げ物メインのコースを作ってもてなす…、ってのは自然だけれど、面白みのないコト。
    どこにでもないお店になろう…、とそれでメインは夜にこなくちゃ食べれぬ料理を作ってふるまう。
    かわりに昼の名物を夜は前菜で召し上がれ…、という考えてみればなんたる贅沢。
    これもありだネ。
    おもしろい。

    細かなパン粉をうっすらまとった、だから素材の旨味がスパッとストレートに伝わってくる。
    確かにこれなら前菜としてもOKぇーヨ…、って感じの一品。
    特にエビ。
    お皿の上からエビの甘い香りが漂ってくる、海のご馳走。
    カサカサ、プチュン。
    ムチムチ、プルンと口で暴れて、名残惜しげにおなかにストンと入ってく。

    そして真打ち。
    蛤の鍋。

    P1050515.JPGうどんすきを作るときのよな、平たい鍋に味噌の出汁。

    鍋ががのっかるコンロがかわいい。
    淡い緑色のホウロウ引きのコロンとした形のコンロで、これ、どこで売ってるんですか?って、聞いたら、私がここで勤め始めたときからずっと、これ使ってますんで、どこで売っているかはちとわからない…、って。
    さすが老舗でござります。

    白菜、大根、ほうれん草。
    ネギに木綿の豆腐に麩。
    結んだ糸こんにゃくが一つの皿に盛り込まれ、それだけみるとすき焼きのざく。
    それに大振りの蛤の山。
    一粒が、ちょうど手のひらの窪みをきっちり隠すほどの大きさに、おおっと声が思わずあがる。
    しかも粒の揃った蛤の、その表面が見事にピカピカ、きれいに光る。

    丁寧に下準備されているのでありましょう…、出汁がクツクツ沸き立つ頃合い、狙って貝を投入。

    P1050516.JPGザザっと一気に流し込んだら、あらあら、できれば食べる分だけ沈めてやって欲しかったのに…。
    口が開いたらすぐに食べなきゃ、身が固くなる。
    …、ってしかられました。
    ああ、やっちゃった。
    鍋の端に土手のように山積みしたまま、下から徐々に食べて行く。

    身厚でプルンと、ベリーレアな蛤のなまめかしいほどの歯ごたえ見事。
    旨味タップリ。
    はっふはっふと無口になって、殻から身をはがす。
    部屋に響くのは空っぽの殻がお皿にカラカラ転がる音だけ。
    あっという間に、一人20個ほどの貝がきれいになくなった。

    汁を飲みます。
    貝の旨味がタップリ溶けた、おいしいのにもほどある汁。
    そこに野菜を投入し、クツクツ煮てはハフハフ食べる。
    豆腐を食べれば、豆の風味と対等に張り合うほどに貝の風味が力強い。
    ネギも大根もどれも貝の香りがついて、まるで違った野菜のように感じるたのしさ。

    汁を飲みます。
    すると今後は白菜の、甘みがたっぷりとけ込んで、ああ、この汁を水筒に入れもってかえって明日の朝にでも使いたい…、ってそんなコトさえ思ってしまう。

    そして〆。

    P1050533.JPGサラサラご飯を汁に入れ、ひと煮立てさせそこにネギ。
    タプンタプンと玉子を溶いて、タラタラタラっと鍋に注いで沸騰させる。
    そして火を止めしばらく蒸らして、出来上がり。

    この料理。
    最後の〆に向かってばく進して行く、そのカタルシスを味わう料理。
    貝の旨味と野菜の味がひとつになって、ご飯と一緒に舌から喉に行進して行く、なんたるご馳走。
    不思議なことに、味噌の匂いがほとんどしない。
    旨味は多分、残ってて、貝や野菜の旨味を支える舞台を作っているのだろうけど、あまりに控え目。
    他の風味を邪魔しない。
    ビックリしました。
    はまります。

    いい店一軒、また来ます。

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