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2024/11/22 (Fri)
ベトナム料理のティンフック
四谷三丁目のベトナム料理レストラン。
ティンフック。
ベトナム料理。
東南アジアの料理の中では一番、クセがなくってやさしい料理。
しかも野菜をタップリ、おいしく食べることができるという、だからかアメリカで一番多い東南アジア料理のお店じゃないかなぁ…。
日本だとタイ料理の方が目立つけれど、独特なフレーバーとココナツミルクまみれで、スパイシーなところがアメリカの人たちからは敬遠される。
それに不幸なベトナム戦争のせいもあったのでしょう。
アメリカに一番最初にやってきたアジアの料理がベトナム料理だった…、ということもあるんでしょうね。
最初に味わう料理がおいしい料理の基準になる。
当然かなぁ…、って思います。
さてさて、面倒くさいことは棚上げ。
晩ご飯。
まずはおつまみ。
揚げ春巻き。
二口分ほどの中国春巻きに比べて短く、コロンとした小さな春巻き。
この小ささがベトナム風の春巻きのいいところ。
葉っぱにくるんで食べるのにも、よきサイズにて口の中でホロホロ崩れる春巻の皮がこの分量ならば邪魔にならずにおいしいばかり。
味をつけた豚ひき肉と、茹でた春雨。
ムッチリとした肉の合間にクニュンクニュンとでんぷん質の食感が、とても独特。
葉っぱに包んでスイートチリソースをニュクマムで伸ばしたタレにつけつつ食べると、みずみずしさと油の香りが一緒に口にやってくる。
ビールが旨い。
南の料理はビールを旨くする力がある…、ってそう思う。
もひとつ揚げ物。
鶏のささみのカレーフライ。
ささみを縦に細くさき、それにカレー風味の衣をつける。
わりとタップリ。
それを高温の植物油でサックリ揚げる。
クルンクルンとよじれたように揚げ上がり、表面カリカリ。
でも噛むと中はフックラ。
ほのかのカレーの風味が食欲、いやおうなしに引き立てる。
これまた野菜でくるんでパクッ。
南の料理をビールをおいしくする力がある。
ここの名物。
だから売り切れご免だというチキンカレー。
今日はめでたくまだ残ってて、それで注文。
サラッとしたスープっぽいカレーの中に、具材ゴロゴロ。
ジャガイモ、にんじん、小さな拳ほどの大きさの鶏の身3個。
このチキンがスプーンの背中で押さえただけで、ホロッと崩れるほどにしっかり煮込まれていて、なんともおいしい。
カレー自体も旨みが強くて、後からあとからじんわり辛味が追いかけてくる。
インドのカレーともまるで違う。
タイのカレーともまた違う。
鶏のスープの旨みの陰に、魚の旨みがかなり濃厚。
だからちょっと味噌汁みたいな食べやすさがある。
スープだけをすくって食べると辛さがビビッと鋭くて、なのにご飯と一緒に食べると辛味がなりを潜めてしまう。
不思議な味わい。
おもしろい。
それからフォー。
スープに細めのお米の麺。
上にほとんどレアの牛肉の薄切りが、漂いながら徐々にチリチリ、火が通ってく。
まるでしゃぶしゃぶ。
スープも牛肉。
でも、なぜだかこれも魚の香りがほんわかとする。
なぜ?…、って真剣に味わいなおすと、なるほどニュクマムの風味がしてくる。
魚の旨みを凝縮した旨み調味料でありますからして、当然のこと。
恐るべし、ニュクマムパワー。
フォーも歯ごたえしっかりしてて、スルンと喉越しも見事なモノ。
今までずっとフォーって言うのは、ベロンベロンとしたたよりない麺って思い込んでた。
初めておいしいフォー食べた。
ちょっと物足りなさを感じて、何かいためた料理をたべよ…、ってそれでたのんだ焼きビーフン。
見たことがないほど細い、目を凝らしてみつめなきゃ、わからないほどのまるで髪の毛のような太さのビーフン。
それと野菜をタップリあわせてニュクマム風味でジャジャっといためる。
素朴で素直においしい料理。
酸味と辛味がおだやかな、タイ料理とは一味違った、ボクはもしかしたらベトナム料理の方が好きかも…、って思ってしまう。
笑顔のステキなベトナム女性が料理を作り、サービスをする、料理の味と同じようにやさしくおだやかな雰囲気の店。
ちとお気に入り。
しばらく通ってみましょうか。
そういえば、かつてお茶の水に「デュシ・ティエンドン」っていうタイ料理とベトナム料理のいい部分だけを融合させたアジア料理のお店があった。
料理は最高。
サービスはエレガント。
デュシというのがタイ語で天国。
ティエンドンがベトナム語で天国という意味の言葉であって、ほんとにまるで天国みたいなお店でした。
世界に誇れるお店でしたのに…。
1980年代後半のバブル崩壊が理由で15年ほど前に静かになくなった。
今度の不景気。
どうかステキなお店を壊さぬように。
お手やらかにと、ひそかに祈るばかりなり。
[1回]
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2009/05/08 (Fri)
日記 : アジアの料理
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