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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    サカキシンイチロウ
    年齢:
    65
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    夜を近所の「グーバーグ」。
    goo.jpg開店当初、ちょっと料理の方向性がグラグラしてて、それでしばらく距離を置いてた。
    飲食店で大切なのは、絶えずおいしくすることじゃなく、これがうちの味と決めたらそれをずっと我慢して、守り続ける一貫性があるかないか。
    頑固親父がいる店が、案外、長く続くのは誰からどんなコトをいわれようと味を変えない一貫性があるからなのかもしれないですネ。
    マーケティングが上手な会社。
    流行りに敏感な会社が飲食店を作るとときおり、お客様の意見ばかりを聞いてしまってその一貫性が脅かされるコトがあったりするのであります。

    dd7349af.jpegココもしばらくそんな感じだったのかもね。
    ところが最近。
    方向性がシッカリしてきた。
    味もドッシリ安定してきて、だからたまに来たくなる。
    今日は季節の料理をためす。
    春のキャベツを金ゴマソースをかけて味わうという提案。
    なんだかちょっと面白そう。

    実は千切りキャベツが好きでして。
    シャキシャキとした歯ごたえがとてもたのしく、それに時折、ただただひたすら千切りキャベツを作りたくなる。
    タンタン包丁を動かして、大きなキャベツがみるみるうちに、山盛りの千切りキャベツになっていく達成感が好きだったりもするのであります。
    それを使ったハンバーグ。
    ハンバーグレストランではまず作らない組み合わせ。
    いい意味での素人臭さがあってたのしい。
    熱々に焼いた鉄板がやってきて、最初は跳ねる油を防ぐために紙で覆われている。

    覆いを取ると、まるで山盛り千切りキャベツ。
    キャベツの下や周りにはモヤシやフレンチフライがゴロゴロ転がっていて、野菜炒めのような風貌。
    キャベツの上にはゴマがパラリ。
    クリーミーな胡麻ドレッシングのような香りがやってくる。

    b33d0e96.jpegキャベツを脇にどけると下からハンバーグ。
    合いびき肉で、ジューシーで、箸でホロッとほぐれる質感。
    中からジュワッと肉汁がほとばしり出て、肉の脂がキラキラしてる。
    その肉汁をキャベツが吸い込む。
    キャベツだけでなくモヤシやニンジン、炒めた野菜がグングンおいしくなっていく。
    ハンバーグ自体は200gというほどよき分量。
    けれど、野菜がタップリたのしめ、特にキャベツが徐々にしんなりしてくると甘みもうま味もましてきて、これはキャベツをおいしく食べる料理なのかな…。
    「肉+野菜の付け合せ」って普通のハンバーグ感覚じゃなく「肉と野菜を同時に味わう」野菜の料理のような感じがあたらしい。
    ご飯のオカズにもすぐれているし、山椒が中に入ってるのかしばらく食べているとピリリと舌がしびれる感じがしてくる…、それもステキでオモシロイ。

    ご飯もスベスベ、なにより具だくさんの味噌汁がとてもおいしい。
    見れば鍋で炊いて作った味噌汁で、普通、こうしたお店はボタンひとつで味噌汁作ってだすマシンを使うのだけどこれもこだわり。
    ご飯をおいしく食べる工夫がいろんなところに散りばめられてて、これがココの料理のコンセプトかなぁ…、と思ったりした、いい感じ。



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    昼をちょっと贅沢に、「COVA」ってお店でイタリア的にすごします。
    5a428763.jpeg新宿高島屋の3階フロア…、ヨーロッパ系の高級ブランドショップが並ぶバブルなフロアの中でもひときわゴージャスなグッチのお店の隣に出店しているカフェ。
    ミラノに本店がありまして、ランチ用の紙ナプキンにも「モンテナポレオーネ」と誇らしげに刻印されてる。
    モンテナポレオーネといえばミラノの銀座のような場所。
    そんな場所にある高級ブティックに負けぬ格式とゴージャスな食品が並ぶ美食の殿堂…、だからある意味、高島屋のブランドフロアにあるというのも場違いじゃないかもしれぬ。

    a47dc087.jpegテーブルクロスにもコヴァの刺繍が金糸で刺繍されているのにウットリします。
    そっとクロスを手で撫でる。
    刺繍がでこぼこ、やさしく手のひら撫でる感触。
    あぁ、贅沢って感じ入る。
    黒服を着たスタッフの、うやうやしき仕草に笑顔、サービスまでもが上等で、背筋が自然にシャンとする。

    それにしてもこれで大丈夫なのかなぁって心配するほど暇であります。
    ただでさえ普通の人がよりつかぬ高級フロアの中のお店で、こんなところにカフェがあるなんて多分、認知されてない。
    かなり便利な穴場カフェ。

    10種類ほどのメインを自由に選べるランチセット。
    デザートと食後のお茶がついていて、それと一緒にサラダをたのむ。
    サラダやスープは追加でどうぞというシステムで、それらをたのむと結局2000円を超えてしまう…、値段も確かにモンテナポレオーネな感じでござる。
    とは言え、値段にみあうだけの見事なサラダ。
    シャキッと葉っぱはみずみずしくて、しかもキレイに水気を拭ってドレッシングをゴクリと吸い込む。
    チーズのうま味がドッシリとしたソースのようなドレッシングで、一枚、ヒラリと添えられている生ハムがムッチリ、ネットリ、かなり上等。

    92e66e0a.jpegもともとモンテナポレオーネの本店はパンやサラミ、あるいはハム。
    惣菜までが揃うイタリア的なるデリカテッセン。
    日本にやってきたらばそれが、チョコやケーキがおいしいスイーツショップのようになっていた。
    肉の加工品を真剣に作ろうとするとかなりの手間がかかってしまう。
    イタリアの本場通りの味が日本で受けるとは限らないから、スイーツ系に注力するのは理にかなっているかもしれないけれど、なんだかちょっと寂しくはある。
    こうした生ハムを使ったサラダを出してくれると、なおさら、コヴァのサラミはボロニア食べたくなっちゃう…、なやましい。

    メインをラザニア選びます。
    ツルンとハリのあるパスタシートを使ってポッテリ焼き上げたモノ。
    パスタシートにクリーム、それからハーブの香りをつけて煮込んだ牛ひき肉…、それを幾重にも重ねて焼く。
    小さなトマトとタップリ刻んだイタリアンパセリの彩りおいしい、目のゴチソウ。
    パルミジャーノがまるでパン粉のごとくパサリをふりかけられてて、香りがすでにおいしく感じる。
    ブラックペパーをカカッと挽いて、香り豊かなアクセント。
    ミートソースは使わずに、ベシャメルソースとトマソースで作った軽い仕上がり。
    目にも鮮やか、春という季節が似合う彩りが食欲さそう、ナイフをそっと置いて切る。

    11924450.jpegサクッと一番上が切れるとカクンカクンと、一定のリズムをもって切れる手応え。
    中からトロンとソースがでてきて、牛ひき肉をつつみこむ。
    パスタを茹でた塩の味わい。
    ひき肉の脂とソースのうま味が味のほとんどで、チーズがコクと風味を添える。
    ひと味たりない程度の味わい。
    素材の持ち味だけで作った上等な味に舌が一生懸命、味を探ろうとするのであります。
    目を閉じ、味を噛みしめたくなる。
    そこにプチュンとトマトが潰れる。
    コレが甘いの!
    しかも酸っぱくトマトらしい日向の匂いがするのがステキ。
    まるでケチャップ…、しかも上等でフレッシュなケチャップ味で存在感が半端ない。
    小さいのにネ…、一粒食べると口の中が地中海な味になってく…、オキニイリ。

    それからデザートの盛り合わせ…、ザッハトルテに洋梨のタルトがきます。
    933cfad2.jpegこれが驚くほどにおいしくて、ビックリしました。
    実はラザニアはとても上品な分量で、これじゃぁお腹いっぱいにならないかも…、って心配したけどそれもこの食後のたのしみのためだったのか…、って。
    ウットリするほど夢見心地な味がした。
    ネットリとしたムース状のチョコとシットリしたスポンジ生地…、ビターで甘くて酸味をほとんど持たぬ重厚、ビロードっぽいなめらかさ。
    そこに細かく砕いたチョコやカカオ味にローストされたナッツが混じって、トロンととろけるチョコに確かな歯ごたえ加える。
    洋梨タルトもギッシリ梨の蜜煮と甘いクリームが、層なすシアワセ。
    エスプレッソをコクリとあおって甘い名残をなつかしむ…、贅沢な昼、金曜日。



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    肉の酒場で適度に食べて、〆をガッツリ、洋食にしようと…。

    189006b3.jpegそれで「キッチンたか」に来る。
    去年できたニューフェイス。
    車力門通りという四谷三丁目の飲食店が集まる通り。
    キッチンとカウンターだけの小さな店で、客席も6人入るとほぼ満席というサイズ。
    「たかさん」一人がシェフでがんばるお店であります。

    この人、四ツ谷の駅前にあった「キッチンエリーゼ」って言う洋食屋さんで働いてた人。
    そこから独立して作ったのがこのお店。
    たった一駅で、同じようなお店をするのは大変だろうなぁ…、って思っていたら、なんと出身場所のエリーゼが突然閉店。
    揚げ物だけのお店になっちゃった。
    行列が慢性的にできてしまって、グリルやソテのようなメニューまで手が回らなくなったから。
    揚げ物だけに注力し、おいしいフライのお店になりたい。
    そういう判断で、本家をなくした今となってはココが唯一、かつてのキッチンエリーゼのグリル系の料理をたのしむコトができるお店になった。
    たしかにエリーゼのフライは旨い。
    けれぼボクは、グリル料理の方が好きだったので、こうしてボクの家の近くでその伝統が生き延びたってコトがなんともウレシク思う。
    ひさしぶりにやってきたらば、結構、これが流行っていました。

    ea392694.jpegボクらが入った段階で満席になり、そのあと一組お客様がきて、満席だってあきらめ帰ってそれから次々、常連風のお客さんがやってくる。
    うれしいなぁ…、最初はちょっと苦労していたけどおなじみさんがついたんだ。
    実はお店を開店した翌日にたまたま知らずに訪れて、それでなんだか自分のお店のような勝手に木がしてるから。

    メニューもちょっとづつ増えている。
    最初はポークソテの類やカレー、それからハンバーグ。
    慣れぬ厨房、なにより一人ですべてを切り盛りしなくちゃいけない。
    だから自信をもって提供できるモノだけ全部で10種類ほどの商品だけでやっていた。
    それが今日、チキン料理やソースもクリーム系のソースなんかが増えていた。
    中でも食べたい…、って思ったのが、このオムライス。

    ピラフをジャジャっとまずは炒めて、それが仕上がる寸前に別のフライパンに油を流す。
    そのフライパンをレンジの上でグルングルンとまわしつつ、油をキレイにフライパンになじませる。
    そこにキレイにといた玉子を注いでクルンと手首をまわし、薄焼き玉子をつくってく。
    ご飯の上にオムレツをのっけて開く最近はやりのやり方は、オムレツライスであって断じてオムライスじゃない。
    玉子でご飯をクルンとつつんでこそのオムライスにて、ココのはまさにオムライス。

    53ed30ab.jpegここのオムライスのスゴいところがケチャップライスをつかわないとこ。
    トマト風味のピラフを炊いて、それを炒めているので玉子とピラフだけを食べると、ほんのりトマトの香りが漂う玉子チャーハンみたいな味わい。
    玉子の上にタランとかかった、ケチャップと一緒に食べてはじめて普通のオムライスのような味がするのがステキなところ。

    冬限定というビーフシチュー。
    牛のすね肉をとろりと煮込んだモノがタップリ入ってる。
    すねの関節近くのブリンと、ゼラチン質と脂を抱いた肉がタップリ。
    ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎと具だくさんにして、コッテリとしたデミグラスソースのコクも見事な出来栄え。
    スベスベ、食べてるうちに唇貼り付くようなこのおいしさに、洋食っていいよなぁ…、ってしんみり思う。

    それをオキニイリのオムライスにかけ、食べると天国。
    ケチャップ抜きのピラフ、玉子にビーフシチューでハヤシライスの味になり、そこにケチャップをまぜるとオムライスの味がコッテリ濃厚になる。
    オムライスもビーフシチューもどちらもとても正統な、シッカリとした出来栄えでその両方をあわせて食べても味が決して破綻しないのにビックリします。
    力強いの気品がある味…、っていえばいいかな。
    丁寧に、そしてとても正直に作られているからこのおいしさができるんでしょう。

    ac4a6aa2.jpegそれからエリーゼ譲りのグリル。
    ポークジンジャーをオカズに食べる。
    分厚い豚のロース肉。
    粉をはたいてコンガリ焼いて、そこに自家製ジンジャーソースをかけてザザッ焼ききり仕上げる。
    微塵に切った玉ねぎとかなりの生姜がタップリ入ったタレに肉にこびりついた小麦粉がトロンととろけてソースのようになっていく。

    シャリアピンステーキのソースの中にすった生姜がタップリ混ざった、そんな感覚。
    玉ねぎの甘みと生姜の辛みが混じって、スッキリとても食べやすい。
    分厚い肉がクチャっと奥歯で潰れて、マッタリ。
    奥歯を包むような豚肉。
    なにより脂がおいしくて、そのおいしさにドキドキしながら食べすすむ。
    千切りキャベツは甘くてシャキシャキ。
    ポテトサラダはポッテリ、サッパリとした味わいでメインの料理の味を邪魔せぬ名脇役に徹してる。
    ジンジャーソースに使ったキャベツが、シットリシャリシャリおいしくて、それがご飯のオカズになったりするのもたのしい。
    ご主人の料理を作る手際や後ろ姿に表情…、自信がついたのでありましょう。
    凛々しく、キリリと顔もいい顔になっていたのがなんだかウレシク、また来なくちゃって思いますです、オキニイリ。



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    牛込柳町のレストランMにて、ひさしぶりに会うゴキゲン女子とたのしい夜を…。

    dd683d4e.jpeg開業をしてしばらく苦労をされたけれど、勢いがではじめた店。
    おいしいものに対する真摯な姿勢と、揺るぎない考え方が、そろそろ花開かせはじめたのじゃないかなぁ…、と来る度そんな気がします。
    迷いがあるとそれがお客様に伝わり、不安になっちゃう。
    料理というもの。
    お店の人との信頼関係や、いつきてもブレぬ料理やおもてなしがあってはじめておいしく感じる。
    絶対的においしいモノなどおそらく幻想。
    心理的なる部分が大きく、だから飲食店の経営は継続こそが最大の武器。
    この店も、スロースターターではあったけれどそろそろオーナーシェフの色がキチンと出始めてきた。
    これからますますいい店になるんじゃないかと、思ったりする。

    月曜の夜。
    とは言え、明日は祝日。
    だから気持ちは週末で、ゆったり時間を過ごしましょう…、と気持ちくつろぎやってくる。
    カウンターの中に厨房。
    20席ほどしかない店の厨房設備と思えぬ見事な機器がズラリと並んでて、それらすべてが使いこなされ、なのにいつもキレイにピカッと磨かれている。
    その幸せな景色を眺めるカウンター席に陣取り、料理をニッコリと待つ。

    本格的な料理がくるまで、とりあえずの料理をつまんでお酒をたのしむ。
    上等なフランス料理のお店の食事の初め方にて、普通は口取りっぽい小さな料理がチョコンとやってくるところ。
    dbbbc0e1.jpegココはしっかりしたまずサラダ。
    紅芯大根や小さな大根、キュウリにニンジン、葉っぱ野菜とどれも新鮮、みずみずしいのを氷をタップリ盛ったボウルに活けるようにして盛り付ける。
    真ん中に置かれたソースはマヨネーズやチーズにトマトのピュレを使った濃厚味で、野菜なのにシャンパンがあうしっかりとした味わいがある。
    それにパテドカンパーニュ。
    普通はガッシリ、ナイフで無くては切れぬくらいに固めて作る。
    ところがココのはフックラ、フォークでホロッとほぐれて切り分けられる…、口に入れるとスパイスとほんの少しの酸味が肉のうま味を引き立て噛むとトロンとなめらかになる。

    2225d5bb.jpegそれにパン…、細焼きのちょっとソフトなフランスパンで、それと一緒にオリーブオイル。
    樹齢50年という古くて大きい木の実を搾ったモノという。
    だからから緑の香りも濃厚。
    サラっと後口サッパリしていてこれをつけるとパンがワインのお供になっていく。

    それに続いて冷たい前菜料理の盛り合わせ。
    全部で四種。
    サヨリの刺身。
    スモークサーモン、ウニのジュレにエスカベッシュと海の幸がズラリと並ぶ。
    ここのメインディッシュは肉が売り物。
    だから前菜は新鮮で見目麗しい魚をどうぞ…、と。
    サヨリのキラキラした鱗の色のうつくしいコト。
    大きなサイコロ状に切り出されたスモークサーモンの分厚い切り身は、クリームチーズのムースとディルを従えて薄切りのとは違った歯ごたえが口の中を華やかにする。
    コンソメゼリーでまとめたウニ。
    モッチリしたイカにのせられ、トロンととろけるウニの儚い食感を支えてネットリ…、そのおいしさと肉感的な食感に軽いめまいを感じるほどのオキニイリ。
    噛むとジュワッとうま味が滲むエスカベッシュは、白いワインをねだるゴチソウ。

    39046418.jpeg温かい前菜をどうぞ筍。
    やわらかい穂先の部分だけを使ったグリルが主役。
    キレイに焦げ目がついていて、オリーブオイルの汗をかく。
    山の春の香りとでも言いますか。
    あまい匂いがただよってきて、口に含むとコリッと前歯で歯ぎれるたのしさ。
    甘みがフワッとやってきます。
    噛むとサクサク。
    やさしい渋みがただよってきて、冬の冷たい土の中で君たち一生懸命がんばったんだね…、って褒めてあげたくなるような味。
    春の野菜の力強さを味わいたのしむ。

    下にピュレのようなモノを従えていて、何なんだろうと、スプーンですくうとプチュンととれる。
    口に含むとフックラ、シットリ…、クネルであります。
    ホタテのすり身をふんわり蒸して作った、とてもなめらかなはんぺんみたいなやさしい食感。
    乳化したオリーブオイルとホタテのジュースがトロンとおいしいソースのようになって全てを包み込む。

    2987a962.jpegまずは鴨を焼いてみました…、と。
    今日はメインディッシュを二種類食べる豪勢な夜。

    鴨の胸肉。
    鳩胸ならぬ、立派にせり出した胸をもった鴨だったのでしょう。
    分厚く、しかも大きな胸肉。
    それをジックリ、炭の上で網焼きにする。

    ボクの目の前が実は炭焼きグリルという、このお店の中でも一等席をもらったためにずっと目の前でこの鴨が焼かれていたのでありました。
    脂が落ちます。
    落ちた脂が炭にあたって炎がジリッと立ち上がる。
    炎と一緒に煙があがり、それが鴨の胸肉包んでホワンと消える。
    脂が焦げた匂いが鴨の肉をいぶして、香り豊かになるのでしょう…。
    最初は深い赤色が、徐々に茶色いコゲがついてくる。
    何度も何度もヒックリかえし、満遍なく焼きキレイにきりわけ盛り付ける。
    こんがり焼いたネギと一緒に…。
    フランスの鴨はネギを背負ってくるのではなく、鴨を敷いてやってくるんだ!…、ってみんなニッコリ、いただきました。
    塩だけ、あとは鴨の脂でおいしくなってく見事な一品。
    サクッと歯切れてジュワッと肉汁が噛み締めると同時に口に広がってくる。
    新鮮な血の風味が旨い…、ネギの甘みもよきアクセントにて命を食べてる厳かさ。

    b74795a1.jpegそしてメインの鶏のロースト。
    オーブンの中でジックリと。
    これも塩の力でおいしくなってる。
    コクレと呼ばれるひな鳥サイズの健康な鶏。
    それの半身を一人づつという贅沢に、ナイフフォークで格闘しながら、けれど結局、指を使ってむしゃぶりつくす。

    皮がコンガリ。
    自分の脂で挙がりつつ、身からほとばしり出る水蒸気にてトロンとなめらかに仕上がっている。
    風味豊かで、味わい深い。
    身はフックラで、しかも力強い繊維の力を感じる見事。
    胸肉。
    手羽。
    そしてもも肉…、場所によって味わい、食感まるで違って特にもも肉のムッチリとしてゼラチン質の豊かなコトにウットリします。

    菜花、ジャガイモ…、どちらも鶏の脂で焼かれて、香り豊かで味わいドッシリ。
    トマトを丸ごと一緒にロースト。
    それがとろりと甘酸っぱくて、ソースの代わりをなすステキ…、丸ごと食べるってなんでこんなにおいしいんだろうって思いながらお皿の上が小さなの骨の山になる。

    おしゃべりしながら、料理の様をみつめつつ、あっという間に4時間ほどがすぎていた。
    おいしい料理は時間を忘れさせる魔法をもっている。

    b7003185.jpegそれにしてもここのシェフ。
    三宅さんの料理は随分、落ち着いた。
    一時期、調理技術を精一杯、披露しながら手の込んだ料理を一生懸命作ってた。
    それはそれでおいしくて、プロにしかできない料理に違いない…、って感心させられる美味の数々。
    それはそれですばらしかった。

    ところが最近、料理の傾向がちょっと変わった。
    相変わらず丁寧に作られている。
    けれど調理方法やソースを披瀝するような料理ではなく、素材の持ち味引き出す素直な料理が増えてきた。
    だからお腹いっぱい食べてもスッキリ。
    まだ食べられる…、って思えるほどにすんなりお腹に収まっていく。
    素材が自分でおいしくなろうとする手伝いを、やさしくしかも的確に行うシェフのこの力量に、こりゃ本物だって感心します。

    デザートだって肩の力がストンと抜けて、けれどおいしく、だから食べ手を緊張させないステキなモノに仕上がっていた。
    ふんわりとした軽いシフォン。
    そこに作ったばかりのミルクジェラートと、生クリームにイチゴが彩り、香りを添える。
    このイチゴ。
    一個は生。
    一個は粒を壊さぬように煮込んだモノで、同じイチゴが状態でこれほど風味も味も違う料理になるんだ…、ってビックリします、ゴチソウでした。
    オゴチソウサマ、また来ます…、って挨拶をしてテクリと歩いて家に戻った、月曜日。



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    さすがにツナメルトだけではお腹が夜までもたない感じ…、それで次の打ち合わせまでにとおやつ代わりにパスタを食べる。

    hp.jpg普通なら、パスタがランチでサンドイッチがおやつなのにね(笑)。
    場所は新宿三丁目。
    伊勢丹の裏側にある小さなビルの3階という、普通に表を通っていてはまず気が付かぬロケーション。
    ホームズパスタってお店があって、実は一時期、ハマったコトがある。

    もともと渋谷にあるお店。
    渋谷って街は昔からスパゲティーのお店のブームが生まれ続ける街でござって、例えば壁の穴であったり五右衛門だったり。
    ここ最近はパンチョにマッチョと大盛り系のお店ばかりが目立っているけど、実はココ。
    大盛りでもない…、和風でもない。
    ちょっと変わったスパゲティーを作ってて、それが結構、クセになる。
    新宿にあるそこの支店…、あるいは姉妹店なのかなぁ…、思い出したらいてもたってもいられなくなり、それで途中下車にて食べる。

    エレベーターにのり、降りるとすでにそこはお店の中で、にんにくを炒めるおいしい匂いがしてくる。

    645c39a3.jpegペペロンチーノな匂いであります。
    ニンニクの臭いにもいろんなのがあって例えば、韓国料理の生っぽいストレートな匂いはあんまり得意じゃないかもしれない。
    自分で料理をつくるときもほとんどニンニクを使わない。
    でも例外が、油の中で時間をかけてコンガリやいて、匂いを風味に変えたモノ。
    これは大好き。
    作ってるうちにもお腹がすいてくる。
    ココの匂いがそんな風味で、ニンニクオイルをタップリ使った、ガツンと濃厚味のソースが自慢。
    かと言って、男料理か?というとこれが不思議なコトに、お店の中はほぼ女子でポツリポツリとおじさん混じるという状況。
    2時をはるかに過ぎた時間でほとんど満席。
    この界隈はデパート街でもあって昼休みがこの時間しかとれぬ人たちがおおいのでしょう…、とは言えこんな目立たぬ場所がこれほどにぎわう。
    おなじみさんのパワーはスゴい。
    窓に向かったカウンターでいいですか…、って言われてオッケー。
    手渡されたランチメニューを一瞥し、昔はまった「あれ」があるって確認したらすかさずそれの名前を告げます。
    「絶望、一個、くださいな!」って。

    ここオリジナルのミートソースの名前が絶望…、ココの一番人気であります。
    実はイタリア料理で「絶望のスパゲティー」といえば大抵、ペペロンチーノアリオオリオのコトをさす。
    部屋の中で食べられるものと言ったら乾麺、オリーブオイルに鷹の爪、塩にニンニクくらいしかない…、そんな絶望的な状況にあっても作れる料理だから。

    a44423c4.jpegちなみにココの絶望は、絶望的に作るのに手間がかかるからなんだって!

    かなりジューシー。
    スープになってく手前くらいまでゆるくてつまり、トマトのジュースの風味が味のベースになってる。
    ひき肉のうま味もとけてはいるけれど、むしろニンニクのコッテリとした香りが見事なアクセントをなし、他に具材といえばブラウンマッシュルームにオリーブの実をスライスしたものくらいじゃないかな…。
    でもおいしい。
    パスタがおいしい。
    よき茹で加減である以上に、麺そのものが頑丈で熱いソースにずっと浸かってどんどん熱が入ってるはずなんだけど、決してへたらず歯ごたえしっかり保ってる。
    一人前としてはかなりの分量で、けれど飽きずに食べ進む。

    それにしてもソースが旨くてしょうがない。
    パスタをフォークでクルンとまとめ、口に運んでモグモグ麺の食感確かめて、すぐさまスプーンでソースを飲み込む。
    ランチ終わりという時間にて、ちょっと塩味が強く感じる。
    けれどそれすらおいしくて、あぁ、なつかしやと涙ちょちょぎれ。
    パルメザンをもらってそれをタップリかけて、より濃厚でより塩っ辛いソースにととのえバクバク食べた…、あとで喉が渇くのに(笑)。
    パンをもらってソースにトプリ…、言うことなしのオゴチソウ。
    これから軽い打ち合わせにて、ニンニク臭くちゃ申し訳ない…、ミントを噛んで、いざ出陣。



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    スッカリ時間が遅くなり、お腹がすいてどうしよう…、このまま家まで帰ろうとしたらば絶対、お腹がすいて倒れちゃう。
    まぁ、そんなことなんてまず無いほどに必要以上の栄養を備蓄しているのを知ってはいるけど、家に何か食べるものがあるかというと、それがかなりの問題でして…。
    何かを軽くつまんで帰ろう。
    夜遅くだから蕎麦なんかいい…、って思いはするけどこういうときに限って体に悪いモノが頭に思い浮かんじゃう(笑)。

    110b97f5.jpegケンタッキー。
    脂にまみれたケンタッキー。
    しかもパンで挟まれた、チキンフィレのサンドイッチが頭の中にやってきて、消そうとしてもずっとそこに居座っている。
    食べなきゃ、心の健康に悪いかもって、言い訳しながらケンタッキー。

    夜遅いというのにかなりの人がいるのにビックリします。
    その半分はカフェ使い的女子グループで、残り半分は背徳感にウットリしている男子達。
    kFCはどんどんカフェ化をすすめているけど、案外、アイリッシュパブ風のお店を作りそこでフライドチキンにアルコール…、なんかいいんじゃないかしら。
    たこ焼き片手にハイボールより、ケンタ片手にビールの方が自然なはず。
    そういや今日はセントパトリックスデーだった…、ギネスを飲めば良かったなぁ:笑。

    それにしてもココのチキンフィレサンドって、みるたびどんどん小さくなってく。
    昔は両手で掴んで口を大きくあけなきゃダメだった。
    ところが今では片手で十分。
    胚芽を混ぜたパンがオシャレを装って、サイズまでもが女子なサイズになったのならばかなり残念。
    とは言えチキンはおいしくて、脂にまみれて口がニッコリ。
    マスタードの香りをはなつマヨネーズも、トロンとなめらか…、今日は夜ふかしできそうな、そんな気持ちのオゴチソウ。
     

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