昼をちょっと贅沢に、「COVA」ってお店でイタリア的にすごします。
新宿高島屋の3階フロア…、ヨーロッパ系の高級ブランドショップが並ぶバブルなフロアの中でもひときわゴージャスなグッチのお店の隣に出店しているカフェ。
ミラノに本店がありまして、ランチ用の紙ナプキンにも「モンテナポレオーネ」と誇らしげに刻印されてる。
モンテナポレオーネといえばミラノの銀座のような場所。
そんな場所にある高級ブティックに負けぬ格式とゴージャスな食品が並ぶ美食の殿堂…、だからある意味、高島屋のブランドフロアにあるというのも場違いじゃないかもしれぬ。
テーブルクロスにもコヴァの刺繍が金糸で刺繍されているのにウットリします。
そっとクロスを手で撫でる。
刺繍がでこぼこ、やさしく手のひら撫でる感触。
あぁ、贅沢って感じ入る。
黒服を着たスタッフの、うやうやしき仕草に笑顔、サービスまでもが上等で、背筋が自然にシャンとする。
それにしてもこれで大丈夫なのかなぁって心配するほど暇であります。
ただでさえ普通の人がよりつかぬ高級フロアの中のお店で、こんなところにカフェがあるなんて多分、認知されてない。
かなり便利な穴場カフェ。
10種類ほどのメインを自由に選べるランチセット。
デザートと食後のお茶がついていて、それと一緒にサラダをたのむ。
サラダやスープは追加でどうぞというシステムで、それらをたのむと結局2000円を超えてしまう…、値段も確かにモンテナポレオーネな感じでござる。
とは言え、値段にみあうだけの見事なサラダ。
シャキッと葉っぱはみずみずしくて、しかもキレイに水気を拭ってドレッシングをゴクリと吸い込む。
チーズのうま味がドッシリとしたソースのようなドレッシングで、一枚、ヒラリと添えられている生ハムがムッチリ、ネットリ、かなり上等。
もともとモンテナポレオーネの本店はパンやサラミ、あるいはハム。
惣菜までが揃うイタリア的なるデリカテッセン。
日本にやってきたらばそれが、チョコやケーキがおいしいスイーツショップのようになっていた。
肉の加工品を真剣に作ろうとするとかなりの手間がかかってしまう。
イタリアの本場通りの味が日本で受けるとは限らないから、スイーツ系に注力するのは理にかなっているかもしれないけれど、なんだかちょっと寂しくはある。
こうした生ハムを使ったサラダを出してくれると、なおさら、コヴァのサラミはボロニア食べたくなっちゃう…、なやましい。
メインをラザニア選びます。
ツルンとハリのあるパスタシートを使ってポッテリ焼き上げたモノ。
パスタシートにクリーム、それからハーブの香りをつけて煮込んだ牛ひき肉…、それを幾重にも重ねて焼く。
小さなトマトとタップリ刻んだイタリアンパセリの彩りおいしい、目のゴチソウ。
パルミジャーノがまるでパン粉のごとくパサリをふりかけられてて、香りがすでにおいしく感じる。
ブラックペパーをカカッと挽いて、香り豊かなアクセント。
ミートソースは使わずに、ベシャメルソースとトマソースで作った軽い仕上がり。
目にも鮮やか、春という季節が似合う彩りが食欲さそう、ナイフをそっと置いて切る。
サクッと一番上が切れるとカクンカクンと、一定のリズムをもって切れる手応え。
中からトロンとソースがでてきて、牛ひき肉をつつみこむ。
パスタを茹でた塩の味わい。
ひき肉の脂とソースのうま味が味のほとんどで、チーズがコクと風味を添える。
ひと味たりない程度の味わい。
素材の持ち味だけで作った上等な味に舌が一生懸命、味を探ろうとするのであります。
目を閉じ、味を噛みしめたくなる。
そこにプチュンとトマトが潰れる。
コレが甘いの!
しかも酸っぱくトマトらしい日向の匂いがするのがステキ。
まるでケチャップ…、しかも上等でフレッシュなケチャップ味で存在感が半端ない。
小さいのにネ…、一粒食べると口の中が地中海な味になってく…、オキニイリ。
それからデザートの盛り合わせ…、ザッハトルテに洋梨のタルトがきます。
これが驚くほどにおいしくて、ビックリしました。
実はラザニアはとても上品な分量で、これじゃぁお腹いっぱいにならないかも…、って心配したけどそれもこの食後のたのしみのためだったのか…、って。
ウットリするほど夢見心地な味がした。
ネットリとしたムース状のチョコとシットリしたスポンジ生地…、ビターで甘くて酸味をほとんど持たぬ重厚、ビロードっぽいなめらかさ。
そこに細かく砕いたチョコやカカオ味にローストされたナッツが混じって、トロンととろけるチョコに確かな歯ごたえ加える。
洋梨タルトもギッシリ梨の蜜煮と甘いクリームが、層なすシアワセ。
エスプレッソをコクリとあおって甘い名残をなつかしむ…、贅沢な昼、金曜日。
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