肉の酒場で適度に食べて、〆をガッツリ、洋食にしようと…。
それで「キッチンたか」に来る。
去年できたニューフェイス。
車力門通りという四谷三丁目の飲食店が集まる通り。
キッチンとカウンターだけの小さな店で、客席も6人入るとほぼ満席というサイズ。
「たかさん」一人がシェフでがんばるお店であります。
この人、四ツ谷の駅前にあった「キッチンエリーゼ」って言う洋食屋さんで働いてた人。
そこから独立して作ったのがこのお店。
たった一駅で、同じようなお店をするのは大変だろうなぁ…、って思っていたら、なんと出身場所のエリーゼが突然閉店。
揚げ物だけのお店になっちゃった。
行列が慢性的にできてしまって、グリルやソテのようなメニューまで手が回らなくなったから。
揚げ物だけに注力し、おいしいフライのお店になりたい。
そういう判断で、本家をなくした今となってはココが唯一、かつてのキッチンエリーゼのグリル系の料理をたのしむコトができるお店になった。
たしかにエリーゼのフライは旨い。
けれぼボクは、グリル料理の方が好きだったので、こうしてボクの家の近くでその伝統が生き延びたってコトがなんともウレシク思う。
ひさしぶりにやってきたらば、結構、これが流行っていました。
ボクらが入った段階で満席になり、そのあと一組お客様がきて、満席だってあきらめ帰ってそれから次々、常連風のお客さんがやってくる。
うれしいなぁ…、最初はちょっと苦労していたけどおなじみさんがついたんだ。
実はお店を開店した翌日にたまたま知らずに訪れて、それでなんだか自分のお店のような勝手に木がしてるから。
メニューもちょっとづつ増えている。
最初はポークソテの類やカレー、それからハンバーグ。
慣れぬ厨房、なにより一人ですべてを切り盛りしなくちゃいけない。
だから自信をもって提供できるモノだけ全部で10種類ほどの商品だけでやっていた。
それが今日、チキン料理やソースもクリーム系のソースなんかが増えていた。
中でも食べたい…、って思ったのが、このオムライス。
ピラフをジャジャっとまずは炒めて、それが仕上がる寸前に別のフライパンに油を流す。
そのフライパンをレンジの上でグルングルンとまわしつつ、油をキレイにフライパンになじませる。
そこにキレイにといた玉子を注いでクルンと手首をまわし、薄焼き玉子をつくってく。
ご飯の上にオムレツをのっけて開く最近はやりのやり方は、オムレツライスであって断じてオムライスじゃない。
玉子でご飯をクルンとつつんでこそのオムライスにて、ココのはまさにオムライス。
ここのオムライスのスゴいところがケチャップライスをつかわないとこ。
トマト風味のピラフを炊いて、それを炒めているので玉子とピラフだけを食べると、ほんのりトマトの香りが漂う玉子チャーハンみたいな味わい。
玉子の上にタランとかかった、ケチャップと一緒に食べてはじめて普通のオムライスのような味がするのがステキなところ。
冬限定というビーフシチュー。
牛のすね肉をとろりと煮込んだモノがタップリ入ってる。
すねの関節近くのブリンと、ゼラチン質と脂を抱いた肉がタップリ。
ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎと具だくさんにして、コッテリとしたデミグラスソースのコクも見事な出来栄え。
スベスベ、食べてるうちに唇貼り付くようなこのおいしさに、洋食っていいよなぁ…、ってしんみり思う。
それをオキニイリのオムライスにかけ、食べると天国。
ケチャップ抜きのピラフ、玉子にビーフシチューでハヤシライスの味になり、そこにケチャップをまぜるとオムライスの味がコッテリ濃厚になる。
オムライスもビーフシチューもどちらもとても正統な、シッカリとした出来栄えでその両方をあわせて食べても味が決して破綻しないのにビックリします。
力強いの気品がある味…、っていえばいいかな。
丁寧に、そしてとても正直に作られているからこのおいしさができるんでしょう。
それからエリーゼ譲りのグリル。
ポークジンジャーをオカズに食べる。
分厚い豚のロース肉。
粉をはたいてコンガリ焼いて、そこに自家製ジンジャーソースをかけてザザッ焼ききり仕上げる。
微塵に切った玉ねぎとかなりの生姜がタップリ入ったタレに肉にこびりついた小麦粉がトロンととろけてソースのようになっていく。
シャリアピンステーキのソースの中にすった生姜がタップリ混ざった、そんな感覚。
玉ねぎの甘みと生姜の辛みが混じって、スッキリとても食べやすい。
分厚い肉がクチャっと奥歯で潰れて、マッタリ。
奥歯を包むような豚肉。
なにより脂がおいしくて、そのおいしさにドキドキしながら食べすすむ。
千切りキャベツは甘くてシャキシャキ。
ポテトサラダはポッテリ、サッパリとした味わいでメインの料理の味を邪魔せぬ名脇役に徹してる。
ジンジャーソースに使ったキャベツが、シットリシャリシャリおいしくて、それがご飯のオカズになったりするのもたのしい。
ご主人の料理を作る手際や後ろ姿に表情…、自信がついたのでありましょう。
凛々しく、キリリと顔もいい顔になっていたのがなんだかウレシク、また来なくちゃって思いますです、オキニイリ。
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