夜を近所の「グーバーグ」。
開店当初、ちょっと料理の方向性がグラグラしてて、それでしばらく距離を置いてた。
飲食店で大切なのは、絶えずおいしくすることじゃなく、これがうちの味と決めたらそれをずっと我慢して、守り続ける一貫性があるかないか。
頑固親父がいる店が、案外、長く続くのは誰からどんなコトをいわれようと味を変えない一貫性があるからなのかもしれないですネ。
マーケティングが上手な会社。
流行りに敏感な会社が飲食店を作るとときおり、お客様の意見ばかりを聞いてしまってその一貫性が脅かされるコトがあったりするのであります。
ココもしばらくそんな感じだったのかもね。
ところが最近。
方向性がシッカリしてきた。
味もドッシリ安定してきて、だからたまに来たくなる。
今日は季節の料理をためす。
春のキャベツを金ゴマソースをかけて味わうという提案。
なんだかちょっと面白そう。
実は千切りキャベツが好きでして。
シャキシャキとした歯ごたえがとてもたのしく、それに時折、ただただひたすら千切りキャベツを作りたくなる。
タンタン包丁を動かして、大きなキャベツがみるみるうちに、山盛りの千切りキャベツになっていく達成感が好きだったりもするのであります。
それを使ったハンバーグ。
ハンバーグレストランではまず作らない組み合わせ。
いい意味での素人臭さがあってたのしい。
熱々に焼いた鉄板がやってきて、最初は跳ねる油を防ぐために紙で覆われている。
覆いを取ると、まるで山盛り千切りキャベツ。
キャベツの下や周りにはモヤシやフレンチフライがゴロゴロ転がっていて、野菜炒めのような風貌。
キャベツの上にはゴマがパラリ。
クリーミーな胡麻ドレッシングのような香りがやってくる。
キャベツを脇にどけると下からハンバーグ。
合いびき肉で、ジューシーで、箸でホロッとほぐれる質感。
中からジュワッと肉汁がほとばしり出て、肉の脂がキラキラしてる。
その肉汁をキャベツが吸い込む。
キャベツだけでなくモヤシやニンジン、炒めた野菜がグングンおいしくなっていく。
ハンバーグ自体は200gというほどよき分量。
けれど、野菜がタップリたのしめ、特にキャベツが徐々にしんなりしてくると甘みもうま味もましてきて、これはキャベツをおいしく食べる料理なのかな…。
「肉+野菜の付け合せ」って普通のハンバーグ感覚じゃなく「肉と野菜を同時に味わう」野菜の料理のような感じがあたらしい。
ご飯のオカズにもすぐれているし、山椒が中に入ってるのかしばらく食べているとピリリと舌がしびれる感じがしてくる…、それもステキでオモシロイ。
ご飯もスベスベ、なにより具だくさんの味噌汁がとてもおいしい。
見れば鍋で炊いて作った味噌汁で、普通、こうしたお店はボタンひとつで味噌汁作ってだすマシンを使うのだけどこれもこだわり。
ご飯をおいしく食べる工夫がいろんなところに散りばめられてて、これがココの料理のコンセプトかなぁ…、と思ったりした、いい感じ。
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