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2024/11/28 (Thu)
ランチついでの花見の日
新宿御苑で昼としました。
午後から家でまとめもの。
それで自宅に帰る途中に、新宿御苑の駅でおり
「御苑前せお」
という和食のお店ですることにする。
新宿御苑の大木戸門の近くにあってかつてここには「大木戸矢部」というお店があった。
蕎麦がおいしい日本料理の小体な店で、今は銀座に移って営業している。
そこをそのまま譲り受け、改装をして今のお店になっている。
縁起のいい場所っていうのが実はある。
そこでお店をやった人が、必ず大きくなって巣立つ…、そんな場所。
運気が良い…、とでもいいますか。
お店の作りや大きさや、当然、周辺の環境も影響を与えているとは思うんだけど、それならそこの近隣にあるおんなじようなお店もみんな縁起がいいか?というそうではないのが不思議。
オモシロイ。
ただこの界隈。
ここ数年で飲食店が随分増えた。
どこも個性的で特徴のある、けれど決して高価ではないほどよいお店が次々できて、エリアとしての賑わいがでた。
それでますますこの店も、いい状態になってきたよう。
個室がひとつ。
カウンターに8席と2人がけのテーブルひとつ。
どこに座っても厨房の調理の気配が伝わってくる、臨場感のあるお店。
ランチタイムには限定数で日替わりランチが用意されてる。
その献立が、ホームページのブログ頁で定期的に紹介されてて、見るのがとてもたのしくていい。
今日のメニューは「まぐろの漬け丼と肉うどん」。
蕎麦が旨い!が有名で、けれどランチの定食には蕎麦をつけずに献立たてる。
得意なコトに甘えぬように…。
それにこうして日替わりランチをするのはほんとは面倒。
けれど一緒に働いている、若い人達になるべく多くの調理を経験させてやりたいからなんでしょう。
仕入れた食材を無駄なく使えるメリットもある。
例えば今日のまぐろの漬け。
夜のコースで使う魚の、おそらく端材になるところ。
筋が入ったハラスの部分や、形不揃いの赤身をシッカリ醤油に漬け込む。
トロの部分は鼈甲色に。
赤身はまるでざくろ色。
ひやっと冷たく、口に含むとネットリととろけるようになりつつ魚のうま味を吐き出す。
うどんの肉が豚バラ肉…、というのがちょっと江戸風ですか?
西の生まれのボクにとって肉うどんと言えばイコール、甘辛く煮た牛肉うどん。
とは言えプルンと豚の脂が甘くて、分厚い肉の火通りまさに絶妙でこれはこれにておいしくていい。
サイドの卵豆腐やきんぴらごぼうもすべてシッカリした味付けで、手をかけとても丁寧に作られている…、それが贅沢、オゴチソウ。
それからせっかくだからと新宿御苑。
大木戸門から中にはいって、軽く散歩をすることにした。
平日とは言え、花見の人が次々、公園の中にやってきて、時間もお昼ということもあったのでしょう…、弁当広げてのんびりしてる。
近隣のサラリーマンのおじさんたちがスーツ姿でやってきて、日向ぼっこにお昼に花見。
こんな時間もいいよねぇ…、と。
入り口のとこでは「アルコール持ち込み禁止」の貼り紙があり、警備員が抜き打ちで荷物検査をしていたりする。
園内を自転車のって見まわる人もいたりして、ちょっと無粋にさみしくなっちゃう。
とは言え、空は高くて青くて広い。
日和もよくて暖かく、あと数日でおそらくお花も満開になる…、早く春が来ればいい。
[0回]
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2011/04/06 (Wed)
丸の内リム:和
Comment(2)
四ツ谷の鈴新
四谷三丁目で夜…、
「鈴新」って言うとんかつ屋
にて。
渋めの飲食店が立ち並ぶ、四谷荒木町にはメインストリートが二つある。
比較的見通しがきいて開放的な雰囲気の杉大門通りと、曲がりくねって秘密めいた路地裏風の車力門通り。
その車力門通り沿いに小さな公園があって、その横。
カウンターだけの小さなお店。
ときどきこのカウンターの上に蓋して板間を作り、高座に仕立てて中で落語をするコトがある。
地域に根ざしたご機嫌な店。
目当てはカツ丼。
ここのカツ丼は全部で3種。
一つは普通の、カツを出汁で煮て玉子でとじたのをどんぶりご飯にのっけたモノ。
油のうま味が玉子に混じっておいしくなるけど、パン粉衣サクサク感は台無しになる。
もうひとつはおろしカツ丼。
大根おろしにソースをかけてサッパリザブザブ食べるというモノ。
まぁ、これをカツ丼と呼ぶかどうかは微妙なところ。
ボク、オキニイリは「かけカツ丼」。
カラッと揚げたロースかつに、出汁で煮込んだ玉ねぎを玉子でとじてかけただけ。
サクサクとした衣の食感も、最初は当然たのしめる。
それが徐々に出汁をすい、しんなりしてくるのもまたたのしめる。
なんと贅沢なオゴチソウ。
玉子を固めにしてくださいネ…、とそうお願いして作ってもらう。
手が届くほどの近いところでカツが揚がってそれがみるみるカツ丼になる。
出来上がったばかりのものを、直に手渡してくれるのに、蓋がピタッ。
丼っていうのは蓋してこうして、蒸らしてはじめて完成する。
しかも玉子の蒸らし具合が、これで調節できたりもする。
シャリシャリとした玉ねぎの食感たのしく、そこだけ食べると玉子丼。
カツの下には出汁がにじまず、だから白いご飯のまんま。
食べる部分で、いろんな料理になるのがなんともオモシロイ。
そもそもここのカツはザクザク。
固めの衣。
パン粉が立ってるように揚がってる。
肉は薄め。
しかもガッシリ、歯ごたえがある。
特にロースカツは脂が少なく、顎を叩く頑丈なカツ。
フックラとしたやわなカツを食べたかったらヒレをたのんでくださいな…、ってそんな割り切り。
いいんじゃないかと思ったりする。
そもそも大衆的なとんかつは噛みしめながら食べる物。
ここのとんかつはそうした食べ物。
ご飯は羽釜で炊きあげたモノ。
汁はゴボウの香りが彩り添える豚汁で、どれもお腹を満たすのに十分。
串かつを追加にします。
串かつがおいしいお店は良心的で、お酒が飲める揚げ物屋さん。
豚の端材。
コリコリ、ちょっと筋張った肉。
それに玉ねぎ。
ツルンと食感なめらかで、しかも甘くてホッとする。
醤油をかけようか。
それともソースにしようかとかなり迷った。
とんかつに醤油をかけるとサッパリ、しかも香ばしくなる。
けれど今日のメインは醤油がベースのカツ丼で、だからソースを選んでかける。
かわりに千切りキャベツには醤油をかける。
サイドのサラダがなにげにおいしい。
注文が入って、具材をボールにいれて塩とマヨネーズ。
胡椒を最後にパパっとふってひとつひとつ仕上げてつくる。
だからシットリ、みずみずしい。
この店、夜になると居酒屋みたいになるんですネ。
小さなお店ではあるけれど、ほぼ満席。
揚げ物つまみにビールや日本酒をたのしんでいる。
とんかつ屋さんって、夜はなかなかお客様が入ってくれないって愚痴を言うけど、考えてみれば揚げ物はお酒のつまみに本来最適。
気軽な雰囲気。
気さくなお店の人とのつながりで、こうしてお酒が飲めるんだ…、って思ったりした。
おごちそうさまと挨拶をして、お店をでるときご主人が、ジッとこちらを見つめて「またのお越しをお待ちしてます」とココロを込めて元気に言われた。
またまいります、ありがとう。
[0回]
2011/04/05 (Tue)
丸の内リム:和
Comment(4)
天金
仕事の途中で新宿駅…、そこで朝をとることにした。
新宿駅で朝食をとる。
いくつかボクには選択肢がある。
東口だったらまずは、ベルクのプレート。
西口にくるとチョイスの幅が一挙に増えてスパゲティーやら大阪寿司やら、おそば、そしてここの朝定食。
今日はなんだかおなかが重たく、熱く感じてそれでひんやり。
豆腐の奴が食べたくなった。
それでここを選んだ次第。
地震が起こって、まだはじめてで具合はどんなか聞きたくもある。
どうですか?って聞いてみたらば、うちは結構、にぎわっている。
多分、電車のダイアが乱れた分、時間に余裕を持って出勤する人が多くなったからじゃないかな?
早めについて、それでうちで朝ご飯というお客様が目立つようになりました…、って。
なるほどたしかにそうかもしれない。
出発地でボヤボヤしてると遅れてしまう…、だから急いでまず目的地までいきましょうという行動パターンになったような気もします。
しっとり蒸気で焼いた鮭。
脂が落ちてさっぱりとした味わいで、それにご飯と汁にしらすおろしでひと揃え。
他にも奴や納豆、焼き鯖定食なんかがあって、それら定食のメインを単品注文できる。
どれを追加でたのんでも50円というのがステキ。
アリガタイ。
追加で豆腐の奴をたのんで、この店選んだ当初の目的、成就する。
しらすおろしの横に海苔。
関西風の味付け海苔で、味付け海苔の中でも強めで、しつこいほどのコッテリ味がついている。
この店のこの朝食を飽きず食べるようになったのは、もしかしたらこの海苔が、キッカケだったのかもしれないなぁ…、ってちょっと思った。
そのまま食べると上顎に、ピトッと貼り付きまるで海苔の佃煮みたいな味になってく。
ご飯と混じると、甘みに醤油の風味が香りおむすびみたいな味になる。
今朝の大根おろしは甘い。
うま味もあって、食べるととてもみずみずしい。
しらすも小さく、サイズがそろった甘塩のモノ。
醤油をかけずとも、そのまま十分味わえる。
大きな豆腐。
ネギとすったショウガがタップリ。
ちょっと前まで、生のネギ…、特に白いところはあんまり好きじゃなかった。
匂いが強くて他の食材を台無しにするような気がして、たいてい抜いて!とお願いしてた。
けれど最近、あんまりそれも気にならない。
歳をとって、どんどん味覚の幅が広がる。
食いしん坊がすぎてこだわりなくしてしまった…、ってことかもしれない(笑)、けれどそれはそれで良し。
いろんなモノを分けへだてなく食べてあげよう…、クイシンボ!
ひんやりとした豆腐はスルンと喉からお腹をなでてゆく。
朝の体が気持ちよくなる、目が覚める。
ところでテーブルの上のこの物体。
下半分が乳白色のやわらか気味のプラ容器。
液体調味料を入れておくためのモノなんだけど、昔、食堂で、これに入ったいたのは必ずウスターソース。
まれにトンカツソースが入って、ガラス容器の醤油差しの横に置かれて、立っていた。
洋食屋さんでも、中華料理のお店でも、これに入っているのはソース。
絶対、醤油じゃなかった記憶が今でもある。
今はそんなコトにこだわる時代じゃない。
そうかもしれない。
安くて、便利で、こわれない。
だから重宝するのだろうけど、やっぱりちょっと違和感がある。
和食のお店で、これ以外に調味料入れがないんだから、これを醤油と判断するほかないのだけれど、ちょっとビクビク。
使う前に鼻先近づけ、軽く容器を握ってやる。
するとフガッと空気がでてくる。
嗅ぐとたしかに醤油の香りで一安心。
それでもそれが外にでてくる途中でソースに、変わってしまうんじゃないかって、ちょっと垂らして味をみる。
まごうことなき、それは醤油で当たり前だと、フフッと笑う。
さてさて、仕事にでかけます。
[0回]
2011/03/30 (Wed)
丸の内リム:和
Comment(0)
昼のとんかつ、ヨルイエゴハン
新宿で昼…、
「三太」って言うとんかつの専門店
で、新宿にこなくちゃ食べるコトができない独特のとんかつにする。
昨日も一緒だった友人と、ちょっとしたヤボ用すませて何を食べよう。
今日は肉が食べたいねぇ…、と、それでここを選んで食べる。
新宿の駅からほんの数分。
間口は小さいけれど立派なビルで、ビル一本が全部この店。
ドアをあけると半地下になったところに厨房がある。
職人さんがとんかつ揚げつつ、こちらを見上げていらっしゃい。
見上げられるというのがなんだか優越感をくすぐって、気持ちよくなる。
2階にあがってテーブルにつく。
ランチのメニューはほどよくお値ごろ。
一口かつにコロッケ、エビフライがつく盛り合わせをたのんで食べる。
一口かつはヒレかつでコロンとピンポン玉のような大きさ、形で独特。
筒状をした豚ヒレを筒切りだったり開いて揚げるのが普通のヒレかつ…、けれどここのは細切れにしてボール状にする。
噛んだときの歯ごたえが、男性的でオモシロイ。
お頭つきのエビのフライもエビそのものが新鮮で甘くておいしい、なかなかのモノ。
ここのとんかつが独特なのは、食パンを切ったようなパン粉の独特。
パン粉じゃなくて「パン棒」みたいな生の千切りパンをつけ、それで揚げるから素材の上にまるで花が咲いたようになる。
噛むとまずはパンがザクッ。
存在感が抜群で、それに続いて肉やエビなどの中身がサクッと歯切れてく。
そのコントラストがオモシロイ。
特にここのクリームコロッケ。
なめらかでクリーミーなベシャメルソースに、豚ひき肉がタップリ入っててそれそのものが味わい深い。
そこにパンのサクッと乾いた食感と、豚ひき肉のホツホツとした食感が混じって濃厚。
クルトンと一緒にミートグラタンを食べてるみたいな気持ちになれる。
しかも不思議と油をあまり感じ無い。
これだけ存在感抜群のパンが絡んでいながらサッパリ軽やか、食べても胸がおもたくならない。
オモシロイなぁ…、って感心しつつ、千切りキャベツをお替わりし調子にのってご飯までもをおかわりした、お腹一杯。
食欲あるのはステキなコト…、と自分を勝手に納得させてそれで街にまた戻る。
新宿の街…、午後から人が増えてきた。
地震の影響もそろそろ落ち着きをみせてきたのかもしれません…、街はにぎやか、ここのお店もほぼ満席。
近所の名物天ぷらの「つな八」さんの行列も戻ってきてた、空は明るい、気持ちいい。
夜は自宅で。
新宿にでかけたついでに伊勢丹の地下で買い物をしてそれですませる。
少々、値段がはるのであんまり最近、顔を出してなかった。
食材というよりも、高級な加工品に売り場がシフトしていてそれで「何を食べよう」って気持ちにはあう。
けれど「何を作ろう?」って思ってくると失望することが多くもあって…。
ただ今のような緊急事態の時には立派。
食料品をとぎらせぬよう、必死になって仕入れ並べる。
かなり気合の入った姿勢に、さすが地域一番店舗って再評価。
特に野菜がみずみずしい。
生食用の小さなトマト。
鮮やかで、しかも深い真っ赤な色が、おいしいんだろうなぁ…、って思わせる。
ヘタの部分もシッカリしててその緑色がこれまたキレイなアクセント。
水で洗ってそのまま食べる。
塩も油もなんにも使わずプチュッと食べると、最初は前歯に抵抗をする。
皮が厚くてツルンと逃げる。
逃さぬように力を入れるとクチュっと歯切れて中からジュワッと甘いトマトの味がする。
ボクの苦手な青臭さのない、けれど緑の香りがほんのり漂う、食べると首から上がひんやりするような爽快感。
「讃岐の菜花」って、なつかしい野菜をみつけて買ってみた。
育った菜の花。
ブロッコリの茎のようなスクッと伸びた太い茎。
ほうれん草のような葉っぱの合間に菜の花。
田舎でいたとき。
これをササッと軽く茹で、おひたしにするのが今の季節のゴチソウだった。
さて、どう料理しよう?
茹でてもいいけれど、うまみや香りが水に逃げてしまってちょっと勿体無い。
それでフライパンに薄く油をそっとひき、菜花を並べて火にかける。
蓋してバチバチ、音立てながら焼けていくのを確かめて焦げた香りがしたらクルンを裏返す。
最後に讃岐の出汁醤油。
菜花が育った同じところで生まれた醤油は、素材の持ち味をシッカリ引き出す。
地方の食材は同じ地方の調味料で調理するのが多分、一番居心地よく美味しくなってくれるんでしょう。
春の野菜独特の苦味がおいしく、体が中からシャキッとします。
売り場の真ん中。
いつも何かのイベントをやってる特設売り場で、今は北海道の特産品を売ってる。
男爵コロッケ。
海の幸やらスイーツやらといろんな売り場があるなかで、北海道名物の「ざんぎ」を売ってるお店があった。
鶏の唐揚げ。
にんにく風味の醤油につけた鶏肉を揚げた唐揚げなんだけれども、鶏の半身を丸ごと揚げた半羽揚げって言うのがあって、試して食べる。
鶏という肉。
場所で味わい、食感がまるで違ってそれを一度に食べられる。
サックリ歯切れてふんわかとした胸肉やむっちりとしたももの肉。
ゼラチン質を感じる手羽と、手づかみしながら次々味わう。
鶏ってこうして食べるとやっぱりおいしいんだなぁ…、って思う。
丸ごと食べるっていうコトって、なかなか他じゃぁ出来ないモノ。
それからお魚。
カツオのたたきが魚の売り場でおいしげで、買ってみた。
カツオのたたきと言えば高知で、けれど残念、今日のカツオは千葉のモノ。
魚は海を泳いでいるから、どこの魚と差別するのはかわいそう。
でも料理となるとやっぱり名物産地のモノを食べたくもある。
魚をお皿に盛りこんで、そこにトクトク、高知の柚子を使ったポン酢をタップリかけて、おかえりなさい…、とカツオをねぎらう、オゴチソウ。
[0回]
2011/03/20 (Sun)
丸の内リム:和
Comment(14)
昼割烹で、夜は居酒屋
昼を新宿…、
「新宿割烹 中嶋」
という店。
かつてミシュランで星がついたこともある割烹料理店で、店のしつらえはとても上等。
魯山人の流れをくむご主人の料理は、目に麗しく舌に華やか。
その分、当然、値も張るけれど昼はご主人は板場に立たぬ。
若い人にその一切を任せて料理を作らせる。
素材は「鰯」で、メニューもお決まり。
その分、値段は800円から900円という値段で、けれど手間を惜しまぬ丁寧な料理がたのしく味わえる。
申し訳ないほどのお値打ちで、正直な日本料理を味わいたくなると来るお店。
実は別のお店に来ようと思って、予約をしようとしたのだけれど、営業自粛。
新宿みたいに交通の便の良いわけじゃない場所にあり、しかもちょっと贅沢な店。
料理の一部に食べ放題の要素があって、だから営業自粛をしているという。
確かに今。
余ったモノを捨ててしまうことを前提にした、バフェとか食べ放題とかって、今まで以上に勿体なさを感じてしまう。
しょうがないなぁ…、って思いつつ、小龍包を食べようと思っていたらばそこもお休み。
ここは?と思ってやってきたらば、運良くここはやっていた。
昼どきの真っ只中で、いつもだったら行列ができてしまっている時間帯。
心配したけど、今日はすんなりはいれた上に、4人がけのテーブルもらってユックリ食事をたのしめる。
鰯を使った料理が常時5種類あ。
塩焼き、フライ、柳川鍋に刺身に煮魚。
ただ塩焼きは滅多なことがないと口に入らぬレアモノ。
よほど太った鰯の仕入れがないと出来ないらしくて、今日はやっぱり入荷がなかったという。
塩焼き以外の売り物はフライか柳川。
ここの鰯のフライはシッカリ下味つけた鰯を揚げる。
だからそのまま食べられる。
そのフライを玉子でとじて、グツグツさせて食べる柳川。
日本料理でこうしたシズル感がある料理って珍しくって、あると思わずたのんでしまう。
強めに味の入った出汁で卵とじになっているから、ご飯にのっけて食べるとまるでカツ丼みたいな風味になってく。
フライについてるキャベツの酢漬け。
あるいはモヤシのカレー和えなど、普通、千切りキャベツでお茶を濁すところまでシッカリ料理にしているところが割烹的って思ったりする。
3人できて、選べる料理は4種類。
どれにしようか迷うのも面倒くさいので料理を4つたのんでご飯と汁は3つにする。
そうしたお客様も結構いるんでしょう。
定食価格以外に単品値段も明記されてて、それが便利でありがたい。
刺身は和食の華のようなモノ。
ここの厨房。
入り口近くの一番目立つ場所に料理長が立つようになっていて、そこで作られているのが刺身なんです。
いかに刺身という料理を、大切に考えているかがそれでもわかる。
普通の店なら魚を切って並べておしまいとなるところ、ここはしっかり手をくわえ料理にしてる。
新鮮な鰯をさばき、それを胡麻や大葉と一緒に細かく刻む。
骨も一緒に刻んでいくので、噛むとコリコリ食感にぎやかで、ご飯がすすむ。
鰯が元気で新鮮だった証の煮魚。
骨がピンッと立っている。
かなりの時間、入念に煮込んだんでしょう…、背骨もホロッと壊れるほどで骨の身離れもパラッと見事。
醤油以外にほとんど調味料を使ってないに違いない。
魚自身が自分の力とうま味をたよりに、おいしくなって行った素直な味わい、海のうま味をドッシリ感じる、これこそ和食!っていった感じのオゴチソウ。
ご飯もフックラおいしくて、汁に漬物…、どれをとっても上等で土曜の昼が贅沢になる。
外で用事をいくつかすませ、そして夜。
ひさしぶりに天狗に来ました。
家から一番近い町…、四ツ谷にあった天狗が去年、テング酒場に変わってからあまり縁がなかったお店。
テング酒場が生まれた頃には、値段の安さと、やすさをあまり感じさせぬ潔いほどに合理的な料理にしばらく熱狂してた。
けれど最近、その熱狂もさめてしまうと安っぽさが目について、気づけばあんまり来なくなってた…、いろんな事情で居酒屋気分じゃなくなっていたってコトもあったかもしれないけれど、今日はたのしい一日だってその勢いを借りてくる。
元祖の天狗。
新宿駅の南口にある地下のお店にひさしぶりに来て、メニューをみたら「やっぱりこっちが居酒屋らしくていいよなぁ…」ってジンワリ思った。
料理一つ一つがしっかりしてる。
しかも季節の素材を使った料理が、サジェスチョンとして必ず用意されている。
今の季節はグリーンアスパラとヤリイカで、それぞれ5種類ほどの料理があって、選ぶたのしさもあっていい。
アスパラガスを生ハムで巻き、ポッテリとしたフリッタ生地をまぶして揚げる。
ガリッと揚がって噛むとザクザク、衣が口に散らかる感じ。
衣の存在感がかなり強くて、しかも味が衣に入って、一口目からしっかりおいしい。
熱の入った生ハムが、塩気を帯びたうま味を衣に移して味を濃厚にする。
アスパラガスの茎の繊維が強くって根っこの方が噛み切れず、無理にしごくと衣だけが口に入ってくるのもご愛嬌。
ムッチリとしたヤリイカの天ぷらもとる。
イカって食材。
生の時と火を入れたとき。
まるで違った食材に感じるほどに変化するのがオモシロく、天ぷらにするとフックラとしたイカに衣がフンワリからむ。
生のときより甘味は減って、かわりにうま味が増える感覚。
天つゆつけて食べると料理の味がして、塩をつけるとおつまみスナック食べてるみたいな気がしちゃうのもまたたのし。
天狗がここ数年ほど、ずっと力を入れているのがピザ。
去年までは、縁がこんもり盛り上がってるいわゆる冷凍食品的なる厚めのピザを扱っていた。
けれど今では薄焼きの、ミラノ風ピザみたいな生地にそれが変わった。
焼くと縁がパリッとなって、具材を邪魔せず軽い仕上がり。
エビとアスパラガスを使ったグラタン風のピザがなかでもオキニイリ。
タバスコたっぷりかけまわし、ヒーハー味でたのしんだ。
酒を飲ます店で韓国風の料理はすっかり定番料理になったんでしょう。
ここでもチヂミや純豆腐チゲがラインナップされている。
辛くてスキッとした味わい。
熱々、しかも健康にいい感じがするから?
なによりお酒が進むから。
お店としても重宝なんでしょう…、料理のレベルも決して悪くなくって感心、メリハリの有る味がニコッと笑顔を作る。
食事を終えようとした頃合いで、お店は満席。
大人のお客様がかなり多くて、こんな時期にも繁盛店は繁盛するんだ…、ってみんなで感心していたらグラッと揺れる。
普通になった余震の中でもかなり強くて、お店の中がざわめき立つ。
ざわめき立ちはするけれど、立ち上がったり騒ぎ出したりする人はなく「これなら震度3くらいか」って冷静な声を出す人さえいる。
この環境に適応したと言うべきか、緊張感の欠如はやっぱりけしからん…、と言うべきなのかボクにはちょっとわからない。
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2011/03/19 (Sat)
丸の内リム:和
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