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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    サカキシンイチロウ
    年齢:
    65
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    東京駅から日本橋の高島屋に向かう道。
    a98c11be.jpeg桜の木が大きくはない一車線の道路の両側にズラッとギッシリならんでる。
    もう満開もすぎてしまって、風がふくたび、ヒラヒラ花びらが降ってくる…、まるで小雪が舞うようで地面や車の屋根にやさしく降り積もる。
    春というのは素敵な季節でございます。
    朝をとびきりのサンドイッチではじめよう…、とそれで「ロータス」という喫茶店。

    ここの「やきサンド」はどこにも似たもののない類まれなモノであります。

    552437b2.jpeg実は先日、ここのお店のサンドイッチを食べたよ…、って人からメールをもらってそれでもうどうにもこうにも食べたくって、その食べたさが止まらなかった。
    それで今朝。

    にこやかなおばさまがお店にたってて、その人に「やきサンドをください」っていうと、承知とばかりすみやかにお店の奥のドアを叩きます。
    おそらく奥には仕込み室のようなモノがあるのでしょう。
    「やきサンド、ご注文を頂戴しました」というとドアが開いてそこから寡黙なご主人が出てきます。
    やきサンドという言葉がまるで「開けゴマ」の呪文の如く。
    そしてしらばく時間がたって、そしてやってくるのがこの一品。

    アルミホイルを器にし、中にギッシリ。
    どうやったらこれほど薄く切れるんだろう…、って思うほどの薄切り食パン。
    具材はキュウリとハムにトマト。
    それからチーズというモノで、サクッと焼いた食パンでそれら素材も見事に薄く切られてて挟まれているその熟練の手際にウットリ。
    チーズまでもがスライスチーズを使わず手切りで、だから厚いところと薄いところの厚さがまばらでそれさえなんだかいとおしい。

    3bc0eb8f.jpegそれらを挟んでアルミホイルのお皿にのせてトースターの中で焼いているんでしょう。
    表面ほんわか。
    しかもとろけたチーズに混じってかたまりチーズのホロッと奥歯に貼り付くような食感がするのがオモシロイ。

    ほんの少しのマヨネーズ。
    塩で基本の味をつけそれ以外は素材の持ち味で味を作るという趣向。
    チーズの旨味に潰れたトマトのジュースが混じってひと噛みごとに口の中がみずみずしくなる。
    パンとキュウリの食感が主役で、そこに他の具材が混じって渾然一体。
    味わい豊かでニッコリなります、朝のゴチソウ、オキニイリ。

    サイドにフルーツ…、イチゴにキウイ、りんご、バナナ、パイナップルと小さな器にギッシリつまってやってくるのだけれど、いやいや、これがまたおいしい。
    こんなに甘くてしかも酸味がパキッとしてる。
    色も真っ赤で、この色の通りの味がするのがうれしい。
    0d61750d.jpegさすがに日本橋であります。
    近所のサラリーマンが次々、しかも3人、4人とつれだってくる。
    出勤してちょっと今日の打ち合わせって感じでくるのでありましょうか…、そんなところも昭和な感じでニッコリします。
    オモシロイのが朝の時間…、朝食セットをとらなくってもゆで玉子がサービスで付く。
    このゆで玉子がウットリするほど見事なもので、オレンジ色から黄色にむかってうつくしきグラデーションで茹で上がってる。
    プチュンと白味は唇なでて、ツルンとはじけ、黄身がとろけて口をネットリおいしくさせる。
    どこをとってもボク好みにて、また来なくちゃってたのしく思う、朝のコト。



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    関西的なるサンドイッチをいただきましょう…、と「銀座瑠璃」ってお店に来る。

    ruri.jpg場所は銀座三越の裏っかわ。
    ちょっと歩いた東銀座の駅の近所のビルの1階、2階には無料でおかきが食べられるので有名な「播磨屋」の店があるガラス張りのビルの中。
    入り口部分には販売コーナー。
    奥にカフェという構造。

    実はココ。
    堂島ロールを作っている会社が経営しているお店。
    ここ限定の堂島ロールや、和スイーツの類が買える上に出来立てのモノをたのしむコトができ、それで休日なんかはおばさま方でにぎわっている。
    けれど今日。
    さすがに平日。
    それに中途半端な時間というコトもあるのでしょう…。
    お店の中はユッタリ、しずか。
    優雅な空間ひとりじめという、なんとシアワセ。
    申し訳なくすら感じます。

    和服の生地を貼ったような絢爛豪華なアームチェアや、切子のグラス。
    テーブルの上に置かれたコロンと小さな器には砂糖や、きな粉、抹茶の粉が入っててご婦人好みな居心地の良さを発散してる。
    高級旅館のロビーって感じで優雅な空気が流れます。
    ホールサービスする女性スタッフのうつくしき立ち振舞とおだやかなやさしい表情にウットリします…、いい感じ。

    ac0cf86b.jpegサンドイッチを注文します。
    ふっくら玉子サンドイッチというメニュー。
    ここ唯一のサンドイッチが玉子サンドというのがまさに関西的。
    大阪出身の会社ならでは。
    パンはそのまま、あるいはトーストすることもできるというので、トーストをして作ってもらう。
    カシャカシャ、厨房の方から玉子を割りほぐす音がしてきて、ジャジャっと焼ける湿った音がそれに続く。
    本当に丁寧に作ってるんでしょう。
    15分ほど待ちましたか…。
    おまたせしましたと、厨房の中のスタッフが持ってきてくれるのだけどそのスタッフも若い女性で笑顔になります。
    そして彼女が持ってきた、玉子サンドを見てウットリ。

    フックラ焼いた卵焼き。
    塩のうま味とバターの香り。
    そしてほんのりマヨネーズのうま味とコクと酸味がにじむ。
    焼いたパンにもバターとほんの少しのマスタード。
    風味豊かでパンがサクッと歯切れると同時にジュワッと、玉子のうま味が口に広がっていく。
    パンそのものが甘さや旨さを強調しない。
    焦げた香りとカサカサとした食感だけを発揮して、玉子の味や風味、食感を引き立てる。
    つまり焼いた玉子を味わうためのサンドイッチに、ココロゆだねる。
    有楽町の駅の向こうでつい最近まで、当たり前に食べるコトができた玉子のサンドイッチが、こうしてココでまた食べられる…、なんてウレシイ、オキニイリ。
    72797622.jpegこのサンドイッチにソフトドリンク、あるいはスープがつけられて、サラダもついてひと揃え…、値段が800円ほど。
    この上等と優雅とくつろぎ、それにおいしさまでつけて、この値段。
    銀座でなくてもアリガタイのに、なんてステキと思います。
    ソフトドリンクにここオリジナルの茶葉を使った紅茶を選ぶ。
    すると大きなポットでタップリついてきて、玉子サンドを食べても残る…、甘いものも一緒に食べるか思いもするけど間もなく次の仕事の時間、お店を出ます、また来ます。



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    打ち合わせを終え、家に帰って何かちょっと物足りない。
    何かお腹の中にはいるモノを作って食べましょう…、と冷蔵庫の中をみるけどこれと言ったモノがまるでみつからなくて、かなり思案で雑煮を作る。

    rzoni.jpgお餅があった。
    ひとつひとつパックに入った、小さなお餅。
    不思議なコトにこうしたお餅。
    賞味期限が半年だとか1年だとかって、どうなってるんだろう?
    何かズルイコトをしているんだろう…、って思いはするけどそうした疑問は棚上げ。
    まずはお出汁を作ります。
    あごだしパックをお湯に入れ、クツクツ煮こむと出汁の香りがやってくる。
    カニかまぼこが大量にあり、それをバサッと入れてクツクツ。
    蟹の香りと甘みが出汁に移って途端に味が変わった。
    カニかまぼこって味醂のような甘み調味料がタップリ入っているんでしょうね…、他に出汁しか入ってないのに玉ねぎを煮込んだときのような甘みを強く感じる。
    オモシロイ。

    急いでかまぼこを引き上げて、お椀に盛って冷めぬよう湯煎にしておく。
    鍋にはお餅を投入し、トロトロになるまで煮込んでいきます。
    ドロドロ形を無くす寸前で、白味噌を少々といて風味をつけて、玉子をポンと落として固める。
    チリチリ、白味が暴れるところをスプーンでそっと抑えて形をつけながら、表面叩いて中の感触たしかめながらほどよきところで火を止めお椀にうつして食べる。
    とろりとお餅が喉をなで、玉子を割ると、なんとシアワセ…、黄身がようよう固まる程度の熱の入り方、オキニイリ。
    しっとり出汁を吸い込んだカニカマまるでお麩を食べてるような食感、なんだか不思議なお餅のポタージュみたいな味わい…、お腹もポカっとあったまる。
     

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    朝、銀座で仕事をすることがありそれで「銀座ウェスト」で朝食にする。
    c43b38e1.jpeg数日前に、風邪のおみまいにともらったシュークリーム。
    それを食べてながら、そういえば長い間、ウェストのサンドイッチを食べてないなぁ…、次々、サンドイッチがおいしい店をなくしていくこの東京で、まだ素晴らしいサンドイッチを作ってくれているあの店に行かなくっちゃと、それで今朝のこの訪問。
    ホッといたします…、落ち着くお店。
    いつもにぎやかというわけでなく、ユッタリのどかな空気が流れるお店でしかも朝はひときわ静かでのんびり…、気持ちがやさしくおだやかになる。

    efd20952.jpegしかも背筋がのびる心地良い緊張感もあるのがステキ。
    真っ白なレースのカバーがかかった椅子にアイロンのかかったテーブルクロス。
    銀のお盆に並んだポットにピッチャー。
    サンドイッチ用の塩を入れたケースもすべてピカピカキレイに磨かれていて、見れば椅子の張り生地がちょっと濃い目の色のモノに貼り替えられていたりした。
    古いお店。
    全体的に床が傾いているほど古くて、けれどシッカリ手を入れメンテナンス怠らない。
    だから「古ぼけてない」というのが何よりステキ。

    サンドイッチのセットをたのむとまずはコーヒーがやってくる。
    温かいカップ。
    程よく重たく、けれど取っ手に引っ掛けた指が負担にならぬ程度に軽く感じるカップのサイズ。
    口をつけるとほんのり唇あたたかく、おいしいコーヒーをこれから飲むんだっておいしい予感にウットリします。

    コーヒー自体もとてもおだやか。
    濃すぎず香りが強すぎず、お腹が重たくならないコーヒー。
    最近のコーヒー専門店のコーヒーって自己主張が強くて、一口目には「ハッと」するけど飲んでるうちに疲れてしまう。
    一発芸に秀でた芸人ばかりが重宝されるテレビ時代のコーヒーみたいで苦手。
    豊かな時間のかたわらに、コーヒーがある…、そんなステキを演出してる、甘くやさしくなめらかなココのコーヒー、オキニイリ。

    441a6369.jpegしばらく待ちます。
    コーヒーを一杯お替りするタイミング。
    チリンチリンとベルが厨房の中から鳴って、サンドイッチが仕上がったコトを教えてくれる。
    サービススタッフがそれを合図に厨房にゆき恭しくもやってきたのがこのサンドイッチ。

    真っ白な皿。
    レースペーパー。
    矢車状に盛りつけられたサンドイッチ。
    ココのサンドイッチはハムに玉子、野菜やツナと何種類か用意されてて、それを自由に組み合わせ楽しむコトができるようになっている。
    今日はハムと玉子サラダの組み合わせ。
    パンはライブレッド、トーストしたのではさんでもらった。
    これで玉子が卵サラダじゃなくて卵焼きなら言うことなしのオキニイリ。
    まぁ、しょうがない。
    ココのハムは分厚く、ムッチリ前歯においしくて、しかも肉そのもののうま味が素直に伝わる。
    防腐剤や添加物をほとんど使わず、だから足が早くて普通、喫茶店では絶対使わぬ上等なモノ…、その味わいを活かすよう、マヨネーズやマスタードはほんの少々。
    レタスとハムの持ち味で味わう趣向にいつもウットリ。
    卵サラダも今作ったばかりのモノで、みずみずしくて白味がプチプチ、奥歯で爆ぜる軽快な味がたのしく、レモンを少々しぼると玉子の甘みが引き立ち、キリッとしまる。

    a5226a1d.jpegサンドイッチをひとつ、そしてまたひとつ。
    口に運んで味わって、その度、コーヒーで口を潤しリセットさせる。
    今日のBGMはレスピーギ。
    逝ける女王のパヴァーヌからはじまって、古典舞曲にユッタリ、そして華やかに曲は移ろい朝の時間が贅沢になる。

    それにしてもテーブルの上にコーヒーカップがある景色。
    それがなんだかリズミカルに思えて、よぉく見つめてみたら、なんと。
    カップソーサーの形が正円でなかったことに初めて気づく。
    変わったのかなぁ。
    前来たときは気づかなかった。
    小ぶりのカップが三角形に近い歪なお皿の上で、まるでワルツを踊ってスカートひらりと宙に舞う、踊り子のように見える景色が、なんともキレイで愛おしい。

    銀のお盆の上に並んだシュガーポットにミルクピッチャー。
    ポットの方には銀座ウェストの天使のロゴが刻印されて、一方、ピッチャー。
    無印だけど注ぎ口に対して直角についた取っ手が、ここオリジナルを教えてくれる。
    肘を張らずに小さな仕草で、ミルクをそっと注げる仕組み…、女性が優雅に見える配慮がいつもステキと思います。
    せっかくだからとお替りをした最後のコーヒー一杯に、ミルクをツツっと。
    ミルクを入れるとここのコーヒーは味が劇的にかわるのですね…。
    乳脂肪のやさしい甘味と、ふっくらとした豊かな香り、ミルクも良ければコーヒーも素直な味で違いが互いを引き立ててスッキリとしたミルクコーヒーになっていく。
    あぁ、シアワセと金曜の朝がはじまった。



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    先日、うれしいニュースがココのコメント欄に投稿されて、それで今日は有楽町をグルンと回って出勤をした。
    「はまの屋」というサンドイッチがおいしい昭和の喫茶店。

    7feb54c9.jpg昨年12月23日をもって突然閉店というコトになってしまっていたのだけれど、そこが再開したという…、ならば来なくちゃと早速今日の朝となる。

    有楽町の駅前にある三菱地所の古いオフィスビル…、その地下の昔どおりの場所に昔のまんま、お店は確かにオープンしてた。
    中に入ると家具もそのまま。
    メニューも昔のものよりちょっと商品数は少なくなってはいるけれど、ほぼかつての通りでちょっとワクワクしてきます。

    誰がやっているのかしらん?
    そう思って見渡すと、若い人達。
    みんな今風のイケメンで、喫茶店を志す人っていうよりどうかなぁ…。
    渋谷ベンチャー系の若者たちって感じの風貌。
    それもわらわら4人もいて、こんな小さな、しかも客単価の低いお店がこんなに人が張り付いてても大丈夫なの?ってちょっと心配になっちゃった。
    そういえば、お店の名前がただの「はまの屋パーラー」から「はまの屋パーラー有楽町」という店名に変わっていたのもなんだか微妙。
    もしかしてここの他にもお店を作るつもりじゃないよね…、っていらぬ心配してしまう。
    441d5b3d.jpgそう思って、お店を観察してみるといろんなところが変わっています。
    まず灰皿がなくなった。
    だからか朝、タバコを吸いにやってきていたおじさんたちの姿はなし…、空気はキレイになったけれどニギワイなくしてちょっとさみしい。
    ピカピカのシュガーポットやピッチャーも姿を消して、ガラスのポットに座を譲る。
    キラキラ度合いが減ったようで、やってる人は若いのにお店自体は若々しさや潤いなくした…、なんだかかなりの違和感感じる。

    e4e3cf6d.jpgサンドイッチをたのみます。
    ハムと玉子を半分半分。
    パンはトーストしてくださいネ…、と昔ながらの注文ができるところはなんともウレシ。
    カシャカシャ、玉子をかき混ぜる音。
    ジャジャっと焼く音。
    そのトーストにカサカサ、バターやマヨネーズを塗る音が聞こえてくるのもいい感じ。

    やってきたのは、ほぼ前のまま。
    お皿が若干大きくなって、かつての「こぼれ落ちんが感」がなくなってしまっているのは残念だけど、まぁ、しょうがない。
    さて、いただきますと食べると、あらら。

    違います。
    ハムはおんなじ、レタスのシャキシャキした分量感も同じだけれどパンがまずい。
    それほど焼けていないのに、カサカサ、空気が吐き出され歯をくすぐって邪魔する感じ。
    焼けた玉子は昔のまんま。
    これは見事でウットリするのに、これまたパンが邪魔をする。
    甘いのですね…、パンそのものが。
    しかも噛んでいくうちにどんどんネトネトしてきちゃう。
    前やっていた人たちに、商品づくりを聞いてしっかり再現しているという。
    技術が習熟していないから出来栄えが違ってしまうというならわかるけど、素材選びがそもそも違う。
    これは大きな問題だろう…、とかなりガッカリ。

    ae2b5549.jpg形を真似るコトに関してはいい線いってる。
    一枚を四つ切りにして一切れ一切れが細長い長方形になっているというのは、まさにはまの屋スタイルで、けれど細かなところがまるで違ってる。
    だからなおさら残念で、悔しくなっちゃう…、勿体ない。
    コーヒーの器も変わって、一杯づつペーパードリップで落としてる。
    味はむしろ今の方がおいしくなってて、けれど昔の酸味の強い昭和なコーヒーがなつかしくなる。
    サービスにってビスケットを一枚つけてるんだけど、誰がこんなサービスをウレシイって昔のファンは思うんだろう。

    なにより悩ましいとこが、働いている人すべてにここで生きていこうと言う決意やムードが感じられない。
    まるで大学祭の模擬店みたいなユルサがあって、「商売」じゃなく、「ビジネス」っぽいムードがなんだか流れてる。
    ビジネスの匂いのする場所で、人はホッとくつろげない。
    特に喫茶店のような「憩い」を提供する場所は、どこかとぼけた商売抜きな空気が必要。
    そしてなにより以前のココのおじさん、おばさんの人柄に変わる何かをまだこの店は発信できていないというのが、寂しく哀しさ生む理由。

    ここで生きていくんだと言う決意が店を輝かせる。
    ここで生きてきたんだと言う誇りが店を老舗にさせる。
    ボクの勝手な思い込みかもしれない、けれどいわれなき違和感覚える…、このままだったら昨年敢えて言わなかった「さよならはまの屋」って言葉をいつか、本当に言わなくちゃいけなくなるかもと、それが一番哀しくて、しばらくココはそっとしとこうと思ったりした、月曜日。



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    昼をゆっくり、銀座で過ごす師走の今日。
    銀座ウェストにやってきて、軽いランチをとることした。

    8b379602.jpgここにはいつもキラキラがある。
    白いテーブルクロスに季節のお花。
    お水を入れるグラスには、天使の模様が箔押しされて、水がゆれるとユラリと揺れる。
    フカフカとしたタオルのおしぼり。
    これが最初のお出迎え。

    コーヒーをいただけませんか…、とお願いすると、銀のトレイにシュガーポットとミルクのピッチャー。
    キチッと並んでやってくる。
    どれもピカピカに磨きあげられ、触って汚してしまうのが勿体ないほど。
    シュガーポットの蓋をとり、お待たせしましたとニッコリほほえむ、サービス係の笑顔もキラキラ。

    このキラキラとしたシルバーも…。
    テーブルの上の白いクロスも…。
    イスの背中にかけられた白いレースのカバーもすべて、ココロの贅沢味わってという心尽くしのメッセージ。
    手間もかかるし、コストもかかる。
    普通のお店がいろんな理由をつけて、とっくの昔にあきらめたコト。
    それをずっと守り続けるその情熱と、それを愛するおなじみさんの大人の財布が支え続けているのでしょう…、ウットリします。

    銀座もすっかり年末モード…、昼のちょっと手前の時間で5組ほどの先客ニッコリ、お茶に食事をたのしんでいる。
    サンドイッチをたのみます。

    bb31b158.jpgミックスサンド。
    ココのサンドイッチは具材が3種、ハムに玉子に野菜があってその2種類を自由に選んでミックスサンドになる仕組み。
    ハムと玉子を選びます。
    ライブレッドをトーストしてネ…、とお願いをしてしばらく待ちます。

    お店にやってきたときに、かかっていたのがドビュッシーの子供の領分、第四曲。
    「雪は踊っている」のエンディング。
    注文をする直前に次の曲の「小さな羊飼い」に曲が変わった。
    そしてその一曲分をまるまる聞いて、サンドイッチが来たときに「ゴリウォーグのケークウォーク」が始まった。
    6曲綴りの組曲の最後の曲で、昔、ピアノで弾くのが大好きだったゴキゲンな曲。

    一曲分をまるまる待った、その一曲分の丁寧さ。
    1口半ほどのほぼ正方形に切り分けられて、キレイにキチッと並べられてる。
    薄切りのパン。
    シットリ感を失わぬ程度にトーストされて表面、サクリと軽い。
    中に挟んだハムは厚切り。
    噛むとムッチリ、肉が歯切れる食感があり、そこにレタスがシャキッとみずみずしさを添えてたのしい。
    一方玉子はフックラ、シットリ。
    茹でた玉子の風味もやさしく、クリーミーでカサカサとしたライブレッドにピッタリ寄り添う、いい感じ。

    5872a0a4.jpgレモンを搾ってさっぱりと…。
    とそういう趣向でありましょう。
    これまたキラキラ磨かれた、レモン搾り器がついてくる。

    同じようなサービスをしているお店は結構ある。
    100円ストアに行けば多分、同じようなモノを売ってたりもする…、のだろうけど。
    このステンレスの分厚さ。
    そして造りのシッカリしているところ。
    なにより何度も何度も、シッカリ磨いているのでしょうネ。
    その表面に無数のひっかき傷のような模様がついているとこが、なんだかステキ。
    気持ちがポワンとあったかになる。

    しかもこの器具の中に閉じ込められてるレモンが見事。
    皮の部分をあらかじめ、剥いた月切りレモンが収められてるのです。
    レモンの皮は苦味の素。
    油もでてきて、酸味を雑にしてしまう。
    そんなコトがありませぬよう…、こうしてひとつひとつの皮を剥いて提供するってこの入念。

    かつて帝国ホテルのコーヒーショップで、エビフライをたのんだらついて出てきたレモンの皮がキレイに剥かれてビックリしました。
    そのクオリティーがこんな小さな、しかも街場の喫茶店にて今もそっと守られている。
    なんだか涙が潤んできます。

    8510176e.jpg当然、値段はかなり高級。
    下手をしたらホテルのコーヒーショップのサンドイッチ以上の値段かもしれない。
    けど…。
    今日一日が。
    いや、この一年の残り4日がたのしく元気にすごせるのなら、決して高くはないなと思う。

    それにしてもこの子。
    コーヒー用のクリームを入れておくためのピッチャーなんだけど、普通のピッチャーと形が違う。
    普通、注ぎ口と取っ手は一直線上に配置される。
    ところがこれ。
    注ぎ口の取っ手が直角。
    取っ手の穴に右手の指をひっかけて持ち上げると、自然と注ぎ口が手前にくる。
    小さな動作でミルクが注げる。
    肘を張らずに優雅な仕草が自然とできるところがステキ。
    特に女性がキレイに見える。
    女性の仕草は小さい方が…。
    つまり料理や食器をあまり長距離運ばぬ方が、優雅に見えていいんだよ…、料理や食器選びはそれを考えなくちゃ粋じゃない。
    ココは粋です…、オキニイリ。



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    ちなみに本文中で言及したドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」。
    いい音源がないかなぁ…、と思って探してみたのだけれど、気に入るモノがあんまりなくてあきらめようかと思いもしたけど、そうだ、「GLEE」のジングルで使われている。
    もしかしたらと思って探してみたらばあった…、貼っときます。



    原曲はピアノ曲だけど、そのテイストを上手にいかしたアカペラの曲。
    ドラマの中では場面展開のときに曲の導入部分が使われていて、これを聞くと、新展開にやってくるぞ…、とワクワクするようになんだかプログラムされちゃった(笑)。
    新シーズンもかなり好調、アメリカでもファーストシーズンを上回る視聴率をはじきだしてるというコメディー。
    今、DVDでおいかけてるんだけど、オモシロイです。
    見ながらずっと劇中歌を歌っていたりするほどのオキニイリです、オキニイリ。
     

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