東京駅から日本橋の高島屋に向かう道。
桜の木が大きくはない一車線の道路の両側にズラッとギッシリならんでる。
もう満開もすぎてしまって、風がふくたび、ヒラヒラ花びらが降ってくる…、まるで小雪が舞うようで地面や車の屋根にやさしく降り積もる。
春というのは素敵な季節でございます。
朝をとびきりのサンドイッチではじめよう…、とそれで「ロータス」という喫茶店。
ここの「やきサンド」はどこにも似たもののない類まれなモノであります。
実は先日、ここのお店のサンドイッチを食べたよ…、って人からメールをもらってそれでもうどうにもこうにも食べたくって、その食べたさが止まらなかった。
それで今朝。
にこやかなおばさまがお店にたってて、その人に「やきサンドをください」っていうと、承知とばかりすみやかにお店の奥のドアを叩きます。
おそらく奥には仕込み室のようなモノがあるのでしょう。
「やきサンド、ご注文を頂戴しました」というとドアが開いてそこから寡黙なご主人が出てきます。
やきサンドという言葉がまるで「開けゴマ」の呪文の如く。
そしてしらばく時間がたって、そしてやってくるのがこの一品。
アルミホイルを器にし、中にギッシリ。
どうやったらこれほど薄く切れるんだろう…、って思うほどの薄切り食パン。
具材はキュウリとハムにトマト。
それからチーズというモノで、サクッと焼いた食パンでそれら素材も見事に薄く切られてて挟まれているその熟練の手際にウットリ。
チーズまでもがスライスチーズを使わず手切りで、だから厚いところと薄いところの厚さがまばらでそれさえなんだかいとおしい。
それらを挟んでアルミホイルのお皿にのせてトースターの中で焼いているんでしょう。
表面ほんわか。
しかもとろけたチーズに混じってかたまりチーズのホロッと奥歯に貼り付くような食感がするのがオモシロイ。
ほんの少しのマヨネーズ。
塩で基本の味をつけそれ以外は素材の持ち味で味を作るという趣向。
チーズの旨味に潰れたトマトのジュースが混じってひと噛みごとに口の中がみずみずしくなる。
パンとキュウリの食感が主役で、そこに他の具材が混じって渾然一体。
味わい豊かでニッコリなります、朝のゴチソウ、オキニイリ。
サイドにフルーツ…、イチゴにキウイ、りんご、バナナ、パイナップルと小さな器にギッシリつまってやってくるのだけれど、いやいや、これがまたおいしい。
こんなに甘くてしかも酸味がパキッとしてる。
色も真っ赤で、この色の通りの味がするのがうれしい。
さすがに日本橋であります。
近所のサラリーマンが次々、しかも3人、4人とつれだってくる。
出勤してちょっと今日の打ち合わせって感じでくるのでありましょうか…、そんなところも昭和な感じでニッコリします。
オモシロイのが朝の時間…、朝食セットをとらなくってもゆで玉子がサービスで付く。
このゆで玉子がウットリするほど見事なもので、オレンジ色から黄色にむかってうつくしきグラデーションで茹で上がってる。
プチュンと白味は唇なでて、ツルンとはじけ、黄身がとろけて口をネットリおいしくさせる。
どこをとってもボク好みにて、また来なくちゃってたのしく思う、朝のコト。
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