父が田舎から出てきてて、ひさしぶりに二人で寿司でも食べようか…、と新宿伊勢丹会館の中にある「築地寿司清」にやってきた。
親子二人で肩を並べてカウンターに座る。
隣り合わせで。
面と向かってテーブル挟んで食事をすると男と男の緊張感がどしても走る。
けれど二人で同じ方を見る。
視線の先には季節の魚と、ニッコリしながら寿司を握ってくれる職人さんの笑顔がある。
喧嘩が絶対おきない会食。
オキマリでもなく、オマカセでもなく。
自分のペースで自分の食べたいモノを食べてく。
父が食べたいモノが、ボクも食べたいモノであったりすると、なんだかウレシイ。
ボクがたのんだモノを、「オレも」と父がおいかけ注文するのもまたうれしくて、ついつい、食欲進んでしまう。
昼間あんなにラーメン一杯食べたのに、寿司は別腹。
親子でつまむ寿司はなおさら別腹で、一口ごとに食べたいネタが頭に浮かび、それを次々たのんでお腹におさめてく。
瀬戸内産のシャコがあり握ってもらうとシットリ味わい豊かで香りもさわやか。
今がまさに旬のネタにて今日のは玉子を持たぬオス…、これから玉子たタップリ抱き込んでホツホツポロポロ、まるでからすみ食べてるみたいな風味のものもやってくる。
そういえば、今年最初のシャコだった…、なんだかウレシイ、オゴチソウ。
堅い歯ごたえが特徴的な今の白イカ…、生姜をすって醤油をほどこし、噛めば噛むほど口の中で粘り気を出しネットリしてくる。
蒸したタコは香り豊かで、ムッチリとしたたのしい歯ごたえ。
キラキラ目にもおいしい小肌は、ムワッと口がむせ返るような青い魚独特のコッテリとした香りと一緒にスッキリとした酸味を持って、口の中をサッパリさせる。
フックラ炊いた穴子は一度軽く炙って、甘辛のツメをトロォリ施す…、口の中でホロリとほぐれてネットリとした穴子ペーストになって歯茎にこびりつく。
全てがただしい味わいで、ネタの鮮度もなかなかに良い。
生のホッキがありますよ…、というので握ってもらったら、仄かな渋みと旨みの香り、驚くほどの旨みにハッと驚くほど。
マグロの漬けを握ってもらうと、ひとつはそのまま。
柚子の皮をおろし金にておろしてパパッと香りをつける。
もうひとつには刻んだネギをそっとしのばせて噛むとシャキッと奥歯で潰れる。
ネットリとした漬けマグロ。
その食感を、ネギの繊維が引き立てて、辛味がピリッと鼻から抜ける。
ネギの辛味はわさびの辛味と違って鋭い。
ネギ独特の匂いはせずに、食感、それから辛味だけを借りてマグロをおいしくさせる。
オモシロイなぁ…、って感心します。
茹でた車海老を握ってもらった。
エビはナマより茹でたもの…、だからかなり期待したのだけれどちょっと水っぽい。
茹でたてじゃない。
まとめて茹でて冷ましているから、エビ独特の甘みや香りがなくなっていた。
これが残念…、勿体ない。
中トロを芯に巻いてもらった鉄火巻き。
それから〆にかっぱをたのむ。
すると一言…、「キュウリは細く切りましょうか、それとも太いままにしますか?」と聞いてくれるのがなんともうれしい。
当然太いの、胡麻を少々足してくださいとお願いをして、出来上がったのが想像通りにみずみずしくてカリッとは切れて口の隅々、スッキリさせる。
父との会話も盛り上がり、仲良くお腹を満たしてまたね…、とあとにする。
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ココロおだやかになる動画を一本、貼っておきます。
Time is Nothing // Around The World Time Lapse from Kien Lam on Vimeo.
世界17ヵ国を343日で旅し、その旅の途中で撮ってきた6237枚の写真をつなげて微速度撮影映像として再編集したこのビデオ。
この動画を作成したKien Lamさん。
仕事を辞めて、ロンドンまでの片道切符を買い、長い旅をスタートさせたその旅の一部始終は彼のウェブサイトに紹介されてる。
http://kienlam.net/around-the-world
このサイトがまた素晴らしい出来栄えで、自己紹介のコラムに「いまだにリチャード・ブランソンから宇宙旅行に招待されるコトを待っています」とかいてたりする。
彼なら宇宙をどう撮るんだろう…、ってそんなふうにも思います。
[8回]
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