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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    HN:
    サカキシンイチロウ
    年齢:
    64
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    新宿で友人と一緒に一杯飲もうか…、と、それで街をぶらぶら歩く。
    bc1f2ce6.jpegひさしぶりにきた週末の夜の新宿。
    スゴイ人出で、どこか適当な居酒屋をと、何軒か心当たりの店をまわるもどこも満席…、そうか、給料後の金曜、しかも春に向かってどんどん気温もあがってきている。
    人の気持ちも財布の紐も、ユッタリゆるんできているのでしょう。
    さて、こまったぞと思って尚も歩いていたら、ちょっと意外な光景をみる。

    c5995f6d.jpegでめ金というお店があって、これがかなり繁盛している串揚げ屋さんなんだけど、そこのお店の前にお店の人が立ってる。
    若い人。
    パリッと白い調理人の格好をしてニコニコしながら「串揚げで一杯、いかがですか?」と。
    暇なんでしょう。
    こんなコトをしなくちゃいけないようなお店じゃなかったのに。
    どうしたんだろう…、と思いながら、それでもちょっと揚げ物はなぁ…、と。
    街をぶらぶら、お店を探して歩いてた。

    でも、気になったんですネ。
    大手居酒屋チェーンの人たちが大声上げて慣れた手管で客を呼び込むようなやり方じゃなく、ただただニッコリ、笑顔で道を行く人に挨拶している「あの人」のコトが気になってそれでお店に戻って、暇なんですか?と。
    今日はなぜだか予約がまるで入ってなくてと言うので、それじゃぁとお店に入る。

    気持ちのいいお店であります。
    カウンターだけ…、カウンターの中には当然、キッチンで揚げ場の上に「でめ金」と刻印の入った立派なダクト。
    油をずっと炊いているにもかかわらず、空気がキレイで、どこもピカピカ。
    無口なご主人が、ニコリとこちらをむいて何にいたしましょうか…、と、あぁ、来て良かったなぁってこちらもニッコリ。

    6e50a098.jpegココはお任せでお願いするのがまずは安心。
    キャベツや野菜スティックがお替り放題。
    それに季節の串が5本ついて2500円というのを基本に、それから一本追加するごとに150円が加算されてくというシステム。
    「止めてください」と言うまで次々、目の前に揚げたての串がやってくるという、この上も無きシアワセシステム。

    季節、季節でネタは当然変わってけれど、いつやってきても必ず最初にやってくるのが、牛ロース肉の串揚げと、エビを大葉で包んだ串揚げ。
    牛のロースはベリーレア。
    エビはプチュンと、みずみずしさを残したままでやってくる。
    ソースをつけたり、塩で食べたり、あるいはレモンと味が次々変わっていくので、揚げ物ばかりのはずなのに、いろんな味がたのしめる。

    なによりキャベツ。
    これがおいしく、口直しにちょうど良い。
    甘くてシャクッとみずみずしくて、口の油をキレイにサラッと洗い流してくれるのですね。
    陶器のカップにまるでバラの花が咲いてるように盛られて、どうしたらこんなにキチッと入るんでしょう…、一枚、そしてまた一枚と食べても形が崩れない。
    野菜スティックもニンジン甘く、キュウリはシャリッとみずみずしくて、大根までもが甘みをもってる…、専門店の底力。

    めくるめくような串の世界がボクらをやさしく襲います。
    f9741df1.jpegここの定番ネタのひとつがアスパラガス。
    串で刺しているわけではないので、正確には串揚げではないのだろうけど太くて立派なアスパラガスを一本丸ごと一本、パン粉をつけてあげてタップリマヨネーズ。
    それから手羽元…、骨はそのまま、身を一旦、はがして中に鶏のひき肉を詰めて形を整え揚げたモノで、歯で軽くしごいただけで肉がスルンと剥がれるところがビックリ、おいしい。
    それから豚肉とセロリを揚げたモノでこれは、セロリの香りが鼻から抜ける、食べるとお腹がスキッと再びすいてくる、不思議なレシピ。

    29389735.jpeg串揚げの花と言えばエビであります。
    ココはそのエビを手を替え品を替え揚げる。
    クルンとまるまる小エビにみょうがを抱かせたモノや、当然そのまま揚げたりと、その揚げ方でエビの食感、風味が変わってオモシロイ。

    茄子の肉詰めを甘酢で食べたり、味付けごぼうを穴子でうるんだものだとか、ソースや塩でない味わいもまたオモシロク、筍の季節ですからと、筍の土佐煮を揚げたものまであった。
    イイダコ。
    それから蟹のすり身をサヨリで巻いて、アルミホイルでくるんで揚げたりと、熱した油をオーブン代わりにしたような料理もこれまたココオリジナル。

    野菜が沢山食べられるのもウレシイところ。
    ベーコンでまいたジャガイモや、蓮の穴にカレーを詰めたモノ。
    オクラとチーズの組み合わせは、どちらもトロンと粘って旨い。
    小玉トマトを丸ごと揚げたモノはトロンとトマトがスープのように口の中へと流れこむ。
    それにしてもパン粉衣の薄いこと。
    まるで玉子の殻のよう。
    こんなに薄くて、それでも破けず中の素材を包み込んで美味しくさせる。
    人の手の作りだしてくすばらしき、おいしい世界にウットリします。
    そろそろ止め…、と言ったらばうずらの玉子を揚げた串が最後にやってくる…、噛むとカサッと衣が壊れてプチュンと白味、そして最後にトロンと黄身がほとばしり出る。

    e779fb61.jpegあぁ、おいしい…、本当はまだまだ食べたく食べられそうで、でも調子にのるとお医者様から叱られそうで、それで手を打つ、大人だね(笑)。

    食べ終わった串を突っ込むための容器。
    でめ金の形の陶器で、その口が串で一杯になるのがたのしい。
    何本食べたか、これを数えればいいのだけれど、怖くて数えられなくてそのままお店の人に手渡す。
    ココの勘定システムは古典的にして、とても簡単。
    食べたモノは串の本数を数えるだけ。
    飲んだ飲み物は値段に応じたカラーパネルがカウンターの上に並ぶ。
    瓶のビールを飲んだときには、その栓が置かれてとてもわかりやすい。
    お金のかからぬこうしたシステム。
    いいな、と思う。
    かっこいい。

    お勘定をしている間、パイナップルを食べて待つ。
    ココのデザートはいつもパイナップルで、これがおいしい。
    どうやって甘さを見極めてるんだろう…、って感心するほどいつも甘くて口もお腹もスッキリしてくる。
    ボクらが入ったときには2組。
    食事をしている間に新たに3組がきて、なんとかお店がにぎやかになる。
    次々、串があがってくカラコロおいしい音を聞きつつ食事をするのはやっぱりたのしい。
    来て良かったな、とおもう夜。



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