銀座を代表するフランス料理のレストラン、レカンが新しいお店を出した…、新しいコトをしようとしててオモシロイよというのでランチでもと、探してきました。
そしたらなんと、ビルとビルの谷間の小さな敷地に立派な一戸建て。
しかも角地でお店の片側がテラスのようなしつらえという、よくもこんな場所を見つけたものだなぁ…、って感心します。
1Fがカフェ、2Fがレストランというヨーロッパ的な店の構造もオモシロク、お店に入る前から気持ちが盛り上がる。
「ルシャスリヨン」とカタカナにするとどこで区切りをつければいいのかわからない。
「ル・シャ・スリヨン」でござって、ニコニコしている男の子の猫とでも訳しますか、ボクもニコニコしながら店のドア開け、ウレシイことに店全体を眺める席に案内される。
カジュアルです。
明るく清潔。
店の一番奥には厨房、けれどクローズされてはなくて料理ができる気配が表に伝わってくる。
白い壁。
厨房手前に黒板があり、緑の椅子がとても明るい。
ビストロとカフェの中間みたいな感じ。
パスタやキッシュがメインのカフェ的ランチと、メインディッシュを選べるランチがあって、せっかくだから魚を選んで贅沢をする。
まずはスープとサラダが来ます。
サラダボウルが真っ赤な陶器。
他のテーブルをみてみると、黄色いボウルやオレンジ色のボウルが並ぶ。
カラフルないろんな色のボウルを使ってテーブルの上を明るく演出する工夫。
気持ちがくつろぐ。
誰かと来てたら会話がここで一気にすすむに違いない。
オリーブオイルのドレッシングを軽くまとってトスされた、シンプルだけど味わい深い野菜がおいしい。
スープはかぼちゃのポタージュで、これがコックリ。
ポッテリとしてまろやかで、舌から喉をユッタリ流れて甘いおいしさ撒き散らす。
お腹がググッとすいてくる。
メインディッシュが運ばれてくる。
あぁ、ちょっと残念だなぁ…。
それまでカラフルだってテーブルの上が途端に普通のビストロになる。
クラシックなお花の柄がリムにプリントされた皿。
もしかしたら、閉店しちゃったロティセリレカンで使ってたお皿をそのまま使ってるのかなぁ…、って思う。
見たことあるモノ、このお皿(笑)。
料理はしっかりしています。
皮目をパリッと焼き上げて、その焼き上げたバターをキレイに回しかけつつ仕上げた魚。
フックラとした身はみずみずしく、ほどよき加減に熱が入っている見事。
ソースはかなり軽い仕上がり。
オリーブオイルにハーブにビネガー。
ドレッシングのような味わいで、魚の持ち味を壊さない。
料理自体は新しいのに、それを盛り付けるお皿が古い。
それだけちょっと勿体ないけど、むしろ真面目で真摯な料理に対する姿勢の表れ…、って考えるならこれもまたよし。
サービスも、さすがレカンゆずりであります。
粋で正確、とは言えベタベタしたところがなく必要なときだけキチッとおさえてさみしい気持ちをさせぬ大人な配力がうれしい。
パン皿つかず、これまたカラフルなバスケットの中にやってくるおいしいバゲット。
レカンのパンは昔からおいしかったけど、これもパリッと小麦の焼けた香りも上等。
それをお皿の上で割りつつ、一口、そしてまた一口と食べ進めるうちお皿の上が散らかってくる。
魚の下にはグリーンピース。
ベーコンと一緒にソテして甘く仕上げたモノでホツホツ歯ざわりたのしくて、菜花もシャクシャク。
付け合せというよりも、野菜の料理という感じ。
一口ごとにお皿の上の景色が変わっていくのが、フランス料理を食べる醍醐味。
本当に上等のお料理は、食べて景色が変わっていってもずっとキレイであり続ける。
今日の料理はそんな料理で、来て良かったとしんみり思う。
黒板に書かれた夜のメニューをみるとたのしい料理が沢山ありそう。
注文してから仕上がるまでに2時間もかかるチーズスフレ!なんていうのがあったりもして、タップリ時間をかけてワインをたのしんでくださいな…、ってメッセージのように思えてニッコリ…、今度は夜に来てみよう。
食後のコーヒーをたのしみながら、テーブルチェックをするというこのスタイルも様になる、こうしたお店が銀座にあるってなんてステキなことだろう。
銀座マダムな女性同士のお客様、落ち着いた年齢のご夫婦さまとかあるいは男性一人のお客様と、多様な人がやってくる。
真新しくてステキなお店に出会うと、気持ちがスキッと明るくなります、さぁ、仕事。
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