ボクなんてDVDを何度も借りて、どうだろう…、もう10回位みてるかなぁ…。 怖いというより切なくて、「あの映画」のような最後の謎解きで、それまで見てたすべてを巻き戻しながら謎解きしていく仕掛けも見事。 韓国映画に共通の、音楽の使い方も流麗にしてゴージャスで、胸をギュッとつかんでくれる。 珍しいコトに日本、アメリカで公開された時にもポスターのデザインはほぼ同じ。 タイトルだけが日本語版は箪笥、アメリカ版は「A tale of two sisters」。どちらも見れば納得で、物語の揺ぎない方向性がわかろうものです。
最初は戸惑う。ほとんどの設定、前提が説明されずいきなり物語がスタートし登場人物がしゃべりにしゃべって、言葉、字幕を追いかけるのに難儀する。 ところがそれらが腑に落ちると、グイグイ、話にひきづりこまれる。いい具合に乗ってきたぞと思ったら、今度は哲学的な話やら、相対性理論に物理学と重たい言葉が次々やってきて、突き放される。その連続。 そのうち、もしかしたらこうなっていくのかも…、と思った通りに話は進む。おそらく物語りの方向性より、その描写の仕方自体を見せたい映画なのでしょう。 何しろアメリカのポスターにある「If you can go beyond, you can go back」というキャッチフレーズが、もう完全なネタバレですから。
原題は「The young and prodigious T. S. Spivet」…。若くて、しかもとてつもないTSスピヴェットとでも訳しますか。 とてつもなく頭のいい10歳の男の子が、驚くべき発明をして、その表彰式に一人でアメリカ大陸横断冒険旅行をするというロードムービーの形をとってる。 けれど監督らしいウィットと風刺がきいていて、しかも切ないほどにうつくしい映像表現にウットリします。