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2024/11/29 (Fri)
一滴八銭屋にて昼うどん
昼を新宿、
一滴八銭屋
にて。
夜は居酒屋のように使えるうどん屋さん。
讃岐うどんを〆に楽しむ居酒屋の走りのような店で、結構有名。
とは言え厳密に言えばここのうどんは讃岐うどんとは違ったうどん。
麺も出汁も讃岐のうどんに最大限のリスペクトをはらいつつ、この店独自の進化をしてる。
けれど十分おいしくて…。
だから楽しいうどんになっている。
本場のものとはまるで違ったものだけど、ボクはそれでいいんだろう…、って思います。
たとえばイタリア生まれのスパゲッティも日本で独自の進化を遂げて、結局世界で有数のパスタ文化を作ったように、讃岐生まれが東京でご馳走料理に生まれ変わった。
それがいいんだ…、と思います。
結構繁盛しているお店で夜はなかなか席が取れない。
昼もちょっと足が遠ざかっていて、二年ぶりくらいでしょうか…、久しぶり。
次の仕事の都合で開店と同時に飛び込み、それで茹で立て。
いい状態にてたのしめる。
ここの名物、黒肉うどんを昼にする。
イリコとカツオでとったお出汁に甘辛く煮た肉の煮汁をタップリ混ぜて、それでスープが黒くなる。だから黒肉。
すき焼きの後のうどんようなそんな味わい。
うまいです。
ネギに山椒をタップリほどこし、香りも爽快。
何よりうどんの麺が独特。
讃岐の麺はズルズルすすってそのなめらかな喉越したのしむ料理であって、けれどココのは太くてちょっと重たくできてる。
箸で一本つまみ上げ、モグモグたぐる。
噛みしめるながら味わう麺で、歯ごたえ、コシも力強い。
だからコッテリとした甘い出汁にも負けずにおいしく味わえる。
顎うごかす分、お腹いっぱいになったような気もしてくるのが、うれしいトコロ。
季節の揚げ物…、というコトで「カキの天ぷら」をトッピングする。
大ぶりのポッテリとした上等のカキ。
ベーキングパウダーを粉に混ぜ、だからザクザク、歯ごたえたのしい天ぷら衣がとても軽快。
中に包まれやさしい熱が入ったカキがふっくら、おいしい。
衣の軽い歯ざわりと、カキのはかない食感がそれぞれ引き立て互いをますますおいしくさせる。
衣の中に味がほんのりついているので、そのまま食べても十分おいしい。
けれどうどんのスープにとポッと浸してやると、衣がジュワッと出汁を含んでネロンととろける。
温前菜でよくやってくる温かいカキのゼリー寄せみたいに思える、ちょっとたのしい上等な味。
ここで待ち合わせして後からやってきた人もたのんだうどん。
タップリのわかめと一緒にプカプカ浮かんだ、エビ竹輪。
エビを殻ごとすり潰し、豆腐と合わせて竹輪状にして焼き上げた、海老色をした讃岐の名産。
あまりにこれが懐かしくって、写真を撮らせてもらった上に、半分もらう。
ジャリッと時折、奥歯を触る砕けた殻の食感、香り。
出汁を吸い込みちょっと即席おでんのようになって、シットリおいしい。
ちょっと田舎を思い出す。
それにしても今日は暖かい。
コートを着ないで出てきはしたけど、冬のスーツじゃそれでも暑い。
早足すると汗ばむほどでなんだかショーツになりたいような…。
春が予行演習しているみたいな、そんなホノボノ。
明日は夜から寒さがまたぶり返す…、風邪召されませぬよう、お元気で。
[0回]
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2010/01/20 (Wed)
丸の内リム:和
Comment(8)
新宿、富士一、定食の夜
夜、新宿で定食。
ガッツリ、気軽なお腹一杯を手に入れたくて、それで定食。
新宿の紀伊国屋近くの「冨士一」って店。
それにしても最近、いわゆる定食屋さんと呼ばれるお店が少なくなった。
特に魚がおいしい定食屋。
焼き魚があって、分厚い切り身の鯖の味噌煮がおいしくて、ついでにイカや帆立のフライが追加でたのめたりする気軽なお店。
絶望的に少なくなった。
刺身なんかなくていい。
かわりにコロッケ。
豚の生姜焼きやハムエッグ、ポテトサラダなんかがあれば、それでお腹はシアワセになる。
おいしいご飯に熱々みそ汁。
それに陽気なおばちゃんの笑顔があればいうコトなし。
見事にココはそんな店。
厨房の中におじさんとお兄さんがいて料理を作る。
表でおばちゃんが注文を取る。
忙しいときはたまには厨房の中で手伝うけれど、基本的にはお客さんの気配り係。
でもって彼女の陽気なコトったら、いらしゃい!って言われたら、どんなときでも笑顔になれる。
元気をもらえるステキなお店。
鯖の塩焼きの定食もらう。
皮がブクブク、火膨れのように盛り上がってはめくれる姿がおいしい予感の見事な鯖焼き。
箸で取り上げ口にいれると、脂がジュワッ。
青い魚独特の強い匂いが焦げた脂の香りと混じってほどよい風味になるのがおいしい。
熱々みそ汁、タクワンコウコに味付け海苔。
日本の西からやってきたボクにとってはこの味付け海苔が何気にうれしい。
そういやお店のおばさんの言葉の端々に関西訛りが混じるところが、ここのお店のアイデンティティを教えてくれる気がしちゃう。
付き合ってくれた友人は、肉ショウガ炒めの定食をとる。
ショウガ醤油でカリッと炒めた豚のばら肉。
それを千切りキャベツの上にどさっとのせる。
ここの料理は千切りキャベツと一緒にくるのがほぼデフォルトで、脂や油やタレや醤油をキャベツが吸ってそれまでシッカリおかずになる。
たとえばシュウマイ。
小さな肉の焼売をカリッと揚げる。
全部で10個近くはありますか…。
シュウマイだけで食べるのもいいのだけれど、千切りキャベツと一緒に食べると油がサッパリ。
シャクシャクキャベツのみずみずしさが、乾いた小麦の皮と見事な相性で食べ過ぎちゃって困るおいしさ。
それにしても小さなシュウマイ。
揚げて食べるのが多分一番おいしい食べ方。
昔からうちでシュウマイを作るときには、まず揚げる。
お弁当にもおいしいし、なにより手間がいらずにご飯のおかずにしっくりとくる。
大きなシュウマイを蒸して食べるのは中国料理のお店でね…、ってそんな役割分担があったような気がします。
ここの料理は家庭の料理。
だからこのシュウマイもカリッと揚がっているのがなんだか居心地が良い。
も一つ追加でハムエッグ。
よく焼いてね…、ってお願いしたらほんとによぉく焼けていた。
白身がカリカリ。
かなりに熱が入ってて、端がフリルのようになってる。
ハムの表面もコンガリ茶色。
油がジリジリ焼けていく音が聞こえてくるような焼け具合にて、ウットリなった。
しかも玉子の黄身のところがこんもりしてる。
割って中をのぞいてみれば、中までしっかり火が通ってて黄身はシットリ。
白身はプルプル。
テーブルの横にソースと醤油が置かれてて、迷わず醤油をツツッとかけてご飯にのっけてパクッとやった。
お腹が喜ぶ。
「お腹が満足」と書いて満腹…、満タンだけじゃない今日の夜。
お店の前のさくらやはとうとう時代と景気に負けた。
ここのお店は絶対負けずにがんばって…、ボクも一緒にがんばりますから、ってそんな気持ちになりました。
[0回]
2010/01/16 (Sat)
丸の内リム:和
Comment(0)
新宿、でめ金、串揚げの昼
昼、新宿にて串揚げランチ。
「でめ金」に来る。
去年出会って、たちまちお気に入りになってしまった、けれど昔からずっとココで頑張っていたこの街の店。
新しくできたお店ばかりを追いかけてたら、多分、未だに巡り会えていなかった。
間口の狭い鰻の寝床で、小さい上に目立たない。
けれど今日もお店の中はギッシリおじさんサラリーマンで一杯で、みんな黙々、串揚げ頬張る。
程よいお店。
カウンターにテーブルひとつ。
全部で20人も入ればもう満席。
夜はカウンターにちょっと小高くしつらえられた仕切りの上に、小ネギがどっさり、まるで生け花みたいにグラスに生かって彩り添える。
そこに昼間はランチ用の盛り皿が乗る。
ズラッと並んでせん切りキャベツと野菜を頂き、串が揚がるのを待っている。
豚ヒレ肉を串揚げにしたランチであったり、今の季節の牡蛎の串揚げ。
今日のネタで一番おいしいところを揚げてもらった日替わり串揚げ。
それにご飯と汁がつく。
パチプチ油の、はぜる音。
カラコロ具材が水気を吐き出す気配の音。
油のおいしい匂いと共に、串揚げランチがやって来る。
具沢山で、盛り沢山。
カボチャに、玉ねぎ。
茄子の肉詰め、メゴチにエビ。
うずらの玉子がプチュン、プチュンと口の中ではじける食感がなんともたのしい。
鶏ささみ、しいたけの傘にエビを仕込んだエビしんじょと、食感、味わい、風味もそれぞれ独特の串カツがずらっと並んで揃う。
具材は天ぷら。
けれど揚がった姿と味はフライという、ハイブリッドで粋な食べ物。
香りの強いモノにはネギを細かく刻んで、マヨネーズと一緒に和えたディップをたっぷりのっける。
それ以外にはソースをトプッとつけて、串をつかんでググッと食べる。
しばらく串揚げそのものの味をたのしみそれから串を箸に持ち替え、ご飯を食べる。
右手が串と箸の間をいったりきたりするのにちょっと手間取って、とんかつなんかの普通の揚げ物を食べるよりも時間がかかる。
その分、ユックリ味わえる。
この独特のタイミングが串揚げランチの特徴ですな…、おもしろい。
つやつやとしたキレイなご飯。
汁は豆腐とわかめから好みを選べて、今日はわかめ。
揚げ物の味に負けないちょっと濃いめでこってりとした汁もおいしい。
みずみずしくて食感シャクッと鮮やかな、千切りキャベツに大根、ニンジン、角切りキュウリの野菜スティック。
揚げ物油をキレイにスキッとぬぐい取る。
考えてみれば、具材もほとんど野菜素材で、揚げ物なのに健康的なモノでお腹を満たした感じ。
なかなかに良い。
オゴチソウ。
小さい店ゆえ、油の匂いが服につくのはやむを得ぬこと。
おいしいものを食べた…、っていう、名残を身に付け外に出る。
[0回]
2010/01/15 (Fri)
丸の内リム:和
Comment(2)
新宿周りの新春の朝
年も変わって通勤途中の新宿の空。
駅西口のロータリー。
地下のようでいて、
けれどズッと歩いていると同じエレベーションで地上に出る。
不思議な構造。
アップダウンが激しい地形。
地下鉄でさえ、
うっかりしてると地下から地上に顔を出す関東平野ならではの地形
の中でも、
ココほどシームレスに地下と地上がつながっている場所は他にあん
まり考えつかない。
西新宿が淀橋浄水場だった時代の名残り?
巨大なプールのごと掘り下げられた地形をそのまま活かしたんでし
ょう。
地上に顔を出した途端に、
視野一杯に超高層ビルの森がそそりたつ。
まばゆいばかりの景色の変化に、頭がちょっとくらっとするのが、
東京っぽくってボクは好き。
特に駅を出てタクシー乗り場の前あたりから空を覗くと、
地下に車を飲み込んでいく円弧を描く取り付け道路がスパッと切り
取る丸い空。
竹で編まれたみたいな不思議なビルに、昔からあるスバルビル。
そして青空。
いつもと同じ景色ではあれ、年が変わると新鮮です。
そして天金。
朝ご飯。
昨年のボクの中ではビッグニュースだった「豚汁定食」。
商品構成を変えることに臆病なほどに正直で実直な店が、
ひさしぶりに導入した新商品。
大根、ニンジン、千切ったこんにゃく、それに豆腐と具沢山。
油で一旦、炒めて出汁で煮込んで作る。
だからお椀の表面に油がキラキラ浮いていて、
それが蓋して温度がずっと下がらない。
ふうふうしても尚熱く、
ススっと啜ってあわててご飯を口の中へと放り込む。
それで温度を下げないと、
ベロベロ皮が剥けちゃうほどにホットなお汁。
寒い冬にはこのあったかがありがたい。
ジックリ煮込まれた豚のバラ肉。
生姜の風味をそっとやさしく忍ばせた、味噌の風合い。
ちょっと甘くてコッテリしてて、
豚汁ってなんでこんなに白いご飯にピッタリなんだろう…、って。
おかずでもある。
汁でもあってタンパク質に食物繊維に味噌のミネラル、
それからビタミン。
「完全食」って言う感じ。
一緒にしらすおろしと冷や奴。
豆腐はいつも同じ味わい。
ここの奴は生姜がタップリのっかっていて、
まるでハーブ料理みたいになるのがオキニイリ。
しらすおろしは来るたび味が微妙に変わる。
しらすの大きさ。
大根おろしの素をなしてる大根そのものの味わいが日々変わるから
しょうがない。
今日はしらすは太りすぎてなく痩せてもなくの、
程よいサイズが揃ったシラス。
辛味が少ないちょっと甘めの大根おろしもなかなかに良く、
とても上等な味がする。
大根から出る汁もタップリ。
醤油をかけず、
七味唐辛子をちょっとふり辛さをたよりにシャクっと食べた。
大根おろしの甘味が引き立つ。
お腹がシャキッと目を覚ます。
[0回]
2010/01/06 (Wed)
丸の内リム:和
Comment(0)
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