ボクの街、四ツ谷三丁目のコトをもっと探検してみましょう…、と、前からちょっと気になっていたお店に来ます。
「花てまり」という店。
ちょっと贔屓にしていた「紅とん」って居酒屋の2階にある店。
かなり真面目な信州料理を出す店で特に鶏の山賊焼きという郷土料理がおいしいという。
ランチタイムには、その定食でかなりの賑わい呈しているとも聞き、一度は経験したくてそれで…。
外階段をトントン上がって、入り口の前に立つと「あれっ?」。
信州料理がおいしいという前情報から、居酒屋風の店なんだろうと勝手にボクは思い込んでた。
けれどドアはまるで赤坂あたりにあるバーみたいなしつらえ。
どうしようかとちょっと迷ったけど、まぁ、いいやとドアを開けると、お店の中はスナック風でありました。
ソファー席にブース席。
何しろテーブル同士の仕切りがステンレスの細かな鎖をのれん状に仕立てたモノです。
鎖の向こうに小林旭がくわえタバコで座っていても、決して不思議じゃない空間。
一番奥にはカウンター。
カウンターの中に女性がひとり。
彼女が多分、お店の女主人なんだろうと思うのだけど、60半ばのつやっぽい人。
常連らしきおじさんたちとの会話の仕方。
内容も、飲食店というより飲み屋さん的感じでありまして、「あぁ、やっちゃったか」と最初は思った。
けれどそのオジサンたちが食べてた料理が、どれもなかなかおいしそうで気を取り直し、料理をたのんでためしてみます。
信州の新鮮な山芋を使った料理が自慢だという。
とろろご飯や、サラダドレッシングにとろろを使ったモノだとか。
山芋の刺身にそれから竜田揚げと、いろんな山芋料理が全部で20種類近くも揃ってる。
料理のどれもが魅力的。
しかも創作料理っぽさのない、本格的な和食的なる名前がついてて、ちょっと安心。
しっかりとした調理人が作ったメニューのように感じて、ホッとする。
そんな中でも一番の売り。
メニューの一番、最初のページにのっていた「お好み焼き」をたのんで食べた。
楕円形の大きな鉄板。
そこにタップリ、たしかにお好み焼き状のモノが隅から隅まで満たして焼けてる。
グツグツ。
上に乗っけた鰹節がヒラヒラ揺れる。
お好みソースの味や香りが香ばしく、食欲そそるまさにお好み焼きなんだけど、箸で掴むとツルツル滑る。
粉をまるで使っていない。
超千切りにしたキャベツだけが具材で混じって、だからトロトロ。
口の中に入れるとしたたか熱くって、ハーハーしながらしばらく味を味わうと、みるみるうちにとろけて消える。
スベスベ。
しかもなめらかで、食べても食べてもお腹がもたれぬオモシロさ。
いいんじゃないのと、思っていたらばやってきたのが今日のお目当て「山賊焼き」。
「焼き」というのに揚げている。
もともと最初は、フライパンにタップリの油をいれてそこで揚げ焼きしていたんだというモノで、だから今でも山賊焼き。
鶏のもも肉。
大きな鶏のモモでしょう…、それを薄く開いて伸ばし、タレに浸け込み味、染み込ます。
かなり特徴的なタレであります。
ニンニク風味がタップリで、若干甘い。
味醂甘さがコッテリとした風味をつくり、醤油と混じって香ばしくなる。
片栗粉をタップリはたいて、それでサクッと揚げていて、表面サクサク。
噛むとザクッと歯切れるおいしさ。
肉はシットリ。
タレを吸い込みみずみずしくて、しかも風味がかなり良い。
「This is KARAAGE」って味がする。
噛めば噛むほどタレのうま味と脂のコクが口いっぱいに広がって、クチャっと肉が潰れて歯切れる。
これをおかずにご飯を食べたら旨いだろうなぁ…、って。
だからランチがにぎわって当然だなぁ…、って納得します。
一緒にやってきた友人なんて、一口食べて「こりゃ、ハイボールと一緒に食べなきゃ勿体無い」ってお店の人に追加の一杯、注文してた。
いやいや、旨い、感心しました、この料理には惚れました!
そしてもひとつ、気になったモノ。
「野沢菜漬けのかき揚げ」っていう、料理があって、これまた試す。
名前の通り、かき揚げです。
千切りにんじん。
それから野沢菜漬けが具材で、箸で崩すとまさに漬物。
噛むとホロッと衣が壊れる。
中から漬物が転がりだしてやってくる。
野沢菜漬けの塩味と、ほんの少しの酸味をたよりにたべるのだけど、シャキシャキカリカリ。
歯ごたえたのしい。
これをうどんにのっけたら。
あるいは冷たい蕎麦にのっけて、それで食べたら旨いだろうなぁ…、って。
オモシロイのが、おそらく漬物パワーでありましょう。
発酵酵素が油を相殺しているようで、沢山食べても胃もたれしない。
それがなんだかたのしくて、パクパク食が進む夜。
今日は週末…、女子会かなにかでありましょうか?
30代は前半の女性のお客様がグループ成してやってくる…、高級料理店にありがちな堅苦しさが無い上にお洒落でちょっと変わってて、会合使いにはいいかもネ。
そういえば、ずっとアシッドジャズがかかっていたのだけれど、コレって一体、誰の趣味でこうなったんだろう。
趣味の問題って聞き流すにはあまりに濃厚…、コッテリとした濃厚空気に満たされた不思議な空間…、オモシロイ。
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