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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    ひさしぶりに横浜、港南台でおいしい仕事。
    cowbell.jpgずっと昔からおつきあいいただいている「リストロ・カウベル」というお店に来ます。
    ボクが田舎からこの東京にやってきたのが高校生の頃のコト…、住んだ場所が鎌倉界隈でそこでそのとき一番おしゃれで、一番贅沢だったレストランがこのカウベルだった。
    ステーキとハンバーグがおいしいお店で、そこに行くと家族みんなが仲良くなれた。
    ファミリーレストランが沢山できて、ハンバーグとかステーキとかが贅沢な料理としての座を勝手に降り始めたとき、それじゃぁ、行けないというコトで、イタリア料理やビストロ料理をメニューにくわえて、ゴチソウレストランとしてのイメージを徹底的に追求し続けた。

    ee7c503d.jpg今でもかつての贅沢で上等なイメージが色濃く残ったファミレスではない独特な店。
    リストロっていうのは、レストランの気軽さとビストロの専門性を同時にたのしむコトができるお店になれば…、と名付けた名前。

    前菜料理やサラダにスープ。
    どれも手作りでパスタも上等。
    今日のパスタは九条ねぎとイワシのペペロンチーノ風味の塩味。
    見事なアルデンテに仕上がっている麺。
    トロトロになるまで炒めて甘みを出した太くて立派なネギに、小ぶりだけれど、プックリ太った新鮮なサーディン。
    専門店的仕上がりで、これをメインに食事をするのも悪くない。

    それからピザ。
    ピザ窯を持ったステーキのおいしいお店というのも珍しい。
    けれどシッカリ、本格的な釜で焼かれたイタリア風の薄焼き生地。
    特にカルッツォーネが今の売り物。
    大きな生地に具材を詰め込み、パタンと2つ折にした、だから心置きなくタップリ具材をたのしめる。
    今日のカルッツォーネは、生ハム、それから中にはタップリ千切りキャベツ。
    キャベツのシャキシャキした歯ざわりと、チーズのトロリ、ハムのネットリと異なる素材が混じり合う、初めて食べる新食感がなんともステキで笑っちゃう。

    ピザを目の前で切ってくれるサービスは、いろんなところでやっているけど、テーブルの上で仕上げるハンバーグがあってもいいじゃない…、と。

    88a3e621.jpgそれでカマンベールチーズのハンバーグ。
    まもなくデビューの新商品の試食をします。

    牛肉パテをフックラ焼いたハンバーグ。
    そこにグリルして甘みを出した厚切りトマト。
    カマンベールを半個分、軽くグリルして中まであっためたのをのせてテーブルに持ってくる。
    目の前で、ガスバーナーでチーズの表面を焼いていく。
    みるみるうちにチーズがブクブク沸騰してきて、焦げ色ついてチーズの匂いがポワンと漂う。
    荒挽き胡椒。
    最後にトマトソースをかけまわし、グツグツ鉄板の上で泡立つソースと蒸気。
    見ているうちに、口の中がヨダレで一杯、お腹もグーッ。

    フックラとしたカウベル自慢のハンバーグ。
    昔、ゴチソウだって思って食べるのがうれしかったそのハンバーグ。
    そこにトロンとカマンベールがからんでコクと風味がまして、より上等なゴチソウ感がただよって、なんだか食べ手のボクまで上等になったみたいな感じがしてくる。
    しかも焦げた香りに、荒挽き胡椒の香りと目に舌に鼻…、五感がたのしむよき料理。

    93c1c11f.jpg不景気という。
    いろんなお店が値下げすることばかり考えて現場の気持ちも萎縮している。
    そんな中。
    ここのお店はお客様を喜ばせるコトを一生懸命考える。
    値下げしなくて、ちょっとおいしく。
    サービスよくといろんなコトをしてあげてけば、お客様は「得」と感じる。
    なるべく手作りというのもそうした「得」を感じてもらう工夫のひとつでしょうね。

    例えばデザート。
    シットリとして口溶けさわやかな自家製ティラミス。
    これまた最後に焼いてカラメル状に表面仕立てるトロトロプリン。
    これらもみんな手作りで、ニッコリします。
    そうそう最近、最新調理器として徐々に普及し始めているエスプーマ。
    ソースやスープを泡状にして、その軽やかをたのしむ新たな提案をパンを食べるためのバターであったり、ディナーの食後のデザートに使ってみたりしていたりもする。
    そんな一生懸命が、お客様に正しくつたわっているのでしょう。
    今日も平日の昼というのに、お店の中はとてもにぎやか。
    ほぼ8割が奥様がたで、コロコロ、宙を転がるように明るい会話と笑い声がお店の中を満たしてとても明るい雰囲気。
    なによりステキと思うのが、ボクがお客様としてよくやってきていた30年以上前のお店と本当はまるで違っているのに、その雰囲気や空気感は変わらず昔のまんまと感じる。
    変わっているの変わらないのが、老舗になってく基本の基本。
    こんなお店がもっと増えれば日本ももっと、ステキでたのしくなるのにね…、って思いながらごきげんようと後にする。



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    つくば学園にやってきて、お客様と新年会を催す今晩。
    f8970de1.jpg「だっぺ会」という、かつて茨城県を中心とした地域でたのしい飲食店を作りましょうと同じ志の人が集まるグループがあった。
    いろんな理由でしばらく活動を休止していて、けど交流はずっと続いていた人たちとひさしぶりに会い、情報交換をいたしましょうか…、と集まりそれで宴を持った。
    天龍本店というもともと寿司が自慢のお店。
    寿司をメインに日本料理もあれこれ揃い、新春ことほぐ宴に最適。

    bce79fac.jpgあん肝の鉢。
    炙ったエビにブリの塩焼き。
    タラの白子の焼いたのに数の子などの料理がズラッと並ぶ一皿と、どれもおいしくたのしいのだけど正月料理ってハイカロリーでコレステロール値高そうな料理が多くて、足が震える(笑)。

    ブリンと元気でたくましい魚の刺身をいただいて、自家製豆腐でございます…、って。
    お椀にコロンとできたて豆腐がやってくる。
    熱々、ほかほか。
    醤油と塩で召し上がれと調味料がやってくるけど、そのまま食べると十分甘い。
    豆の香りと風味がフワッと口から鼻に抜けていく。
    作りたてという豆腐はおいしい。
    体に巡る健康的という情報に、思わずウットリ。
    平らげる。

    それから天ぷら。
    エビの天ぷらかと思って食べたら、蟹の天ぷら。
    ブリンとハリのあるエビと違って蟹はフックラ、シットリ。
    揚げてもフワッとやわらかで、旨み、甘みも一層強い。
    これまた天つゆや塩を使わず、そのままパクリ。
    レンコン、ししとう、それから茄子と、彩りキレイな野菜の天麩羅もそのまま食べて、その持ち味をたのしんだ。

    56fa9879.jpgそしてすき焼き。
    小さなひとり用の陶器の鍋でやってくる。
    下に固形燃料を抱いてクツクツ、目の前で仕上げて食べる。
    旅館の夕食みたいな感じで、ニッコリなります。
    甘辛タレで煮こまれた関東風のすき焼きで牛肉、豆腐、そしてネギ。
    オモシロイのが玉ねぎまでもが入ってて、肉の旨味と出汁を吸い込みおいしくなっているのにビックリ…、思わず、ご飯!って叫びたくなる。
    正月に食べるすき焼きは格別のコト。
    めでたい料理って、感じます。

    それから〆にすしをあれこれ。
    ズワイにタイ、それからマグロ。
    ウニとイクラの軍艦と、どれもシッカリした味わいでやはりなによりめでたいのが良い。
    そういえばすき焼きに寿司、日本を代表するゴチソウのどちらもが「す」ではじまるという、ちょっとたのしい共通点に、アレっと思う。
    オモシロイ。
    ほどよくお腹を満たすゴチソウ…、話もあれこれ盛り上がる。

    それにしてもおじさんたちが10人寄って、ほとんどの人が車でやってきているということもあるのでありましょうけど、ビールじゃなくてノンアルコールビールの瓶が林立しているテーブルの上。
    かつては絶対なかった景色。
    でも今では、これが多分、当たり前なんでしょう。
    お酒のメーカー、あるいは酒販店ってこれから本当に大変なんだろうなぁ…、ってしみじみ思う。
    5d6b9b49.jpgお茶をもらってデザート食べる。
    あんこに白玉、抹茶アイスクリームにフレッシュイチゴという和風パフェみたいな感じの〆で、これが結構旨くて困る。
    そもそもあんこは好きじゃない。
    最中やまんじゅうは寒気が走るほど苦手なんだけど、それを冷たくして食べる…、例えば宇治金時みたいな食べ物は嫌いじゃないのが不思議なところ。
    これもほどよく冷たくて、なによりイチゴが甘くてあんこに負けないとこに関心します。
    変わった料理は何も無い。
    奇をてらわず、誰もがしった料理ばかりで、しかもどれもがめでたく感じる…、新年会を盛り上げるよき宴席でありました。



    関連ランキング:寿司 | つくば駅

     

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    東松山…、ちょっと苦しんでいるラーメン店のブラッシュアップをする仕事。

    e6086ab0.jpgおいしいラーメンを作りたい。
    そう思って作ったお店で、なかなか味が決まらない。
    ラーメンの味を決めるって簡単なようで実は大変。
    美味しくしようと思えばいろんな方法があって、しかもどんどんおいしくなってく。
    けれど、一体誰のためにおいしくしてるんだろう…、って悩みはじめると結論がなかなかでない。
    若い人が好むラーメン。
    子どもが好きなラーメンや、あるいは女性に向かっていくラーメン。
    どれも味の傾向が違う。
    しかも作る人の好みもあったりもして、出口の見えない迷路の中に飛び込んでしまう人が結構いる。
    みんながおいしいと思う味を作っていくと結局、インスタントラーメンみたいな味になったりするのです。

    一から味の設計図をかき上げるのは大変なコト。
    だからまずは、実績のあるお店の味を基本にし、この店ならでは。
    地域ならではの味に仕上げてみましょうよ…、と。
    それで昔からお付き合いのあったラーメンチェーンの方の力をかりて試作会。

    おいしいラーメンを作るというコト。
    おいしいラーメンでお客様に喜んでもらうというコトも似ているようで違うコト。
    安定をしていつも同じような味にならなきゃ、お客様は安心出来ない…、いつも同じように調理ができるよう仕組みであったり、食材だったりをあれこれ持ち込み、さぁ、試食。

    0a244f30.jpg1時間ほどの仕込みが終わると次々料理が出来上がってく。
    スープとタレ。
    麺に具材がそれぞれちゃんと出来上がっていて、それをあとは組み合わせるだけ。
    設計図がシッカリしてて、あっという間に料理ができる。

    味噌ラーメンが売れる地域というコトで、まず味噌ラーメン。
    上に乗っけた辛味噌まみれのネギをスープに沈めると、そこだけ辛くなっていく。
    コッテリ味の濃厚な味噌。
    ネギをのっける量を変えると、スープの辛味も変わってくるたのしい工夫。
    牛筋肉をトロトロになるまで煮こんで軽焼きにしたチャーシューのっけた豚骨ラーメン。
    薄切りチャーシューにスープをタップリ染みこませ、シットリ食べる醤油麺。
    野菜タップリのっけた麺や、あるいはラーメン次郎風のラーメンだったりと、驚くほどにシンプルな作業工程で多彩な味が出来上がる。

    化学を使って作った味ではないのがステキ。
    科学で出来てるラーメンなんだ…、ってそんな気がする、オモシロイ。
    しかもスープや麺がかなり頑丈に出来上がっていて、試食のために写真を撮ったりあるいは料理の詳しい説明を聞いた後でも味が壊れず、へたらない。
    そんなところも売りやすくって、お客様から叱られぬ大切なとこ、よく出来ている。

    サイド商品もあれやこれやと。

    ad44b40f.jpgまずは餃子。
    薄皮餃子で、中の具材が透けて見えるほど。
    しかも中はほとんど野菜。
    野菜の甘みがかなり濃厚。
    ポン酢やタレをつけずそのまま食べても十分おいしく感じる。
    カリッと表面やけていて、その裏側はプルンとなめらか。
    ここの餃子はこんがり焼ける。
    餃子焼き器で上手にやけるように最適化されていて、気を使わなくてもカリッとやける。
    餃子の命は焼き上がり…、こうしたところもよき工夫。

    それから唐揚げ。
    ラーメン屋さんの唐揚げだからと、天ぷら状にフックラ仕上げてタレを絡めて食べるタイプを導入しようと。
    カラッと揚がった普通の唐揚げ。
    それはご飯やビールのためにある料理。
    けれどこうしたフックラとした鶏天風の唐揚げはラーメンスープと相性がよくて、スープと一緒に食べるとプルンと口の中で衣がとろける。
    昔のラーメン屋さんの唐揚げって、みんなこんな唐揚げだった。
    その復刻版。
    見た目も味もなんだかとてもなつかしい。

    これらの料理をなるべく短期間でここに移転する作業。
    その打ち合わせと、こうした料理にふさわしいお店の雰囲気作りのあれやこれやを話して今日の仕事とします。

    ty.jpgなんだか成功しそうな実感。
    それでみんなで食事をします。
    このプロジェクトのチームを作って一緒に仕事をする人たちと。

    改善しようとしている店のオーナーが、実は焼肉屋さんを本業にしていて、そこの焼肉屋さんにてジュウジュウします。
    炭で焼く店。
    まずそれだけで、なんだかシアワセ。
    炭に落ちる肉の脂が、ジュワッと焼けて肉に風味をつけていく。
    表面カリッと。
    脂の温度があがるコトで、まるで揚がったように仕上がる。
    肉に自信があるのでしょう。
    タンも分厚く、ハラミの肉も熟成見事。

    カルビにロース。
    あるいは肉の塊をタレに浸け込みそれを焼きつつはさみでチョキチョキ切って食べる韓国風の焼肉などなど。
    チヂミにサンチュ、ナムルにキムチとフルスペックのコース並。
    どれもシッカリおいしくて、けれどラーメンの試作途中でちょっとづつ食べたラーメンがお腹の中で徐々に膨れる。
    おいしいお肉が目の前にあるのになかなかお腹の中に入っていかない…、おいしい仕事が今日はなんだか恨めしく、今度はココの仕事をシッカリ成功させて、心置きなく祝いの席をココで再びしたいなぁ…、ってみんなで言って、散会す。
    表にでると、さすがに内陸、ブルッと寒い。
    明日から関東地方は寒く、冬本番となるようで、皆様、おかわりありませぬよう。
    風邪などひかれず、おいしいモノを召し上がりご自愛ください、また明日。

     

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    串木野という町…、まぐろの町で、そこの町おこしの郷土料理として有名になった料理が「まぐろラーメン」。
    その仕掛け人と言われる人が、ラーメンだけじゃ、街の人たちに申し訳ないと10年以上前に作ったとんかつの店。

    c49ac7a7.jpgサービス精神旺盛な人。
    だからただのとんかつ屋じゃなく、地域の人が自然に集まる店にしようかと、お店の入り口の脇の空き地に小屋を作った。
    かっこ良く言えばウェイティングルーム。
    囲炉裏があって、ポットの中にはお茶が入ってて、季節になると軒下に柿が吊るしてあったりとなんだか峠の茶屋のようなのんびりとした雰囲気の場所。
    たまにおばぁちゃんたちが、家から持ってきたお菓子を広げておしゃべりしてたりする鷹揚。
    街の人に喜んでもらって、初めての自分の店が繁盛できるんだって。
    そうしてやさしい考え方が支持されてでしょう。
    繁盛を継続させるのがむつかしい、今の時代にあってずっと繁盛してる。

    お陰さまで、あと数年で借金が全部なくなるんです…、と。

    借金がたくさんあったときには、仕事に必死になって家族のコトがおろそかだった。
    何のために仕事をしているんだろう?
    誰のための苦労なんだろう…、ってずっと悔しく思っていたけど、やっとこれから「家族のために働くことができるんだ」とそう思ったら、気持ちが晴れ晴れしてきますって。

    今、日本の飲食店の人たちが、心から思っているコトがこうしたコトではないか。
    誰のための苦労なんだろう。
    家賃を払う仕事だったり、借金返す労働だったり、それじゃぁ、まるで仕事の奴隷と同じこと。
    なんとかして。
    なんとかちょっと工夫して、自分のために働く環境。
    自分が大切にしている人や家族のために、汗を流して報われる、そんな日本の飲食業を作るためボクはこれからガンバルだ…、と勇気をもらった、そんな店。

    uws.jpg車でビュビュンと今度は東に向かって移動。
    都城に最近できた「うを佐」という店に顔を出す。

    もともと靴のディスカウントショップがあった建物。
    それを安く手にいれて、最小限の改装をして飲食店にしたお店。
    最小限と言っても決して粗末じゃない。
    厨房なんかビックリするほどシッカリしてるし、テーブル席もユッタリ、とても座り心地いい。
    宴会用の座敷や個室も用意されてて、普通に食事をするにはまるで差し支えない。
    けれど天井。
    あるいは床は機能性を損なわぬ程度にコストを抑えてて、だから普通の飲食店を新規につくるコストの半分くらいで出来てる。

    料理に自信があったから。
    おいしい料理を、どこより安く提供できる体質を手にするためにと、思い切ってムダを省いた店を作った。
    開店するまで、かなりビクビクしたそうです。
    こんなお店に人はやってきてくれるのか?
    けれどそんな心配は、まるで杞憂の大成功。
    理由はなにより、「おいしく安い」。
    それに尽きる、見事な料理。

    faa86750.jpgもともと本格的な寿司屋が経営母体。
    だから寿司は一流です。

    小さめのシャリ。
    細長く、女性の口にもやさしいスルッとした姿形に握った寿司が、10貫ならんでそれに赤だし、茶碗蒸しがつきなんと980円。
    どう考えても1000円代の半ばくらいの商品力で、なによりネタの鮮度が抜群。
    家賃や借入金の返済に普通のお店がかける分を節約できた分だけお客様に還元しているだけなのですよ…、と。

    サラッと言うけど、そうしたコトはなかなかできない。
    経営体質を軽くするだけではなくて、厨房の中の仕組みや仕入れ。
    それにサービスの仕方までもを、シッカリ作り上げていかなきゃ、アイディア倒れになっちゃうのです。

    実際、ここも開店当初は思った以上に忙しく厨房機器の並べ替えだとかメニューの入れ替えをなんどかやって、それで今に至るといいます。
    寿司がおいしいだけでなく、それと一緒に天ぷら、サラダや茶碗蒸し。
    いろんな料理がひとつのお膳にズラッと並んでやってくる。
    これぞ和食って感じでたのしい…、老若男女に受け入れられる、地方都市には便利でしかもやさしい配慮。

    a20cce85.jpg寿司以外にもいろんな料理が揃ってて、とんかつ、シャブシャブ。
    食べたいものがほとんど用意されてるところも、なかなかステキ。
    しかも一般家庭の厨房で作るコトがむつかしい非日常的なるオゴチソウが充実してる。

    例えば釜飯。
    独特の焚き方で半分くらいまで熱をくわえてそれからしばらく休ませて、味をお米に吸い込ませ、注文受けて最終仕上げをするという手間のかかった調理法。
    ご飯ツヤツヤ。
    おこげもおいしい。
    五目に鯛、あるいは鮭といくらの親子と具材豊富で、けれど最近、グイグイ人気が出てるのがウナギの釜飯。
    それでとって食べてみたらば、たしかにおいしい。
    九州独特の甘いタレ。
    それとウナギとご飯とおこげ。
    これで十分、完成された一品料理でけれどそれにやっぱりあれこれ料理がついてやってくる。
    近所にあるといいだろうなぁ…、って心底思う、感激す。

    しかもこの店、経営しているのがまだ20代の後半の青年経営者なのですね。
    過去の飲食店のこだわりや、こんなコトをしちゃ恥ずかしいって既成概念に頓着しない若い人だから、思い切ったコトができたというコト…、なのでしょう。
    若い人たちの正しいやる気は、こんなにステキで迫力がある。
    そう思ったら、日本の外食産業の未来は決して真っ暗じゃない…、真っ暗だって思う気持ちがただでさえ勢いのない外食産業の息の根止める元凶なんだって思ったりした。
    オジサンもこれから笑顔でがんばらなくちゃ…、と勇気をもらった、そんな旅。
     

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    熊本県の県南にある人吉をでて、宮崎県のえびの高原。
    高速道路を走っていると、熊本県が鹿児島県になったと思えば宮崎になるのくりかえしにて、この界隈の複雑にして密接なつながり感じる。

    そして慶民。

    92c744b6.jpgえびの高原の京町という温泉街にあるラーメン店。
    かつては本当に小さなお店。
    温泉街のメインストリートに面して入り口をもつ店で、20席もなかったほど。
    ところがその客席と同じくらいの面積の厨房を持ち、いつもピカピカ。
    料理もおいしく、なによりお店の人の気立てがよくってスゴイ繁盛店になっていた。
    ランチ時にはいつも行列。
    4席用の小さな座敷に、ギッシリ6人座って食べたり、常連さんは待ってる人を気遣って食べ終わったら自分で食器を下げて帰るような繁盛。
    それで数年前に増築かねた改装をした。
    昔の小さなお店の様が一部再現されてはいるけど、居心地よくてほどよきサイズのお店になった。

    厨房の中がピカピカなのは、今も変わらず。
    油を使った料理を作る。
    しかも驚くほどに忙しい店。
    なのにピカピカ。
    掃除がシッカリ行き届いているというコトでしょう。
    朝の営業前の時間にお店に入れてもらってそしたら、仕込みをしている人たちがみんな若い女性というのにちょっとビックリ。
    しかもみんな元気でニコニコ。
    女性向けって感じの店でも、ましてやそんなメニューでもなく、けれど女性が働いて働き心地の良いシステムになっているってコトなんでしょう。

    58b17cd8.jpgしかも最近。
    入口横の部分をちょっと改装をした。
    ラーメン店とは言えこの周辺には、めぼしい飲食店がほとんど無い。
    街の人たちがちょっと休憩できる場所。
    あるいはランチのピークを過ぎて、食事の後のお茶をたのしむ場所がほしいネ…。
    と、そんな声に答える形で、カフェ用のキッチンをそこに作ったという。
    有機栽培のコーヒー豆で、入れてくれたコーヒーのほどよきウマさに体がホロッとあったまる。
    それにくわえて物販用の売り場も出来た。
    小さいながらも近所の田んぼで作った米や、ドレッシングやポン酢がならぶ。
    どれも地元の素材を使って、パッケージングもお洒落できれい。
    お店を利用するご婦人たちが、お小遣いで帰る程度の値段のモノをこれから徐々に増やしていって、地域の生産者さんの助けになりたい、とそんな気持ちのさまざまなモノ。

    kmfarm.jpg実はこの店。
    もともと農家をしていた家族が始めたお店。
    農業で食べられなかった時代が長くて、それで飲食店に半分転業。
    規制や既存のシステムにがんじがらめになっていて、一生懸命働いてもそれが必ずしも報われることがなかった当時の農業に、比べて外食産業は自由でしかも発展途上。
    頑張っただけ報われたのが、1980年から20年ほどのコトだったから。
    それで今ではある程度、余裕ができた。
    余裕ができた目で逆に、農業の今を見つめてみると、こりゃ大変だ…。
    地域が老齢化していく中で、生産者たちが夢をなくして、何をすればいいかわからぬ状況にある。
    主要産業が農業という、自分たちが商売しているこの町のその農業が疲弊したら、この店の将来って一体どんなになってくんだろう。

    今こそ町にご恩返し…、と、それで再び生産者活動を本格的に開始した。
    なによりキレイな水と見事な自然環境。
    自店で使う餃子のキャベツを育成したり、米に牛。
    最近、キクラゲを作るプラントを実験的に運用しはじめ、これがとてもよい成果。
    身厚でしかもキレイに大きさ揃ったキクラゲ。
    中国産とは格段に味、食感が上等なモノが次々できてくる。
    腰をかがめる作業もなくて、畑仕事が体力的に無理な人でもこれなら十分やっていける。
    温泉街の地熱も使って、将来町の産業として定着させるコトはできぬかと試行錯誤でいったり、きたり。
    なんとか力になって差し上げることはできぬか…、とアイディアちょっとひねり出す。

    それから車でグルッと移動…、いちき串木野にやってくる。
    横綱という回転寿司のお店があって、そこで軽く試食を…、と。
    yz.jpg回転寿司としては小さな、客席数にして50席ほどの店であります。
    最近、回転寿司という業態。
    お客様がやってくるときに、ガバッと稼いで売り上げ作る。
    そのため大型店を作るのがブームになってる。
    200席規模の超大型の安売り店が次々できて、けれどそうしたお店には、お客様と働く人のふれあいなんてあるはずがない。
    あの人がにぎってくれる寿司だから、安心できておいしく感じる。
    そんな飲食店として、当たり前なコトを守ろうとすると、大きなお店は怖くてできない。
    安売りすることはできないけれど、その分、よいネタ、よいサービスでと頑張っているお店なのです。

    fc88c281.jpg南九州らしいネタが続々。
    キラキラとしたアジや鯖。
    今の季節にやってくる「芭蕉カジキ」って言う脂ののった赤身の魚。
    ネットリとした水イカや、タラの白子のポン酢ジュレ添え。
    シャリがほんのり人肌なのも寿司をおいしくさせるポイント。
    とは言え地域の人のご馳走として、他の地方の季節のネタもちらほら混じる。
    例えば生のボタンエビ。
    ネットリとした甘い身味わい、頭とシッポをカラッとあげる。
    揚がった殻の風味と食感、噛むとジュワッと中から甘い味噌がでてくる…、ビールが飲みたくなるオゴチソウ。

    最近、近所に大手チェーンの回転寿司ができたと言います。
    しかも地場産業としてずっとやってた大手家電メーカーの工場がひとつ閉鎖されるというのも決まった。
    今まであまり新しいお客様に対するアプローチをしていなかったこの店が、ランチに限って一皿130円均一のキャンペーンを実験的にはじめたという。
    日本全国、それほど回転寿司競争は熾烈で厳しい。
    中には原価が割れてしまうようなネタも出てきはするけど、オモシロイのがそれなら高いネタばかりお客様が食べて帰るかというと決してそうじゃない。
    食べたいものをシッカリ食べて、バランスとって帰ってくれる…、だからシッカリ利益をださせてもらえるんですって。

    正直にすればその正直に、応えてくれるお客様がいる。
    ステキなコトでありましょう。

    78c344a7.jpgオモシロイのがこの店の、職人さんのひとりが洋食出身で、それでこんな変わった商品。
    ライスコロッケ…、なのであります。
    酢飯を使って。
    中に魚のすり身を混ぜる。
    そしてチーズを芯にして、コロコロ、ボール状にまとめる。
    パン粉をつけてカリッと揚げると、これが不思議と、イタリア料理のアランチーニのような味。
    シャリの酸味とチーズが混じってトマトソースを使ったみたいな風味になるのね。
    魚のすり身とチーズのコクで、ホワイトソースじゃないのかしら…、ってうま味もでてくる。
    ケチャップ、プチュッとかけた様子も愛らしくって、子どもがこれを食べたらばよろこぶだろうなぁ…、って思ったりした。
    工夫の料理。

    それから汁がつみれ汁。
    いわしを叩いて作った自家製。
    澄ましのお汁にキラキラ、キレイな脂が浮いて魚の風味も甘くておいしい。
    箸を添えるとフワッと軽く崩れていくようなやさしさで、使ったイワシが新鮮だったからでしょう。
    魚の臭みはまるでない。
    生姜や味噌のようなモノで臭みをとらずともおいしく仕上がる。
    魚の宝庫に近い地域の、コレがゴチソウって感心します。
    ステキなコトと思って帰る…、そして再びビュビュンと移動をいたします。
     

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