バーガーキング。
アメリカからやってきて、アメリカ料理であったはずのハンバーガーも今ではすっかり日本の料理になっちゃった。
40年近く前のマクドナルドは「ハンバーガーに象徴されるアメリカの食習慣」を日本に根付かせるのがミッションで、だからアメリカの商品をそのまま日本に持ってきた。
商品だけじゃなく、厨房も備品もそしてマニュアルもみんなアメリカのそのまんま。
だから沢山の英語直訳がお店の中に蔓延してた。
その直訳ぶりがまたかっこうよく、日本で外食産業を目指す人はみんな一度は勉強をした。
その仕組みや営業の仕方はそのまま受け継がれてるけど、商品はすっかり日本語料理になっちゃった。
月見に鶏の竜田揚げ。
ローカライズと言ってしまえば、はい、それまでよ。
それだけ日本に根ざしたチェーンになったということ。
それに比べてバーガーキング。
テリヤキソースこそありはするけど、未だにアメリカそのまんま。
カップにケチャップ、お店に貼られるポスターもアメリカながらで結構、ボクは、それが好き。
テンダーチキングリルサンドイッチをたのんで食べる。
ハンバーガーが日本の料理みたいになってしまったハンバーガーより、今は「チキングリル」の方がなんだかボクにとってはアメリカ的を代表する味。
高温で炙られて滲みだした鶏の脂が火に触れて、煙になってそれが肉にしがみつく。
甘い香り。
身の食感はまずはクチャっと前歯に伝わる。
焼鳥じゃない、チキンのグリル。
アメリカのショッピングセンターにあるフードコートを歩くと必ずどこかから漂ってくる煙の匂い。
日本のフードコートは醤油とソースの匂いがする。
アメリカのそれはグリルの匂い。
パクッとやるとまさしくそんなアメリカ的なる匂いがするのが、なかなかに良い。
固めのバンズ。
バリバリレタスにポッテリとしたマヨネーズ。
甘ったるさをまるでもたない塩味ベースの鶏の下味。
それらがみんな、鶏の持ち味と炭の香りを引き立てる。
ソースの手練手管でなんでもかでもを必要以上においしくしちゃうジャパンファストフードにはない、素人臭さがなんだか逆にオキニイリ。
オニオンリグスにペプシネックス。
ハイカロリーとローカロリーを一緒にたのしむ。
ツルンとなめらかな輪切りのタマネギ。
そこにギッシリ、細かなパン粉がしがみつきバリバリって揚がった黄金色の輪っかをパクン。
今日のオニオンリングスはなぜだかどれも小さめで一個丸ごと口に自然に収まっていく。
衣がスルンとはがれそうでいて剥がれぬ健気に、ちょっとウットリ。
パン粉に包まれトロトロ、甘々になったタマネギ…、まるでソテしたような味わい。
カロリーフリーのペプシの朝が、ブクブク、口から喉を洗ってくれる。
さわやかなコト。
今日は部屋の中にいるより、お外の方が不思議とあったか。
ちょっと歩くと汗をかく。
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