さすがに昨日は夜中近くまでずっと食べて、飲んでいた。
それで今朝はあんまりお腹がすかず、だから朝を食べずに銀座にやってくる。
友人が、新しく銀座にできたチョコレート屋さんに行ってみたい。
とそういうコトで、案内をする。
ブロンデルというお店。
場所は銀座8丁目。
銀座が終わって新橋がはじまる街の境目、銀座中央通りの一本裏側。
決して間口は大きくないけど真新しいビル。
ガラスと鉄でできた箱のような合理的にしてモダンな建物で、そこに赤と白のスイス国旗とおんなじ色合いの旗がたなびく。
赤い十字架。
それに小さくロゴが入って、遠くから見るとあんまりチョコレート屋さんみたいに見えない。
時計屋さんか、あるいはスイスアーミーナイフのお店のように見えるのですね。
近づいてみれば、チョコレート色した木の壁。
ガラスでできた扉の向こうにはチョコが並んだショーケース。
たしかにチョコレート屋さんのようにはみえはするけど、ちょっと勿体ない気がします。
銀座という街にあふれるほどのチョコレート屋さんの中で、お店の雰囲気という点ちょっとインパクトに欠け、だからかあんまり人を集めていないように見受けられます。
お店の中に入ると、むせかえるようなチョコの香りに、気持ち切なくなるほどウットリ。
気持ちがかなり上がってくるから、なおさらなんだか勿体ない。
スイスのローザンヌで160年も前に創業したお店だという。
できたときから同じ場所。
同じレシピでチョコレートを作り続けている店で、9種類のクーベルチュールをブレンドし、スイスの新鮮なミルクをタップリ。
ナッツやフルーツを厳選しながら、チョコやチョコを使ったお菓子を作り続けている、名門中の名門なんだという話。
一階部分が小売店。
そこにはいろんなチョコが板のまま陳列されててをれを割って量り売りするようになっている。
まるでチョコの問屋さんにやってきたようなそんな気がする。
本物感の見事な演出。
それ以外にもトリュフチョコとか、ドライフルーツにチョコをコーンティングしたものだとかが並べられてて、店の中にいるだけで体にチョコの匂いがまとわりついてくるような濃厚スペース。
いいお店なんだろうなぁ…、と思いはするけど、どこかしらその場しのぎの感じが漂う。
サービスの手順が決まってなくて、おそらくマニュアルだとかもないのでしょうネ。
時間がかかる。
何かを聞いても正しい答えが帰ってこない。
ソフト部分だけじゃなくて、ハードウェアも準備不足をあれこれ感じる。
例えばお店のガラスの外壁。
そこになぐり書きのように「1階はチョコレートショップ、2階はカフェ」って白マジックで書いてあったりするのもおそらく、通行人が気づかないから書いてみましたってことなんでしょう。
2階のカフェでちょっとユックリ。
チョコラショーをためしてみます。
ミルクタイプとビタータイプ、あわせて15種類のフレーバーが用意されててミルクタイプのカルダモンと、ビタータイプのチリペッパーってフレイバーを選んでみたらば、なんたるおいしさ。
カルダモンの香りが漂うエキゾチックなチョコにハチミツ、それからシナモンタップリくわえてホットミルクでのばしたもの。
サラッと喉越しなめらかでなのに鼻からまるでタイ料理みたいな香りがやってくる。
飲むお菓子だなぁ…、ってウットリします。
飲んでたちまちボクのオキニイリ食品リストの頂点近くにまで登りつめてやってきたのがビタータイプのチリペッパー。
ピッチャーの肌を汚したタレのポッテリ濃厚な色が物語るよに、何かのピュレのような喉越し。
ビターチョコにつき物の酸味をほとんど感じぬ苦味、コクにそれからやさしい甘さ。
一口ごとに気持ちが高揚してくるような、華やかにしてニギワイのある艶やかな味。
今、この東京で飲むことができるショコラショーの中でもまずまちがいなく最高峰とボクは思った、朝の頭とココロにステキなオゴチソウ。
それからケーキを一個ためした。
フォンダンショコラ。
コロンと丸く、手のひらの平らな部分ほどの大きさ。
ホイップクリーム。
カカオのパウダー。
温められたばかりなのでしょう…、表面ツヤツヤ。
色っぽい。
フォークを当てて、力をいれるとムッチリとフォーク全体を包み込みつつ2つに切れる。
中からトロンとチョコが流れだしてくる。
食べるとコッテリ。
ケーキの生地はシットリしていて、ちょっとモッチリ。
そこにチョコの苦味と甘みがそっとのっかり、口の中でユックリ、チョコクリームのようになっていく。
たったひとかけ。
なのにお腹をやさしく満たしてくれて、気持ちがたのしく豊かになってく。
このお店。
3階に厨房があるようで、背の高い青目をしたショコラティエが次々、上にあがってく。
1階にあるショップの店員。
2階のカフェのスタッフもほとんど外人顔の人たち…、お店の中の標準言語はどうもフランス語のようであります…、それはそれでいいのだろうけど正しく日本化することができればもっと認知されるかもしれないなぁ…、って思ったりもした、しばらくしたらまたこよう。
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