昼を銀座で長崎料理。
朝の代わりにショコラショーを楽しんだ、ブロンデルのすぐ近所。
長崎シルクセンターっていう古いビルの地下1階。
「吉宗」というお店に来ます。
吉宗とかいて「よしむね」じゃなく「よっそう」って読むんだよ…、ってそう言いながら店に入ってメニューを見たら「吉宗定食」っていう商品がある。
ココの名物料理があれこれ揃う、女性向けのランチセットで、それを一緒に来た人が食べたいって言うではないの。
それでお店の人を呼び、「よっそう定食」を彼女にひとつ。
そうお願いをしようとしたのに「よしむね定食」って言ってしまった。
お店に入る直前に話していたことが頭の中にこびりついていたのでしょうネ。
はははと笑って、よっそう定食って言い直したら、お店の人もニッコリ笑って、吉宗定食ひとつたしかに承りました…、って。
ここのお店のサービスは、ずっとココで働き続けるベテランさんたちばかりでとても、やさしくお客様思いなところがボクは好き。
ココの名物といえば大きな茶碗蒸し。
それから蒸し寿司…、その両方をセットにしたのが「夫婦蒸し」っていうランチで一番人気のメニュー。
どちらも同じ大きさの、同じ器に入ってやってくる料理にて、しかもどちらも蒸し器の中で熱々状態、蓋したまんまでやってくる。
だから同じテーブル囲んだ2人が、2つ夫婦蒸しをたのむと同じ器が4つやってくる。
どっちがどっちか、ひと目見ただけでは普通はわからず、けれどお店の人はササッと蓋をとらずにどちらがどちらかわかるのですネ…、聞けば蓋の周りから出汁が滲んでみえたらそれが茶碗蒸し。
そう言いながら、こちらが茶碗蒸しですからネ…、と。
あけてみたらばたしかにビンゴ。
コレもプロの仕事でござる。
フルフルタプタプ。
蓋をあけると、大きな茶碗になみなみ、なめらかな茶碗蒸し。
息をフーッと吹きかけてやると、玉子の表面がさざなみのようにフルンとゆれる。
れんげで軽くひとすくい。
プルンと玉子がそこにのっかり、同時におびただしい量のお出汁がれんげを満たす。
透き通ったキレイなお出汁。
フウフウしながら口に運ぶと、甘いお出汁の香りが鼻からフフッと抜ける。
あまりにそれはなめらかで、噛むことなんてせずともスルンと喉をやさしく撫で回しつつお腹をポワンとあったかにする。
具材はふんだん。
赤と緑のかまぼこが長崎的をよそおって、お麩にしいたけ。
鶏胸肉と白身魚、たけのこ、キクラゲ、それからぎんなん。
どれもお出汁をタップリふくんで、中でもお麩が表面ネットリ、舌にのっけて上顎に軽くくっつけ押すだけでジュワッとうま味がにじみだしてく。
セットの蒸し寿司。
酸味はほのかで、かなり甘いのが九州的。
細かに刻んだ穴子にでんぶ。
錦糸卵がタップリと。
蒸してシットリ、すべての味がこなれててツンと鼻さすようなところがないのがなんともうれしいところ。
この夫婦蒸しと一緒にかならずたのむのが皿うどん。
それも太麺。
トロリあんかけの皿うどんも、東京にくるとそのほとんどが細いパリパリ揚がった麺で、けれど長崎にいくと太麺の方が人気があるんだという人もいる。
ムッチリとしたちゃんぽん麺。
それにスープのうま味がどっしりとしたあんかけがのっかり、まるで汁なしちゃんぽんみたいな感じになってて旨いのですね。
担々麺に汁なし担々麺があるように、ちゃんぽん麺にも太麺皿うどんがあるのでござる。
そしてココの皿うどん…、これも具材が見事に豊富。
かまぼこ、アサリ、それからイカ、モヤシにキャベツ、ネギにキクラゲ。
スープのうま味と塩味と、それそのものでも十分濃厚で旨いのだけどそこにウスターソースをタランとかけて酸味と風味を足してく。
お酢をかけて食べるとたしかに酸味で塩のスープのうま味が引き立つ。
けれどウスターソースにはお酢にないコクとカラメルみたいな香ばしさがある。
その風味が、あんかけソースと麺をおいしくさせるのですね。
それにしても今日の麺はひときわおいしい。
茹で加減がいいのでしょう。
固めに茹でた麺を焼く。
その焼き方の念が入ってて、焦げ目がしっかりついて油の風味が麺にしっかりしがみついてる。
ムチムチ。
歯ごたえたくましく、とろみ濃密なあんかけにまるで負けない見事な味わい。
ところでひとつたのんだ「よっそう定食」。
それについてやってきたのが「長崎風のチキン南蛮」。
チキン南蛮といえば宮崎名物だけど、これはアオサをタップリまぜた衣をつけてシッカリ揚げたポッテリした揚げ物で、まるでフリッタ。
軽く酸味を帯びたタレにトップリ漬けて仕上がっている。
考えて見れば長崎の卓袱料理の定番にフリッタみたいな天ぷらがある。
その伝統に、新たなアレンジでここのオリジナル料理を作ってみたのがこれなんでしょう。
ちょっと甘めのマヨネーズ。
焼いたお塩にレモンがついて、自分の好みで唐揚げ風にも天ぷら風にも、あるいはチキン南蛮風にも好みの味で食べてちょうだいってサービス精神が良かったりした。
そういやココもおじさま、おばさま、シニアな人たちがとっても多く、昨日からずっとこうしたお店が続く…、ボクもシニア消費者の準備をしているのかしらねって思ったりもした、祝日の今日のオゴチソウ。
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