そして夜をビアンにします。
恵比寿で生まれた、女子的スンドゥブチゲの店。
まだ韓流なる名前もブームもなかった時代…、韓国料理といえば焼肉、チゲといえばキムチチゲとかプデチゲだとかがせいぜいだった時代のコトです。
食べてキレイになる料理…、新陳代謝を良くしつつ、野菜や豆腐などの体に良いモノをお腹を一杯にさせる料理はないかしらって。
当時、ロサンゼルスで流行り始めていたスンドゥブチゲ。
それをアレンジしながら提供しましょうとできた料理がココの「SUN」。
コラーゲン質をちょっと多めに含ませて、トロンと粘り気もったスンドゥブチゲ味の鍋で、それをメインに「食べる健康」を売り物に、かなりの人気を博したお店。
そこが2つ目のお店の場所に選んだところが日比谷のシャンテ。
宝塚劇場の真ん前で、デベロッパーも宝塚を運営している阪急グループ、それでこのビル自体のコンセプトを「女性が美しくなる場所」ってコトで、それで白羽の矢がたったのでしょう。
「食べるエステ・美庵」って当初は、おじさん的にかなりこっ恥ずかしいキャッチフレーズと一緒にできた。
お店のつくりもカフェ風で、お客様はほとんど女性という今でも女子的お店でござって、けれどオキニイリにておじさんひとりでたまに来る。
けれどほとんど昼のコト…、夜にやってくるのはひさしぶり。
昼はスンドゥブチゲの専門店的様相なれど、夜はチゲ鍋だったりプルコギだったり。
ちょっと韓国居酒屋みたいなメニューになってる。
夜にスンドゥブだけではお客様を呼びづらいのかもしれません…、けど、やっぱりココではスンドゥブチゲ。
それに石釜ご飯を添えてyホルの定食にする。
石釜ご飯ができるまで15分ほどいただきますからと。
出来上がるまでをトッポギ。
「白いトッポギ」ってメニューがあって気になって。
韓国餅を普通はコチュジャンベースの、赤いソースで煮込んで食べる。
当然、甘辛。
けれど最近韓国で、辛さを苦手にする若い人が増えている。
そこでトッポギも甘くなくてもおいしいレシピが次々生まれて、中でも一番人気があるのがカルボナーラ味の白いトッポギらしい。
それでとって試してみました。
やってきたのを見るとたしかに太くて短いパスタで作ったカルボナーラで、食べるとムチッとその食感はやっぱりトッポギ。
スベスベしててソースをあまり吸い込まない分、ソース自体を強めの味付けに調整したのでありましょうね…。
玉ねぎ、ベーコン、ソーセージと、トッポギ以外の具材にタップリ容赦無く、塩の味が染み込んでいてかなり強烈。
こりゃ、調理人の手元が狂ってしまったのか、あるいはお酒を飲めってメッセージかもしれないね…、と思いながらも、今日の晩はご飯がテーマにしたくてそれで、お酒は我慢。
テーブルの上にご飯を炊いた石釜がくる。
重たくどっしりした石釜で、まだ熱々。
蓋も石でできていて、それを持ち上げ、しゃもじで軽くかき混ぜる。
蒸気を程良く吐き出させ、再び蓋して蒸らして仕上げる。
「3分ほどで蒸しあがりますから」と言われて、ヨダレを垂らしつつ鍋をただただ見つめていると、スンドゥブチゲがやってくる。
グツグツブクブク。
これも石鍋。
石鍋の縁で細かな泡が始終立ってて、しかも湯気がおびただしい。
具材をいくつか選べて豚肉、鶏肉、ソーセージとメインをまずは選ぶスタイル。
ボクはシーフードが具材のモノを選んで、辛さを選ぶ。
5段階にてその最上級、ベリーホットを選んでたのんだ。
そしたら真っ赤。
目を凝らしてみれば石鍋の中の液体状のスープの上が、ほぼ唐辛子で覆われている。
いいではないの…、だって辛いの食べたいんだからといいつつ、スプーンでグルグル混ぜて生の玉子に火が入るまでジックリ、上下左右に内容物をひっくり返す。
徐々にとろみがついてくる。
最初はサラサラしていたスープに、タマゴや豆腐が混じっていくとまるで魔法のようにネロンととろみがついて、まるで麻婆豆腐のようになっていくのがとてもたのしい。
具材はホタテ。
アサリにそれから刻んだゲソで、イカからドッシリ濃厚なうま味と香りが溶け出して豆腐にそうした海産物のうま味がしみておいしい。
辛くてハフハフ。
舌が汗かき、目からは涙。
体が芯からあったまり、だから鼻が抜けてズルズル、鼻水でるのをティッシュでおさえて次々食べる。
冬のこんな時期には絶対、体にいいに違いない。
そう思いつつも、そろそろご飯をいただきましょう…、と。
蓋をあけると中にはギッシリ五穀米。
スベスベ、しかも見事に粒が立っていて口に入れると辛さに疲れた舌がほっと、一息つきます。
ご飯自体が甘いのです。
しかも若干硬めにできてて、スンドゥブチゲの中の豆腐のなめらかを、一層なめらかにしてくれるのがウレシイ限り。
お米が辛味をひっかき落とし、ゴクリとご飯を飲み込むと口がリセットされて、次のスンドゥブねだり、そして再び舌が火事になっていく。
なのだけど…。
この辛さこそがスンドゥブチゲのおいしさでもあり、食べはじめたらお鍋の中を全部キレイに食べつくすまで、やめることができないゴチソウ。
時計を見たら時間は7時ちょっと前。
お店の中をみわたしたらば、ほぼ完璧に女子ばかり。
男子はボクらを含めてみんな、女子をともないやってくる。
男の人は食べるものにはコンサバティブで、同じ値段を払うなら居酒屋にいき焼鳥だったりおでんだったりをつまんでお酒を飲んで酔うのがいいのでしょうね。
頭をつかわなくちゃいけない面倒を、どんどん省略していくおじさん。
そんなコトになっちゃいけないって思いながら、ハフハフパクパク、石釜の中をみんなキレイにたいらげていく。
汗もダラダラ…、けれどこれこそ健康的なる汗だと思おう、勘違いでも信じるコトはココロの安心、気持ちの元気を作ってくれる。
明日は日曜…、遅寝をしようと誓います。
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