ランチを青山…、CICADAというレストランにて。
西麻布にあった伝説的なるお店が先日、場所を移して再オープン。
モロッコ料理をメインにし、南仏料理やイタリア料理、あるいはポルトガルにスペインと地中海を取り囲む地域の料理をアレンジしながらモダンな料理でおもてなしする。
例えば「タジン鍋」を使った料理…、今でこそいろんなお店でみられるようになったけれども、おそらく日本で一番最初にタジン料理に真剣に挑んだお店がこのお店。
青山通りの裏側の、ちょっと隠れ家風のロケーションにできたこの店。
アマンホテルの入り口みたいな、ちょっと謎めいていてロマンティックなエントランス。
中に入ると、笑顔のキレイなレセプショニストがニッコリたってる受付、クローク。
オープンキッチンに庭を眺めるカウンターの間の通路を通って奥へ奥へといざなうドラマティックな空間計画。
居心地く、けれど同時に軽い興奮を覚える見事な空間で、入り口くぐって30歩ほどの小さな旅で、はるか遠くの外国にやってきたような気持ちになれる。
すばらしいお店の中をサービスの基本を叩きこまれたステキな人が働いている。
メニューの説明も見事に完璧。
サービス正確。
しかもウィットに富んだ会話ができる、人間味のある人の力が溢れてる。
料理を食べる前から「惚れた」と思えるお店は最近、あんまり見つからずいささか興奮してしまう。
メイン一皿の簡便なるランチセットをまずはたのしむ。
最初にサラダ。
クリスピーで新鮮な冷たい野菜をビネグレットでやさしくドレスし、真っ赤なビーツで彩りそえた食欲そそるステキな出来栄え。
10種類ほどの料理の中から一品選んでメインとす。
その料理がどれも魅惑的にて全部食べたくなってしまう衝動にかられつつ、選んだ料理は「カジキのグリル」と「ホタテのロースト」、シェアして食べる。
カジキマグロの分厚い切り身をモロッコ風に仕立てたというグリルは確かにクミンシードの香りがエキゾチックで旅情を感じる。
脂ののったカジキの切り身のフワッと口でほどける歯ざわり上等。
ホタテはレアな状態で、表面サクッとキレイに歯ぎれる。
中は一転。
ムッチリしていて、ピトッと奥歯に吸い付くような貝独特のなめらかさ。
味は塩味。
オリーブオイルの香りをたよりに貝そのものの持ち味いかす。
そこにリゾット。
お米ではなくファロという古代小麦を使ったモノで、表面スベスベ。
アルデンテな状態の芯はホツホツ。
噛んでるうちにもちもちムチムチ、奥歯に抵抗するような歯ごたえたのしく、食欲進む。
きのこのうま味をまじえたクリームで、ポッテリとした食感、味に整えられてる。
ツルンとハリのあるホタテの柱と、好対照の食感で味わい豊かで広がりがある。
量は控えめ、けれど舌とお腹にドッシリとした満足感を与えてくれる…、本当はワインを片手にたのしむべき料理なのでありましょうけど、今日は残念、まだ仕事。
このお店…、メニューをみるとちょっと高めの値段設定。
けれどお水は出さず、そのかわりにアイスティーを好きなだけ、おかわり自由で注いでくれる…、ピーチフレーバーのアイスティーがカリフォルニアな感じでステキ。
食後のお茶だって、お替りできるばかりじゃなくて例えば最初はコーヒーで、二杯目は紅茶をちょうだいなんてコトもできたりするのが、気が効いている。
ちなみにボクの食後の飲み物…、モロッコ風のミントティー。
ガラスのポットにギッシリミントにレモングラスやフェンネルなどのハーブをギッシリ、そこに並々お湯を注いで緑の色と香りに味が移ったところでグラスに注ぐ。
高いところから空気をタップリ含ませながら、グラスに注ぐ最中ずっとミントの香りが周りにただよい、気持ちがスキッと明るくなってく。
アラブ風に砂糖をタップリ入れて甘くて、にもかかわらずミントの香りが爽やかな、飲むとお腹の中がキレイになってくようなデザートかわりになりさえするのがステキでたちまちオキニイリ。
恋してしまえるレストランにひさびさ出会って、拍手をす。
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