池袋で軽く打ち合わせをすませたあとで、食事とします。
京鼎樓(ジンディンロウ)っていうお店。
台湾風の小籠包の専門店。
恵比寿に本店をもってて、知る人ぞ知る系のお店としてずっとひっそりがんばっていた。
去年でしょうか。
池袋のパルコの中に店を構えた。
台湾小籠包と言えば、鼎泰豊が有名でそこはデパートの中に次々お店を増やしてる。
デパートの集客力ってスゴいモノで、しかも世界でも有数の美食レストランとして有名でもあるブランドイメージもあってでしょう。
どこも繁盛。
行列レストランになっている。
たしかにおいしい。
けれどココの小籠包も、負けず劣らず上等なモノ。
しかもそれ以外の料理。
特に麺とかご飯料理とかがシッカリしてる。
レストランというよりも、カフェとしての性格を最初から打ち出してたから、気軽にお腹いっぱいになれるメニューが充実していて、おひとりさまにはうれしいところ。
名物料理の小籠包をメインに軽食類を組み合わせセットにしているメニューがたくさん。
どれも手軽な値段と多彩な組み合わせにて、目移りするもワタクシ的に決定版をひとつ見つける…、小籠包に麺と炒飯、それにデザートまでがついたセットで選んでためす。
プーアール茶がポットでどうぞとやってきて、それからまずは小籠包。
ココのロゴを焼印にした角のクルンと丸まった正方形のセイロが独特…、蓋をとったら湯気と一緒に小籠包が4つ、顔をのぞかせる。
薄い皮がクルンと丸められて形をなしていて、箸で分厚くなったてっぺんつまみあげそっと揺すると中のスープがタプンと揺れる。
その薄皮を破かぬようにレンゲにのせて、箸で皮をちょっと傷つけチュチュっと中のスープをすすると、これが濃厚…、肉のうま味が見事に溶けこむまるで熱々コンソメスープ。
ひき肉はとてもなめらか。
団子の形をなしているけど、フックラとして歯を使わずともホロッとほぐれる。
スープに溶け出しそこなった肉のうま味が口に広がり、ツルンと皮が肉と一緒に喉の奥へと雪崩れ込む。
旨いねぇ…、熱々スープを啜ってしまえば、あとはパクリと一口で食べてしまえるサイズがステキ、オゴチソウ。
担々麺か酸辣湯麺、あるいは高菜の汁そばを選べるところ、迷わず酸辣湯麺にする。
ココの酸辣湯麺は絶品なのです。
スープのうま味がドッシリしてて、そこに胡椒の辛味がビリッ。
唐辛子と違って最初はそれほど辛味を感じないけど、後から後からグングン辛味が体の中にたまっていく。
辛味を酸味がなだめつつ、甘みに変えていくのがたのしい。
細切り豆腐やキクラゲ、細く切った豚肉。
キノコにネギがタップリはいって、たしかなとろみ。
麺は細くて縮れてなくてコシが強くてザクッと歯切れて小麦のうま味を発揮する。
黒酢とちょっと垂らしてやると、すべての味に深みがでてくる。
体の芯からあったかくなり、お腹が汗をかいてくる。
それから炒飯。
これも高菜の炒飯か、エビ炒飯から選べるようになっていて、迷わずエビの炒飯にする。
玉子であえたご飯をパラパラするまで炒めて仕上げた炒飯。
どうやったらここまでパラッとご飯を仕上げることができるんだろう…、って不思議になるほどパラパラで、口の中でパラリと散らかる。
噛むとフカっと奥歯が沈みご飯が潰れる食感が、ひと噛みごとにたのしくて、思わず笑顔になっていく。
エビはプリプリ。
ご飯ひとつひとつに味がシッカリ入って、塩のうま味にウットリします。
小籠包に酸辣湯麺。
それから炒飯がちょっとづつ、時間差もってやってくるのがまるでコース料理を食べてるみたいな感じでうれしい。
どれも出来立て、熱々で、フーハーしながら味わった。
すべてをキレイに片付けて、それでやってくるのがデザート。
杏仁豆腐が茶碗に一杯。
ムッチリとしてムチュンと粘る、濃厚タイプの杏仁豆腐で甘みやわらか。
火照った口がひんやりしてく。
よき幕引きとしてくれる。
それにしてもこのお店。
…、というかこのパルコの飲食フロアという場所。
人が少なくこれで本当にいいんだろうかって心配しちゃう。
通路が狭くて、しかも回遊できない構造。
限られたスペースに無理やりお店をたくさん作ってしまったのでしょう…、閉塞感が漂う空間自体であんまり魅力的じゃない。
百貨店と違って一過性の流行ものを集めたテナントビルの上にあって、なのに結構、本格的なお店ばかりを集めてしまった「場所と中身の不一致」からかフロアーに知らずにやってきた人たちがかなり戸惑いをもっているよう。
週末なんかはそれでも賑わうのでしょうネ…、お店の前にウェイティング用の椅子が沢山おかれてて、けれど平日はまるで必要のない寂しさに、ちょっと切なさ感じてしまう。
お店は一流、だからちょっと勿体ない。
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