朝を天金…、新宿の西。
今年もたいそうお世話になったお店であります。
付き合いはじめたのはもう20年以上も前のコト…、ボクが新宿西口から徒歩圏に住んでいた頃、ほぼ毎日のようにココで朝ご飯を食べていた。
今のようにこの界隈がキレイに整備されおらず、別の目立たぬ場所でひっそり営業していた…、それから何度か移転をし、その度いい場所、いいお店になっていってそして今。
西口ロータリーが丸く切り取る西新宿の空を見上げる明るい場所に引っ越して、朝がたのしいお店になった…、なんだかボクまでウレシイ気分。
メニューもずっとかわらずほとんど同じ。
基本は豆腐、しらすおろしに納豆、あるいは鮭に鯖。
日本の朝にあってほしいモノがシッカリ揃ってはいるけれど、目新しいモノほぼなしというコンサバ具合。
朝のお腹は保守的ですゆえ。
これでいいんだと思いつつ。
メニューをまるで見ることもなく、座ると食べたいものがすぐ決まる。
朝にはそれもうれしいところ。
しらすおろしに鯖の塩焼き。
それに海苔や漬物、味噌汁、ご飯で一揃え。
昔は「しらすおろし定食」っていうのがあったのだけど、今ではしらすおろしがすべての定食についてくる。
朝のお腹にシットリやさしく、しかも食欲湧いてくる。
みずみずしくて、喉がうるおう感じもありがたい。
醤油をつかわずそのまま味わう。
冬の大根。
甘くてしかも香りおだやか。
調味料の匂いでこの大根の風味を殺してしまうのが勿体無くって、それでそのまま。
しらすの仄かな塩味で十分おいしくたのしめる。
それから味噌汁。
乾燥させたきのこと、ワカメを具材にしたモノ。
味噌汁の具材といえば豆腐が一番無難なところ。
ここではメインの料理として冷奴がある。
だから豆腐を味噌汁の具材にすると、食材がかぶってしまう。
それで味噌汁の具材はシンプル。
しばらく手を付けずにそっとしとくと、味噌の成分が静かに沈んで味噌汁椀の中の液体が透き通ってく。
お椀をそっと持ち上げて、沈んだ味噌が浮き上がらぬよう。
静かにススッと透き通った上澄みだけを啜って飲みます。
で、この上澄みがななかな旨い。
基本は出汁のうま味。
そこに味噌の風味がまじり、味に奥行きがついてくる。
味噌のもってる発酵臭がせぬ分、純粋にうま味と風味が強烈に口の中にて広がっていく。
素直なうま味にウットリします。
お椀を置くと底に沈んだ味噌がフワリと、入道雲が湧いてくように湧き上がって口の中が味噌汁風味になっていく。
これもまたよし…、ご飯をぱくりと朝にする。
蒸気を当てて焼かれた鯖の皮がヨレっと縮んで焼けて、まるでちりめんの生地のように見えるところがオモシロく、箸でつまむとペロンとめくれる。
黄色味帯びた身の脂…、青い魚独特の香りもおいしく、口の中がヒヤッとするほどコッテリ味でご飯が進む。
海苔は味付け海苔というのも、ご飯のお供にありがたい。
東京に来て、江戸前風の焼き海苔もおいしいって感じるコトもあるけれど、やっぱりご飯のお供になるのは甘い味付け海苔って確信します。
お腹もほどよく満たされて、さてさて仕事といたします。
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