夜、友人がシェフをやっているお店を覗く。
生ハム研究所というお店。
場所は新橋のガード下。
かつてハイヤーの車庫があった場所を使ってレストランにしている店。
石積みの壁や太い柱。
ゆるやかに弧を描いている天井が洞窟っぽい雰囲気を出してて、たのしい風情。
階段を数段下がってお店に入るという構造でその階段の左手にオープンキッチンが広がっている。
どことなく、日本ばなれしたドラマティックな空間で、気持ちがあがる。
お店の名前の通りに生ハムが売り物で、それ以外にもイタリア料理をベースにした、ワインがたのしくなるような料理が揃ってる。
それもイタリアの生ハムに、スペインのハモンと種類が豊富で、選び始めると迷ってしまう。
それで盛り合わせ…、今日の一番おいしいところを5種類というのがウレシイところ。
イベリコベジョータの生ハムや、製造途中で唐辛子をくわえてピリッと味をひきしめたモノであったり。
生ハムばかりじゃなくモルタデッラが一緒にやってくるのがまた面白く、ひとつひとつを味わい比べる。
口の中で脂がトロンととろけて口に甘美な香りが広がっていく。
体の温度でとろりととろけて、舌をキスしてくるような色っぽさにウットリします。
それに続いて前菜いくつか。
おいしげな料理が並ぶ中にあって中でもおいしそうに感じてとったレバーペースト…、ふんわり空気をタップリ含んで口の中でトロけるよう。
ここの料理は舌に印象的なモノが多いよう…、とろけてレバーのうま味と仄かな渋み、豊かな甘みをピリッとブラックペッパーの辛みが引きしめ香りのクセントにもなっている。
パンに乗っけて食べるのが勿体無くて、スプーンでそのまま味わいたくなるオゴチソウ。
メニューはかなり絞り込まれてて、今日のおすすめ料理が黒板でという趣向。
お店の人と、あれやこれやと相談しながら注文きめてるというのがたのしいアイディア。
おすすめの前菜をどうぞと大きなお皿にギッシリと。
ソーセージを使ったパテにタコのマリネとどれも味は的確で、中でもタラモ。
普通はタラコとじゃがいもでつくるサラダのようなモノになってくるんだけど、ココのはムース。
とろりとなめらかなクリームのムースの中のプツプツ、細かなタラコが混じる。
口溶け感が見事でそこに、ポツリポツリと魚卵の粒が混じって残る。
こりゃ、おいしい。
丼一杯食べたくなっちゃう(笑)。
豚肉料理も魅力的にて、中でも今日のおすすめが豚バラ肉のモッツァレラチーズ焼きというコレ。
濃厚なトマトソースにバジルソース。
分厚い豚肉のローストにチーズをのっけてこんがり焼いてる。
肉はがっしり、歯ごたえがある。
そこにとろけたチーズがまとわりついて、口の中で異なる2つの食感を一度にたのしく味わえる。
顎からにじむ肉の味わい、奥歯の歯茎をなでまわす、モッツァレラチーズのやさしい味わい、トマトソースの色鮮やかな酸味とうま味が口をイタリア色にする。
トリッパのトマトソース煮っていうのがあって、それクニュクニュ、歯茎をねっとり撫で回しつつ新鮮な内臓ならではの強烈なうま味と香りを吐き出していく。
それからピザ。
もともとイタリア料理の店を経営していたこともあるシェフ。
昔のレシピとはちょっと違ってはいるんですけど、といいはするけど、モッチリとした生地の食感、ジェノベゼソースとチーズにそれからじゃがいも。
プリプリとしたエビの食感、うま味も贅沢…、どれを食べてもきっちりとした味わいでまた来てみようとニッコリ思う。
ただ週末の新橋は静かでそれでお店の静か…、勿体無いなぁと思う夜。
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