表参道で朝を迎える、朝をとる。
リンツカフェ。
スイスチョコレートの名店が、ブティックを作っててそこの2階にカフェがある。
海外のほどよいホテルに泊まると、ターンダウンってサービスがある。
ベッドのカバーを外して、快適に眠れるように整え直してくれるサービス。
旅館でいうところの「お布団をしかせていただいてもよろしゅうございますか?」に相当する、それまでリビングルームとして機能していた部屋を、ベッドルームにしつらえ直すステキなサービスなのだけれどそのとき、枕の上にチョコレートをひとつ置いてくれる。
明日の天気と客室係の名前を書いた紙と一緒に、おやすみなさいの言葉の代わり。
で、そのチョコレートのほとんどがリンツのチョコ。
ゴディバでなく、ハーシーでもなくこのリンツ。
1845年に創業してるっていうから、もう150年以上もチョコを作り続けてる確かに老舗。
しかも保存のきく板チョコという形にこだわり、特に一口大のブロックチョコを多くの種類作っているので、気軽に食べるコトが出来る。
上等だけど気取ってない。
そんなところが使い勝手がいいのでしょう。
ここのお店もショーケースより、陳列棚の方が目立って、気軽な感じ。
テイクアウトのカウンターがあり、そこで買った商品を2階のカフェでたのしめる。
チョコレートを使ったケーキやパフェと、スイーツ系がメインだけれど、朝はクロワッサンにホットチョコレートのセットがある。
それで、それ。
チョコは体と頭の両方に効く食べ物で、それを朝から「飲める」シアワセ。
ホットチョコレートには2種類あってビターとミルク。
朝であります…、ミルクにします。
カウンターの中にホットチョコレートのコンテナーが2つある。
足付きのガラスの瓶の中にゴムベラ付きのプロペラのようなモノが入ってて、それがぐるぐる回って中のチョコを攪拌し続けているというモノ。
蛇口をひねるとカカオ色した液体が、甘い香りを発しながらほとばしり出る。
チャーリーのチョコレート工場でウンパルンパが操ってそうな、おいしい装置にウットリなります。
それをなみなみ。
カップに注いでわたしてくれる。
もうその段階で、カカオの甘い香りに頭が酔うようで、口に運ぶのが待ち遠しくなる。
ためしに一口、コクリと飲むとトロンとなめらか。
ほどよく甘く温かく、軽い苦みと酸味を帯びた、ミルクチョコレートのやざしい味に満たされる。
クロワッサンを一口食べる。
バターの油と塩の風味。
ザクッと壊れて口に散らかる小麦の焦げた香ばしさ。
そこにすかさずホットチョコ。
互いの味が引き立って、特にチョコの甘味が力強くなる。
トプンとかじったクロワッサンをチョコに浸して、プルンと味わう。
クロワッサンの細かな生地の隅々に、ホットチョコレートが染み渡りしっとりふっくら。
噛むとジュワッと最初はバターがしみ出してそれに続いてホットチョコレートがにじんできます。
生地がシットリ。
口の中でチョコレート味の即席パンペルデュができあがっていくみたいな感じ。
見事であります。
体とココロが一度にトロンと、やわらかになる。
朝からこんなに自分を甘やかしていいのかしら…、ってドキドキするようなオゴチソウ。
チョコレートドリンクマシンの中で、適温を守って保管されてる。
だからチョコの風味が壊れていないのでしょう。
フウフウしないですぐ味わえて、しかもほどよくお腹を温める。
しばらくそっと置いておいたらその表面に膜がはる。
ミルクの膜で、それをペロンと指にくっつけ舌に乗っけてしばらくじっとする。
するとジンワリ。
膜がとろけてミルク混じりのチョコの風味が鼻から抜ける。
チョコの香りは頭をジンワリあっためて、寝ぼけた頭がどんどんスッキリ、動き始める、ウレシイ限りの朝御飯。
それにしてもクロワッサンがまたおいしい。
バリバリとした生地の食感、ジュワッととろける中のフックラ。
隣の人が食べていた、チョコエクレアがまたおいしげで、また来てみようと思う朝。
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日記部分にて話題にした、ウンパルンパの動画を一枚貼っておきます。
この映画。
ジョニー・デップのエキセントリックがほどよき毒になっている、ティム・バートンの映画の中でもボクは一番好きかもしれない。
お菓子の中でもチョコレートという、ちょっと特異で独特な官能的な存在を上手に活かした見事な作品…、サービスでもらったチョコをジャケットの右ポケットに入れていつでも食べられるよう。
なんだか気持ちが明るくなって、ココロ穏やか…、月曜日。
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