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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    性別:
    男性
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    1960/01/26
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    表参道で仕事を終えて、ランチを鳥政。

    torimasa.jpg青山通りからなだらかに下がってつづく小さな路地。
    そこに面した焼き鳥屋さん。
    かつてここの路地。
    道の両側に潅木が生えていて、昭和な感じの民家がつらなるのどかな通りであったのですね。
    最近、道路の片側に大きなビルができちゃって、ますます路地感が際立った。

    このお店。
    そのまま昭和半ばの映画のセットの中にチョコンと置いても誰も気づかぬくらい、昭和な感じでなんだかホッとしちゃいます。
    お店の中から焼鳥を焼く煙がでてくる。
    当然、おいしい匂いが路地に充満していて、お腹がグーッと音たてる。

    小さなお店。
    扉二枚分の大きさの幅。
    奥に向かってカウンター。
    そこに10人くらいは座れますか。
    テーブル2つ。
    座敷があって、そこに同じくテーブル2つ。
    20人も入ればギッシリ…、その客席のためカウンターの中には3人、焼鳥焼く人、鶏の仕込みをする人に他の料理を仕上げる人と調理スタッフが入ってる。

    955a69c7.jpgラーメンにします。
    焼鳥屋にしてランチの名物はラーメンなのです。
    鶏がら使った、スッキリ澄んだスープを使った自慢のラーメン。
    醤油に塩、それから味噌が用意されてて、感心するのがそれぞれ器が違うのですネ。
    醤油と塩はストンと底に向かって斜めにまっすぐ切り落とされた逆三角形…、昔懐かしい中華そばを食べるような器になってる。
    ところが味噌は底のポッテリ丸いタイプ。
    こうしたところにこだわり持つのが、ステキなところ。
    醤油を選んで、しばらく待ちます。

    焼鳥がもうもう煙を上げて焼かれて、丼お願いの合図と共に、ご飯を持った茶碗がヒョイと手渡されます。
    そこにもも肉、むな肉、つくね、それからネギマをギッシリのっけ、タレをタランとかけ回したらば出来上がり。
    お待たせしましたと、受け取って、カウンターの上に置いたら即座に、お待たせ。
    ラーメン丼がやってくる。
    すべてのモノが自然に同じタイミングにて、出来上がって提供される。
    毎日、毎日。
    毎回、毎回、こうして料理をつくり続ける…、当たり前かもしれないけれど、スゴイことだなぁ…、って感心します。
    しかもこうしたスゴイことを、まるで驕らず当然だよとニッコリしながらし続ける。
    職人魂とでもいいますか、日本の食はこうした人が今までずっと守ってきたに違いない。

    7f647cff.jpg特別な鶏を使ったわけではない焼鳥。
    普通においしい。
    炭の香りが肉をこんがり風味よくして、鮮度も良くてだからプクッと肉は膨らむ。
    ムッチリとしたもも肉も、サッパリとした胸もおいしい。
    コリコリ軟骨混じりのつくねも、タレをタップリ吸い込んで味わい豊かで魅力的。
    面白いのがココのネギマ。
    薄く開いた鶏胸肉でネギをくるんで焼いている。
    鶏と鶏の間にネギという普通のネギマじゃなくって、鶏の間にネギが入ってるという日本橋の伊勢廣なんかも同じ流儀で、ネギの食感と辛味が存分に味わえる、ボクは大好き、オキニイリ。

    ラーメンの麺はごりっと硬くて歯ごたえがあり、しかも縮れた中華そば的なつかしき麺。
    醤油の風味とラー油がピリッとアクセントになるサッパリスープはゴクゴク飲める。
    他の具材はメンマとわかめ、それにうずらの玉子というのが愛らしくって、お腹をやさしく満たしてくれる。
    何度食べても飽きずおいしい、オキニイリ。

    近所のサラリーマン…、それもちょっと熟した感じのおじさまリーマンで満席になるこの店に、若い女性の3人組が恐るおそるやってきて、テーブルに付き「何にしましょう」というお店の人の質問に、こう答えます。
    「スゴく前にV6がきたと思うんですけど」。
    お店の人も手慣れたもので、醤油ラーメンと味噌ラーメンお召し上がられましたって…。
    それをたのんでお嬢様たち、キャーキャーしながら食べていた。
    日本はまだまだ平和な日本、おいしいモノは日本を元気にしてくれる。



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