九州からの友人と待ち合わせをしてトップという店…、渋谷の駅の前にある。
駅前のビルの地下にある店で、けれどその入り口はビルの裏という便利な場所の隠れ家立地…、そのロケーションがなんともたのしい。
丹精込めて入れるコーヒー…、豆はハンドピックで良いモノだけを選んでロースト、挽きたての豆を使ってサイフォンだてする。
かつてコーヒーがおいしい喫茶店はみんなそうして作ってた。
サイフォン派かドリップ派と、その部分だけはそれぞれこだわりありはしたけど、豆を選んで丁寧に焙煎、挽きたて、落としたて…、エスプレッソが今ほど幅をきかせぬ時代の美徳であります。
アイスコーヒーをたのむとすでに、砂糖で甘くしたものがくる。
昭和喫茶の流儀のひとつ。
しかも上にポッテリ。
ホイップクリームがのっかっている。
喫茶店のコーヒーは、熱かろうが冷たかろうが、ゴクゴク飲むものじゃなくってユックリ味わい、時間をたのしむためにあるんだというコトなんでしょう。
せっかくだから、ココのトーストを食べてみませんか…、と。
トーストを使ったオープンサンドイッチのような料理がたくさん用意されてて、中でも牡蠣のオイル漬けを使ったモノが名物品。
中でも一番贅沢なオイスタートーストたのんでわけった。
薄切りトースト。
コンガリ片面だけを焼き四つ切りにして、燻製にした牡蠣のオイル漬けを一個づつ。
のっけてネギとマヨネーズ。
見た目も贅沢ならばカプッと噛んだ香りに味わいが、なんともゴージャス。
不思議なほどにマヨネーズとかネギの味わい、風味が希薄でパンともどもにすべてが牡蠣のオイル漬けのために存在しているような、見事な仕上がり。
パンのカサカサ、牡蠣のムッチリ、口の中がにぎやかになる。
これが困ってしまうことに、コーヒーじゃなく水割りあたりにピッタリきそうな味わいで午前中にはいささか不適(笑)。
一口ひとくち味わって、ユックリ会話をたのしんだ。
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ところで下の写真に写ったカラフルケーキ。
抽象画と呼ばれるジャンルを作り出したといわれるオランダ出身の芸術家。
モンドリアンの代表作のような造形。
実はこれ、実際に食べることができるのだという。
ただ、サンフランシスコまでいかなきゃいけない(笑)。
サンフランシスコの近代美術館の中にあるカフェ。
「Blue Bottle Coffee Bar」で売っている。
レシピを作ったのはそこのパティシエ「Caitlin Williams」さん。
美術館が企画する展覧会ごとに、その企画展からインスパイアされたデザインのケーキを開発しているんだという。
ちなみにモンドリアンのケーキはキレイに彩色したパウンドケーキにチョコレートをコーティングしてモザイク状に組み上げたモノ。
美術館におけるカフェのありようの、ひとつの理想形のようでなんだかステキ。
しかもその一連の作品が今回、本になったと言います。
その本の表紙が実は、この写真。
コレ以外にも、リキテンシュタイン、シンディ・シャーマンなどなど。
いわゆるモダンアートの巨匠たちの作品をモチーフに、数多くのケーキを作って発表しているというのですネ。
その一連の行程や今まで作られたケーキを紹介したビデオを下に貼っておきます…、メープルソープのあの作品が、あんなふうになっちゃってたりするのがステキ…、笑えます。
MODERN ART DESSERTS from Clay McLachlan on Vimeo.
それにしてもステキなカフェ…、美術館にこういう場所があるのって、ステキだなぁってやっぱり思う。
特に近代美術館って、モダンなカフェが似合う場所…、ニューヨークの近代美術館のビストロなんてステキだものなぁ…。
そういえばサンフランシスコに行ってない。
本当に長い間、いけてなくってひさしぶりに行く言い訳にこのカフェを使うのなんてステキかもネ!…、と思いもしました、オキニイリ。
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