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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    サカキシンイチロウ
    年齢:
    65
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    先日、赤坂で食べ損なったお昼ご飯。

    ygb.jpg「やげんぼり」に再来す。
    先日はランチライムのまっただ中で、お店の外に溢れ出すほどにずらり、行列。
    あえなく撃沈。
    そんなことにならぬよう今日はスタートダッシュが大切と、急いできます。

    今朝の粋なおしめりで、いつもの路地がしっとりしてる。
    濡れた小道に、柳の木。
    緑が潤んで揺れている。
    玄関先に置かれた行灯の光が地面に映って光る。
    日本の景色はこうして適度な湿り気が、そのうつくしさを際立てる。

    暖簾をくぐり、扉をガラガラ。
    玄関先に人影はなく、あら、早すぎたかしらと思ったところにお店の人が顔を出す。
    まだ営業前ですか?って聞いたら、「いえいえ、お待ちしておりました」といわれてニッコリ。
    靴脱ぎ上がって、カウンターの端に陣取る。
    玉子を焼く人の見事な手際を眺めることができるこの店、唯一の席。
    ファーストゲストの特権ですな。

    db482b6b.jpeg厨房の中は見通しのきく壁で前後に仕切られていて、手前側には魚を焼くための炭場と、刺身をひくための場所。
    奥にはガスのコンロや冷蔵庫。
    お客様にあくせく働く舞台裏まで見せてしまうのは粋じゃない…、と客席からは前半分だけが見えている。
    それもひとつのおもてなし。
    板間の上には木のお櫃。
    山のようにつまれてご飯の注文を待つ。

    昼の作業は手早いです。
    座ると即座にほうじ茶がくる。
    土瓶にタップリ。
    それに続いてお漬け物。
    そしてご飯がお櫃できます。

    ご飯をおいしく出しましょう…、と言う店がたくさんふえて来てはいる。
    けれどそのほとんどが米の銘柄、炊き方なんかを売り物にする。
    けれど炊き立てご飯をそのまま食べておいしいか、というとほどよく蒸らされ余分な水気がなくなったとこが本当はおいしい。
    お櫃に移すと木が水蒸気を吸ってくれ、パラッとスベスベ。
    食感さわやかなご飯ができる。
    ここはそんなやり方にこだわるお店…、お櫃の上のしゃもじがまるで削れるほどに使い込まれて、シットリ水気を含んだ状態。
    こうした景色を眺めると、料理は食べる文化って思わされます。

    メインを出汁巻き玉子にします。

    46abbd3a.jpegボクの目の前でできあがる今日のゴチソウ。
    クルンクルンと一巻きごとに太ってく、色鮮やかなその姿。
    磨き込まれた真鍮の鍋。
    手首を返しあらたな一巻きができあがるたび、タプンとゆれるその表面。
    どれもがとてもウツクシく、みればみるほどウットリします。

    できあがった出汁巻き玉子も当然、フルンとウツクシい。
    出汁をタップリ含んだそれは、自分の重みでその出汁がにじみ出すほどシットリしてる。
    箸でひとかけ。
    ゆったり揺れて、口の中でやさしくこわれて出汁に戻ってく。
    まるで箸でつまんで持ち上げられる茶碗蒸しのようななめらか。
    出汁を玉子で巻いた料理が出汁巻き玉子。
    今更ながら言葉の意味を思い出す。
    これほど優雅でやさしい玉子の料理って、他のどこにあるというのか…。
    日本にいればこそのシアワセ、うっとりしながら味わった。

    お櫃の中のスベスベご飯。
    不思議なことに一膳目より、二膳目、そして三膳目とよそおいなおす旅においしさが増してくる。
    お櫃のパワーにおかわりすすんでしょうがない。

    e858ff44.jpeg大根、スグキ、蕪に蕪の葉。
    柴漬け、茄子にキュウリの浅漬け。
    彩り、味わい多彩な漬け物。
    ここの出汁巻き玉子はご飯のおかずにするのが勿体ないほどに、やさしく儚い存在で、だから漬け物お供にご飯を食べる。
    ご飯そのものがおいしくて、だからそれで充分いける。
    味わい豊かな赤出汁にちりめん山椒がこれまたご飯をおいしくさせるわき役。
    心おきなく日本の食を堪能します、またきます。

    食事を終えて表に出たら、ニコニコ顔の女性がカツカツ早足で、お店に向かってばく進してる。
    ボクは仕事へ、レッツラゴー。

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    今日もフリッツ、赤坂見附。

    6480710f.jpeg先日、ひさしぶりにやってきて、どうにもこうにもまた来たくってしょうがなくなった。
    うっかり常連さんの真ん中に座ってしまって、彼らが食べるちょっと外した非王道系の料理がどれもおいしげで…。
    ラーメン。
    ハムかつ。
    カツカレー。
    どれを食べよう?じゃなくて、全部食べてやろうと思い、友人誘ってやってくる。
    一人の胃袋じゃ今日はどうにも足りない予感。
    それで二人でやってきて、食べたいモノをかたっぱしから。
    ひさびさたのしい、大人食い。
    時間も開店とほぼ同時。
    食べたい料理のほとんどが、売り切れ仕舞いでだから早めにやってきた。

    まずは支那そば。
    洋食屋さんでラーメン…、と言えば日本橋のたいめいけん。
    昔からの名物で、オムライスやハンバーグ定食のスープ代わりにズルッとたぐる食べ方が好き。
    あまりの人気に立ち食いのラーメンコーナーまで出来てしまったほどで、もしかしたらそのリスペクト?

    55ee2ca9.jpegタップリのメンマに海苔。
    ほんの少しの背脂がスープに風味を添えている。
    見事な出来映えの半熟玉子が彩りになり、目にも鮮やか。
    縮れの少ない麺がスルンとスープをタップリたぐりよせてくる。
    最近、麺のおいしさを強調するようなラーメンばかりがめだつけれども、スープを味わうためのこんなラーメンもいい。

    ススッと麺を箸でたぐると、フワッと煮干と鶏がらスープの香りが漂い鼻をくすぐる。
    生姜の風味。
    胡椒の甘い香りが一緒にやってきて、ズズッとすすると、あぁ、おいしい。
    ざわざわとした味わいとでもいいますか…。
    いろんなうま味が次から次へとやってきて、けれど基本はスープのうま味と醤油の風味。
    そして油の甘みがササッと幕を引く。
    その繰り返し…、箸が止まらぬおいしさとでもいいますか。

    594474ba.jpeg実際、たのんだのはとんかつラーメン。
    ベースの支那そばのチャーシューの代わりにとんかつという趣向。
    最初からのっけることもできるし、別皿にしてももらえる。
    今日はミニカレーとのセットにしたので、カツを別ぞえ。
    これでカレーとカツカレー、ラーメンそれからとんかつラーメンって全部で4種の料理を一度にたのしめる。
    経木にのってやってきた、ラーメン用のとんかつは薄くてパリパリ。
    カレーやラーメンスープになじむようにできてる。
    分厚いカツがおいしいカツとは限らない。

    そのまま食べると、塩と胡椒の下味がしっかりついてて、パン粉が旨い。
    肉がクチャッと潰れる感じが、たしかにとんかつ。
    そのあげたてをスープの上にそっと置く。
    パーッと揚げた油が広がり、パン粉がやさしくふくれてく。
    そのスープまみれを箸でつまみ上げ、食べるとジュワッと汁が出てくる。
    不思議なことにそれはラーメンスープじゃなくて、コンソメベースの洋風スープの味がしてハラッとくずれるパン粉がまるでクルトンみたいになるステキ。
    こりゃ、くせになる。
    たいめいけんの、エビフライのせラーメンもおいしいけれど。スープと麺との一体感はここのとんかつラーメンが一枚上手…、感心す。

    セットのカレーも洋食屋的。

    1ea5a2a3.jpeg黄色いルー。
    カレー粉っぽい風味と香り。
    味のベースはブイヨンで、かなり濃厚。
    けれど辛みはほどほどで、激辛料理に慣れた口にはやさしすぎるにか、ものたりない。
    昔の人の辛さに対する許容度は、今のようにはたかくなかったと言うことでもある。
    けれどこうしたやさしい味に出会うと人は何かをたして食べたくなるものなんでしょう。

    たとえばカツをのっけると、カツのうま味がカレーにコクを与えると、同時にカツの味も壊さずおいしくさせる。
    ウスターソースをかけると酸味と風味がくわわりコクになる。
    そういえば昔の人は黄色いカレーにソースをかけてたべていた。

    カツにカレーにご飯にソース。
    口の中で渾然一体になっておいしくなっていく。
    そこでラーメンスープをゴクリとやって、怒濤のごとくお腹の中におさめてく。
    繊細な味を豪快に。
    男のゴチソウって言う感じ。
    しかもここでも薄目仕上げのカツが効果をあげている。
    カレールーとの絡みがよくて、そのまま食べるよりもおいしく感じるステキ。
    身の程知った適材適所にウットリします。いい感じ。

    そしてハムカツ。

    522096de.jpegここの自家製ハムはおいしいのです。
    肉のうま味がカチッと凝縮されて、風味も豊か。
    よく冷えたリースリングとあいそうな味でそれに贅沢にもパン粉をつけて揚げたカツ。
    几帳面に長方形で、細かなパン粉をぎっしりまとって程よく厚い。
    プチュンと系のロースハムじゃない。
    ムチュンと系のボロニアソーセージっぽいハムで、味わい濃厚。
    そのまま食べても十分おいしい。
    カサカサとしたパン粉と混じって、風味も香ばしく今まで食べたことがあるハムカツとまるで違った、味わい、食感。
    ミートローフを揚げたみたいな、ふっくらとしてジューシーなご飯のおかずにぴたっとする味。
    ここのお店で一番安い定食がこれ。
    普通のカツを安くしなかった。
    安くておいしい料理を真摯に考えた、結果の一品。
    スゴいなぁ…、って感心します。
    ランチタイムを前にして、どんどん人がやってきて、満席近くになっていく。
    そのにぎやかさもたしかなゴチソウ、また来なくっちゃ!って思うなり。

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    夜、赤坂見附で時間ができて、打ち合わせの前にフリッツで揚げ物ランチ。

    fritz.jpgプルーデンシャルビルの一階。
    トンカツが売りのお店ではあるけれど、洋食フリッツという名前の通り、いわゆるトンカツ専門店じゃなくて基本は洋食屋さん。
    メインは揚げ物。
    けれど他にも、カレーがおいしく、夜になると自家製ハムや煮込み料理のような洋食メニューが充実してる。
    トンカツ屋と思ってくるとサッパリしすぎてちょっと物足りないかもしれない。
    けれどお腹にもたれぬココの揚げモノ。
    ボクは大好き、でも久しぶり。

    長らく機会がなくってそれでどうだろう…、1年ぶりかもしれぬ本当に久しぶり。
    ランチメニューをみるとなんと、ラーメンをはじめていたりしてビックリ。
    昔はとても高級で、けれど今ではハムかつなんかを売っている。
    ハムかつランチを試してみよう…、と思って注文したらば売り切れ。
    時間が1時過ぎでしたから。
    とんかつラーメンにしようかなぁ、って思いもしたけど今食べないとなくなっちゃうカキフライをたのむことにした。

    e5f3c57f.jpegしばらく待ちます。
    その間にボクの回りに料理が次々やってきます。

    まずはハムかつ。
    ほぼ正方形のカツの断面が、肉感的なピンク色した絵に描いたようなハムのカツ。
    思わずお箸が出そうになる。
    それに続いてとんかつラーメン。
    スープの香りがあまりに良くて、思わず喉が鳴ってしまうほど。
    アレも食べたい、コレも食べたい病にかかってしまいそうな魅力的な料理の数々。
    これは近々、また来なくっちゃって思いながらもやってきたのが、このカキフライ。

    あぁ、うつくしい。
    ちょっと色白のココ独特の揚げ上がり。
    上野のポン太や蓬莱を彷彿とさせる昔ながらの江戸前フライの典型的な仕上がりで、実は肉よりエビとかアジとか海のモノを揚げると本当においしくあがる。
    例えばここのエビフライなんて、絶品中の絶品ですもの。
    経木の上に乗っかってくる、まるで天ぷらみたいな風情もご馳走感を駆り立てる。
    太った牡蠣。
    サックリとした衣に包まれ、噛むとプチュンと噛み切れて海の風味をドバッと吐き出す。
    パン粉と一緒になっても、牡蠣の食感、うま味がまるで損なわれない。
    むしろ牡蠣のフックラとした歯ごたえが強調されておいしく感じる。
    このシーズン、食べた牡蠣の料理の中でも出色の出来…、ナンバー1。

    3ac41465.jpegレモンを搾ってウスターソースで味わうフライ。
    ご飯のおかずにピタッとはまる。
    自家製ピクルスをタップリ練りこんだタルタルソースを乗っけるように食べるとシットリ、牡蠣の風味が引き立って、冷えた白ワインを飲みたくなっちゃう。
    手切りのキャベツ。
    シャリシャリしててみずみずしくて、けれどキャベツの風味をなくさぬ、おそらく切りたて。
    お店によってはあらかじめ千切りにしたキャベツを水でさらしてシャキシャキ感を強調させるところがあるけど、水にキャベツの風味が溶け出し、千切りキャベツの残骸を食べてるみたいなコトがある。
    ココはキャベツの風味がおいしい…、これだけでご飯が一杯、食べれるほど。

    ご飯のおいしく召し上がれという心遣いの海苔のふりかけ。
    香ばしい海苔の香りとゴマの風味が、固めご飯をおいしくさせる。
    コッテリとした味噌の味わい旨い味噌汁。
    口直し的にサッパリさせた漬物も、ほどよくおいしくご飯がすすむ。
    ソースもドレッシングも全部自家製。
    仕事がとても丁寧で、当然、油を大量に使っているにもかかわらずお店はピカピカ、空気までもがピカピカで油の気配をまるで感じぬ清潔さ。
    やっぱりこの店、好きな店。
    今度は何人か、連れ立ってきていろんなモノを食べなくちゃ…、って思ったりした、また来よう。

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    昼を赤坂、やげんぼり

    ybori.jpg東京でも、ここほど風情のあるお店ってなかなか他にみつからない。
    赤坂の街の小さな路地。
    表通りを歩いてて、ここにこんなお店があるなんて、まる思えないほど小さな路地に面して入り口。
    その入口の近所だけが緑に覆われ、柳の枝がユラユラゆれる。
    周りの空気までもがシットリしているように感じる。
    黒塀。
    打ち水。
    やさしく風に揺れて手招きするのれん。
    行燈から漏れる仄かなやさしい灯り。
    ココだけ京都って言い張っても、十分とおりそうな風情で、旨い物が待っているって予感がします。

    ガラガラっと引き戸をあけて、靴を脱ぐ。
    一階、二階と客席があり、かなり大きな店ではある。
    けれどやっぱりココで食事をするならば、厨房が見えるカウンターか掘りごたつ式のテーブル席でいただきたいもの。
    それで早めにやってきて、厨房の真正面の一等席をもらえてウレシ。
    キレイに磨かれた厨房の中。
    見るからに板前らしい姿、仕草の調理人がニコニコしながら働いている。
    お店の外も、お店の中も風情があるって、いいよなぁ…、って思いながらさて昼ごはん。

    0467e85e.jpegお昼の定食の一番の売りは「おひつご飯」と「お漬物」。
    よく使い込まれた檜のおひつ。
    洗いこまれて、ところどころがゴツゴツしている。
    蓋の上には木のシャモジ。
    これも同じく磨きこまれて、先のクルンと丸いところが濡れている。
    ご飯粒がくっつかないように、水に浸けてそれから使うこうした配慮。

    たしかに昔、ボクの家にもこうしたおひつがあった。
    今では保温機能付きの電気炊飯器におされて家からおひつはなくなった。
    けれど、炊いたご飯をこうしておひつにうつしておくと、余分な水気がおひつに吸収されるためご飯がベタベタしないのがいい。
    特にココのご飯は固めでツヤツヤしてる。
    ご飯だけでも十分おいしく、おかずがなくても茶碗一杯くらいは食べれる。

    それに漬物。
    大根、キュウリ、赤大根に芥子菜、しば漬けと全部で8種類ほどが、お皿にこんもり、かなりの分量やってくる。
    シットリとしたちりめん山椒のおいしいコトには、何度利用してもビックリします。

    出汁のきいたおいしい赤だし、それから小鉢の切干大根。
    これらに一品、メインの料理がついてなんと1050円というお値段で、12時ちょっと前にしてほぼ満席の大人気。

    159bdde0.jpegメインのメインはだし巻き卵。
    お皿一杯。
    あふれんがばかりにボリュームたっぷり。
    フンワリ、ふっくら、箸を当てるとプチュンと切れて出汁がジュワッと流れて出てくる。
    口に入れると熱々、シットリ。
    焼いて作った料理なのに、まるで焼けた気配がしない。
    食材を焼くというコトは、その食材の水気を飛ばしてうま味を凝縮させるコト。
    けれどこの玉子の料理はみずみずしさを失っていない。
    まるで蒸したか、茹でたかのような料理で、こんな料理はなかなか他に見当たらない。
    舌にのせるとそれだけで、舌の上にうま味が広がる。
    醤油で洗った大根おろしをちょっとのせると、その香ばしい風味が玉子の香りをひきたてうま味が甘みに変わってく。
    かなりの大きさ、分量があっという間にお腹の中におさまっていく。

    eb60cc4d.jpeg他にもとろろや湯豆腐なんかがメインに控える。
    湯豆腐って、自分の家で作って食べるとただの豆腐をお湯に浮かべただけのなんだか味気ない料理に思える。
    けれどこうした、和食のお店で作ってもらうと、なんだか違った料理にみえる。
    昆布のうま味がうつった鍋。
    そこでコトコト煮こまれた、絹ごし豆腐を網ですくってポン酢に沈める。
    上等な店のポン酢は、なんでこんなにまろやかなんだろう。
    ツンと尖った酸味もなくて、スキッと香りもさわやかで、豆腐の風味を邪魔しない。

    焼いた魚もまた見事。
    西京味噌につけた魚を皮目をガリッと焼いたモノ。
    ムッチリとした身のおいしさは、それひとかけでご飯を茶碗半分くらいはいけそうな、濃厚な味。
    汁に漬物、小鉢に料理と、どれを食べてもご飯が旨い。
    いくらご飯をお代わりしても足りなくなるんじゃないかしら…、って心配するほどおかずもご飯もおいしく感じる。

    気づけばカウンターには御婦人方のお客様でもう満席。
    テーブル席もほぼ満タン。
    宣伝をしている訳でも広告する訳でもなく、それでもこうして人がココを目がけてお客様がやってくる。
    同じことを正直に、ずっとし続けてるからこそのこうした繁盛。
    飲食店ってこうじゃないとネ…、って思ったりした、また来よう。

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    渋谷で昼をとることになり、どこにしようかと東急プラザの上に来る。

    houraitei.jpg若い人たちが騒々しく歩き回ってる渋谷の街で、ヤング指数が一番低い場所がおそらここ。
    東急プラザ。
    若者メッカのセンター街に背中をむける駅裏感がバリバリの場所。
    地味めのお店の小売フロアに、固い会社のオフィスがいくつか。
    このレストラン街もちょっと高めのお店がそろう。
    高めというのは年齢層と価格と敷居。
    ぜぇんぶ高めで、どこのお店も狭い入り口。
    しかも重厚な造りになっていて、ふらっと入れる雰囲気がない。
    はじめてくるとかなり戸惑う。
    どこにしようかとちょっと迷って、折角だからなかでも一番、入りにくそうなお店を選んだ。

    とんかつの店「蓬莱亭」
    小さな入り口に暖簾が揺れる凛としたたたずまいにて、こうべ垂れつつ暖簾をくぐると、おやまぁ。
    かなりの数のお客様でにぎわっている。
    常連然としたおじさま客で、お馴染みさんの比率が高い。
    いらっしゃいませ…、って迎える声も元気で気さくで、外からみるとはまるで違った気さくな雰囲気。
    渋谷という街。
    若い街といわれはすれども、当然、熟した世代も勤めていたり住んでいたりするわけで、そうした人の避難場所のようになってるんでしょう。
    そういうボクも避難して来た口ですな…、おじさんランチ。

    27887fe3.jpegとんかつ屋にしか見えぬ店内にホッとしながら料理をまちます。
    料理ができてく気配が伝わる程よいサイズのいいお店。
    おもしろいのがこのお店。
    定食たのむと小鉢をひとつ選べる仕組み。
    全部で10種類ほどの小鉢があって、どれもがかなり魅力的。
    ひとつだけでは勿体なくて、ひとつ追加して2つたのんだ。
    マカロニサラダともずくの酢の物。
    もずくはお腹をスキッとさせてやるためのモノ。
    マカロニサラダは、多分こうしたお店で食べるとおいしいだろう…、って思ってそれでたのんで食べた。
    直感、正解。
    シットリしててクニュクニュで、甘酸っぱくってみずみずしい。
    口の中をスルスル滑って、メインの料理をおねだりするのがオモシロイ。


    ちなみにこの日記。
    お外仕事の途中にiPhone用のATOKにて作ったモノで、マカロニと入力しようと「まか」と入れるとして候補文字列に「マカロン・マカロニ」の順ででる。
    一昔前にはありえぬ、今を感じる、オモシロイ。


    6d6ccd25.jpegちょっと待ちます。
    かなり丁寧に揚げているのでしょう。
    ボクの周りのおじさん達も、お茶を飲みのみ辛抱強く待っている。
    おなじみさんは数人連れでやってきて、話に華を咲かせてる。
    大人は待つ物…、ファストフードなんかにゃ無縁だわい!って感じがステキで一緒にまった。

    選んだ料理は「三品盛り」って言う、今日のおすすめ。
    串かつ、コロッケ、しいたけメンチの三種類の揚げ物がつく。
    オモシロイ。
    どれもがサイドの料理のようで、けれど実はそれがココの名物料理。
    たしかにどれもキチンとしてる。
    豚の端材と玉ねぎで作った串かつのその玉ねぎが、透き通りはじめたところで火が止まってる。
    だからシャキシャキ歯ごたえとても良い。
    熱を入れすぎるとこれがトロンとやわらかくなり、串かつらしさを無くしてく。
    その寸前の一番おいしい状態に、ウットリします。
    芋コロッケはドッシリしてて、パン粉と一緒に口の中でカサカサねっとり、おいしいペース状になる。
    どんこ椎茸で挟んだミンチはおどろくほどにフンワリ。
    クチュんと歯切れる椎茸の風味や味を邪魔しない。
    千切りキャベツのシャキシャキとてもみずみずしくて、豚汁、ご飯もとても上等。

    4e1a7f29.jpegただちょっとだけパン粉衣が苦いところが気になるかなぁ…。

    古い油で揚げるのでしょう。
    昔のとんかつ屋さんではよくあることで、力をなくした油で揚げるとして衣がバリッと揚がるんですね。
    油切れもよくなるし、ザクザクとした乾いた歯応え、たのしく感じる仕上がりになる。
    苦みそのものを「専門店の料理の証」と愛でる人もいるほどで、これもまたよし。
    個性と感じた、悪くない。
    食事の間、ずっとお客様が入れ替わってく。
    ほとんどすべてのお客様が60以上という成熟ぶりで、お店にいると渋谷にいるのを忘れてしまう。
    上野や浅草。
    トンカツってそういう場所がハイカラだった時代の食べ物。
    だからこの客筋って理想的なのかもしれないなぁ…、って思ったりもする、どうだろう。

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