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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    昼を赤坂見附でランチ…、「やげんぼり」って割烹料理のお店に来ました。

    9e9166c2.jpeg東京駅から青山にゆき、仕事をいくつかこなして赤坂。
    駅で友人と待ち合わせをして、さぁ、お店に向かおうと思った途端に大粒の雨。
    「一点にわかにかき曇り」ってまるで講談のワンフレーズを現実のモノにしたような、暗い空から雨に雷。
    ビックリしました。
    傘差し、急ぎ足にてお店に向かい、暖簾をくぐってガラッと扉を開けて飛び込む。
    いらっしゃいませ…、と出迎えられて、ホっとする。
    一戸建ての日本家屋をお店にしたココ…、雨の気配が店の中まで忍び込んでくる。
    雨宿り的な風情がたのしい。

    料理をたのむとまずはお櫃がやってくる。
    使い込まれて磨かれた杉のお櫃で、冬はシットリ濡らされている。
    湿度の低い季節は濡らして、中のご飯の乾燥防ぐ。
    徐々に湿度が上がってきた今。
    しかも今日は雨降りで、だからお櫃はそのまんま。
    蓋を開けると、中はシットリご飯の湯気て軽く濡れてる。
    余分な水気を吐き出したご飯は固めで、ほどよくシットリ、みずみずしさを保ってる。
    ご飯をおいしく炊こうと努力をする人たちは多いけど、おいしく炊けた後のことまで気遣うお店はそれほどなくて、だからココのご飯が大好き。
    f6c88f34.jpegもともと京都に本店のあるこのお店…、京のご飯のお供と言えばまずは漬物、それからちりめん山椒というのが昔っからの定番で、だからココもまずは漬物、ちりめん山椒がやってくる。
    どちらも自家製。
    カブに大根、スグキにナスと種類豊富で、ご飯がすすむ。
    お土産としても売られてるちりめん山椒はピリッとしびれ、噛めば噛むほど魚の旨味が滲んででてくる…、メインの料理が出てくる前にまず一杯分、茶碗のご飯が消えて行く。

    95fa01e8.jpegココのお昼のメインの売りは出汁巻き玉子。
    実は今日、その友人を誘った口実が「旨い出汁巻き玉子を一緒に食べよう」ってコトだった。
    けれどそれを忘れてウッカリ出汁巻き玉子を朝に食べちゃった。
    だから出汁巻き玉子は友人に譲って、ちょっと分けてもらって、ボクはトロロがメインの定食選んで食べた。

    大きなお椀に味をうっすらつけた自然薯。
    体に染み入る滋養に満ちたゴチソウで、秋から春にかけての料理。
    夏になるともっと涼しい料理をどうぞと、冷や汁をご飯にザバッとかけてたのしむ、汁かけご飯に変わってしまう。
    それはそれでおいしいんだけど、ココの固めのご飯にネットリとした自然薯トロロがあうこと、あうこと。
    夏になってしまう前に食べとかなくちゃとそれであるかと聞いてみる。
    それというのもこのトロロ。
    結構人気が高くて、ときに売り切れになっちゃうこともあって数回、食べ損なったコトがある。
    ええ、まだございます。
    天気予報のせいでしょうか…。
    今日はお客様の出足が鈍くて、まだございますって。
    雨の中をやってきて、良かったなぁ…、ってニッコリしました、いただきます。

    d4445fff.jpegおわんの中を満たすとろろの上に、赤くツヤツヤした物体と、生海苔タップリ。
    赤い物体の正体は、マグロの漬けとイクラの醤油漬けであります。
    ただの自然薯だけでないのがゴチソウ感をあおってくれる。
    器の中にさじを突っ込んで、グリンと下からかき混ぜる。
    おわんの中が思う以上にどっしり重たく、したたか抵抗してくるところを構わずグルンと混ぜると、目に鮮やかな黄色が下から浮かんでにじむ。

    温泉卵が沈んでて、そのスベスベとネットリがとろろのトロトロ感に混じって、口の中がなめらかになる。
    体の中に染込む滋養。
    ご飯と一緒に口に含むと、お米がスベスベ、トロロに乗っかり口の中を滑ってきえる。
    口の中が騒々しくなりとてもたのしい春のゴチソウ。
    気づけば、外の雨も上がって青い空…、気持ちも明るく満腹になる。
    ちなみにお一人様1050円という財布にやさしい値段でもある…、東京ランチはなんとお値打ち、アリガタイ。



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