四谷三丁目でちょっと飲もうか、と街をぶらぶら歩いていたら見慣れぬ看板を発見…、2つのお店が上下に並んで書かれてる。
一つは魚民の280円均一バージョン、もう一軒は「韓流居酒屋グンチャン」。
多分、どちらも魚民系列…、とうとう居酒屋チェーンも韓国料理のお店をはじめるようになったのかもしれないなぁって、気になりそれで覗いてみようとやってきた。
オフィスビルの二階のあって、なんと入り口はひとつしかない。
入り口入って中に2つのドアがあり、ひとつは魚民、もうひとつがグンチャン用の入り口という具合になってる…、中に入って、ははぁー、なるほど。
これはおそらく、かつて全部魚民で使っていた店。
おそらく宴会用の個室部分を韓国料理の居酒屋に改装したに違いない。
その改装も、サムギョプサル用のダクトを天井からぶら下げて、天井いっぱいに万国旗を吊るし、壁に韓流スターのポスター貼ってそれでおしまい。
あまりの安直。
このやり口は「韓豚屋」ってここ数年、積極的に韓国居酒屋を展開していお店のやり方。
豚のロゴも似ていてパクったなって思ってしまう。
そういえば、壁で一番目立つポスターがサントリーの「ソウルマッコリ」のポスターで、そこでニタニタ笑っているのがチャングンソクでございます。
もしかして…。
グンチャンっていう店名の、そのグンチャンはチャングンソクちゃんのことなのかい?
なんちゃって感が否応なしに高まっていくいいチョイスかもねって笑ってしまう。
ビックリしたのが、にも関わらずビールはキリンの一番搾り。
あれっ、ソウルマッコリはサントリーなのに…、って思ってドリンクメニューを開いてみると、ハイボールのお酒は角にトリスとあります。
普通、チェーン居酒屋のお酒はどこかのメーカーに統一するのが普通だったのに。
作ってる人よりそれを多く使ってやる人が、発言力がある時代。
トリスおじさんもまさかキリンの下で微笑む日が来るなんて、昔は思いもしなかったでしょう、カワイソウ。
酒販メーカーが入り乱れてのメニューが不思議である以上に、「グンチャン」のメニューと一緒に「魚民280円」のメニューも置かれる。
それだけでなく、モンテローザグループ共通のフェアーメニューもあったりもして、一体ココはどの店なんだ?って思ってしまう。
しかも280円均一なのは魚民のメニューだけ。
グンチャンメニューはどれも500円以上というかなり強気の価格体系。
今が話題の韓流ならば、高くふっかけても大丈夫だろう…、ってコトなんでしょう。
例えば同じ餃子でも、魚民餃子は280円。
一方、韓国風の辛口餃子はなんと680円と笑っちゃうほどの価格差で、なら価格通りの品質か?って言うと、これがなんとも哀しいかぎり。
いくつか料理をたのんでみます。
韓国風の塩サラダ。
菜っ葉に海苔に塩ダレに、ネギをタップリ細切りにして盛り合わす。
みためは確かに韓国風で、食べると焼肉用の塩ダレをそのまま使ったような味わい。
喉が乾いてしょうがない。
石焼ブルダックって料理をたのんでみたらば、これはどっしり辛くてなかなかなモノ。
けれど小さな石鍋の、底に貼り付くような分量。
やっぱり高い…、例えば東京のいろんなところにあるチェゴヤっていう韓国料理の居酒屋にいけば同じ値段で3倍くらいの量がやってくるだろう…、って。
割高感の頂点にあると思ってしまった料理がおでん。
韓国風の練り物をスープの中で煮込んだ料理で、なんとペラペラの練り物4切れ。
スープはまるでうどんだし。
ネギに赤い唐辛子と、写真で撮ると大きな鍋に入って来たようにみえるのだけど、お椀程度のアルミの鍋でこれでなんと480円という驚愕値段。
料理をつくる厨房は、両店共通。
だから韓国料理を作ってやろう…、って真剣さすらないのでしょうネ。
どれを食べても本物じゃなく、これで韓流を名乗るおとぼけ。
いろんな人に謝らなくちゃいけないお店じゃないかと思った。
まずは韓国の人たちに。
それから韓国料理を好きな人たち。
なにより、お店に来た人たちに。
とは言えお店の人たちは必死の形相で働いている…、最小限の人員で会社が決めたコトをシッカリやっているけど、それでもこうした状況になる。
本来謝るべき人は、お店にいないというこの残酷。
全国チェーンの居酒屋は、もう臨界点にきているのでしょう。
いつ壊れてもおかしくはない、根本的な部分を変えるわけにはいかず、見た目を変えてお茶を濁す程度のコトしかできない辛さ。
飲食店の価値はお店の数や会社の大きさで、決まる訳じゃないんだよ。
お客様にとっては目の前の1店舗が、かけがえのない唯一無二のお店であって、ひとつひとつのお店が正しく戦えるよう環境づくりをするのが経営者の仕事なんだと。
そんなコトをしんみり思う。
ちなみにこの店。
大衆的なお店にしては珍しく、テーブル会計を取り入れている。
サービス向上が目的じゃない。
一軒のお店を2軒に無理やりした上に、余計な設備投資はしたくなかった。
だからレジはそのまま一つ。
おそらく店長も2店で1人しかいないのでしょう…、レンジを管理する上にもしょうがないからテーブルチェックにしてしまえってことのようにしか思えぬ不思議な出来事。
この店、実は今日はじめて気がついたのだけど、調べてみたら去年の9月にはもうできていた。
しかもお店の人たちが、オーダーエントリーの端末の扱いに慣れていなかったり、商品の名前を覚えていなかったりと、そのサービスにてっきり最近、オープンしたモノって思い込んでた。
いつまでこうしてこのままで、やっているのか?って心配したけど、しょうがない。
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