午前中の仕事を終えて、原宿の街で待ち合わせ。
いつもは平日の昼に時間がとれない人が、ボクオキニイリのお店でランチをとりたいと。
「食工房眞」という店。
ランチは平日限定というコトでずっと、ココで食事をたのしめない。
今日、有給をとったというのでならばランチをご一緒しましょう…、と、それでテクリとやって来ました…、原宿の街、冬の雨の降る中でしんみり静かでシットリしてる。
ビルの2階の小さなお店。
おひさしぶりですとやってきたときには、まだ開店とほぼ同時の時間でノーゲスト。
お店の中が見渡せる、カウンターの真ん中に座ってメニューをみていたら、次々、お客様がやってきてあっという間に満席になる。
お昼の時間をまちかねて、近所のオフィスからココをめがけてやってくる。
おなじみさんがたくさんいるって、ステキだなぁ…、って思ったりする。
ココのメニューは決して多くはないのです。
日替わり定食、麺の定食。
親子丼やかつ丼、とんかつ、それにいくつかオカズがあるだけ。
女性だけでやっている店。
厨房の中のほぼほとんどの作業を仕切る女将さんが、できる料理だけがある。
プロが作る料理ではない。
お料理上手のおかぁさんが作る料理が売り物…、だからレパートリーの豊富さで勝負をしているお店じゃないから、それで十分。
ボクはかつ煮を選んでたべる…、これをしようと今日は思っていたのでありまして。
かつ丼の上具。
揚げたばかりのとんかつを出汁で煮込んで玉子でとじて、それをそのままお皿に盛る。
ご飯が別添えでくるのがうれしい。
それというのもこのお店。
もともとお米屋さんをやってた人で、だからご飯がフックラおいしい。
上等な銘柄米というわけじゃなく炊き方、蒸らしや保存の仕方がいいのでしょうネ。
粒のひとつひとつが立って、ほどよく固くしかも見事にみずみずしくて、ご飯だけでもおいしく感じる。
かつ煮をたのむとそのご飯にタップリ、切り海苔のっけてくれるのです。
丼のご飯の上にまずは海苔を散らしてそれから上具をのせる。
その名残り。
普通の定食御飯には海苔はのらない…、だからかなり得した気持ちにしてくれる。
玉子は固めにお願いしますと。
フックラ、出汁をタップリ吸い込みポツポツ小さな穴があくように仕上がる玉子をそっとご飯にのっけて、口に含むとジュワッと出汁が口いっぱいに広がっていく。
かつ丼というのはご飯とかつをたのしむ料理。
かつ煮の丼と一番違ったところは玉子で、出汁を限界近くまで含んでやけただし巻き卵のような玉子の味わいが、なんともゴチソウ。
煮こまれスベスベした玉ねぎと、プチュンと歯ぎれるとんかつと食感さまざま。
全てに出汁が染み込んでいて、全てが出汁に溶け出している…、オキニイリ。
一緒にやってきた人がたのんだここの名物。
「眞定食」っていう基本的には日替わり定食で、けれどかならずメインの料理は煮込み料理というモノ。
普通、定食屋さんには揚げ物を得意にする店と、焼き物を得意としている店の2通りあってココは揚げ物がメインのお店。
でも揚げ物だけだと料理が偏って、と違って焼いて仕上げる料理を作ると人出や手間がかかりすぎる。
そこで煮物。
仕込んでおけばあとは保温をしておくだけで注文入ったら盛りつけるだけ。
時間もかからず、その分、他の料理を作るコトに注力できるから。
試行錯誤で出来上がった、工夫なのでありましょう。
厚揚げだったり豚肉だったり、具材はさまざま。
今日は鶏と里芋で、ちょっと甘めの醤油スープの中でコトコト煮こまれて、やわらかになったところでとろみをつける。
テカテカ、照りがうつくしく、しかも熱々。
里芋、ニンジン。
ごぼうに緑のさやいんげんと野菜タップリで、これこそおかぁさんがたまには野菜をタップリ食べて、元気をだしてね…、っていっているようなやさしい料理。
互いにメインをわけあって、おいしさ共有。
ココの煮物はドッシリとした力強い味わいで、愛に溢れたゴチソウとでもいいますか…、ご飯がすすむしなにより気持ちが豊かになってく。
里芋さんが大好きで、そのスベスベとネットリとした食感たのしむ、オゴチソウ。
追加でいくつか料理をもらう。
小皿料理的なる惣菜が10種類くらいもありまして、おひたしだったりしらすおろし、卵焼き。
やさしい料理に混じっていくつか揚げ物料理が揃ってて、それをふたっつ。
唐揚げ、それからコロッケもらう。
ココの唐揚げ。
醤油ベースのタレに漬け込み、シッカリ味の入ったのにタップリ衣をまとわせてカリッと強めに揚げてやる。
かなりシッカリした揚がり具合で、顎にガツン!と歯ごたえ伝わる。
肉のうま味がそれに続いて流れだし、思わずご飯!と口が叫んでしまう味。
じゃがいもサラダを丸くまとめて、パン粉をつけてサクッと揚げたまん丸コロッケ。
ソースをちょこっとつけてハフっと、食べるとトロンと口の中にて、マッシュポテトに変わってく。
なめらかにしてやさしい味わい、満足す。
セットの小鉢が今日は切り干し大根煮たモノ。
昔、切り干し大根っておばぁちゃんが食べる料理だ…、ってそういい嫌っていたのだけれど、こうした料理がおいしくなった。
切り干し大根、菜っ葉の煮付け、それからヒジキが三大ばぁさま料理だと、昔、勝手に決めつけて、なのに今ではそれらがみんな恋しくおいしく感じる。
つまりボクも立派なじぃさまになってしまったというコトでしょう。
蕪の浅漬け。
それからわかめの味噌汁で、今日のランチのひと揃え。
どれもおいしくお腹も気持ちも満たされて、雨の街へと降りていく。
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