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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    性別:
    男性
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    1960/01/26
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    久しぶりに原宿の昼。

    8e8bb720.jpegこの街に来たらば「食工房・眞」にこなくちゃ帰れない。
    それでココ。
    原宿という街。
    そこを「表参道のある街だ」と思うとどこか気取りがあって、よそよそしさの漂うお洒落な街のように感じる。
    けれどもともと原宿って、新宿でもない、渋谷でもない、ちょっとのどかでのんびりとした山手線の駅の中でも田舎の風情の漂う町だった。
    お風呂も付いていないような安アパートが、沢山あった。
    そこがデザイナーを目指す人たちを惹き付けて、この町はかつてニューヨークのチェルシーみたいな場所だったコトがある。
    ファッション、ヘアー、グラフィックと、デザイナーの前に掲げる専門分野は違えど、みんな自分の好きなコトで喰えるようになりたいと、その一心でどんな貧乏にも耐えるコトが出来た町。
    今ではそうした気配が消えてなんだか青山の端っこみたいな場所になったけど、目を凝らして町を歩くとそこかしこにそんな時代の名残りが見つかる。
    たとえばこの店。
    故郷を遠くはなれてがんばる人に、おかぁさんの料理でご飯をお腹いっぱい食べてってというとてもやさしい雰囲気の店。
    定食屋。
    そのほとんどは男っぷりの良い店だけど、ココはたおやか。
    カウンターに座ると不思議なほどにホッとできるやさしいお店、ボクは好き。

    94731c3e.jpegカウンターにちょこんと座る。
    ワザワザ、ちょっと高めに出来た椅子に座ると厨房の中をちょっと見下ろすようになる。
    ビルの中。
    床下設備を持たなきゃいけない厨房は、客席よりも高く作るのが簡単なのにお客様を見下ろしたくないからなんでしょう。
    客席部分をちょっと上げ、自分たちの居場所を低く作ってる。
    こうしたお店に間違いは無し。

    しかも見下ろす厨房の、床はキレイに磨き上げられ、覗ける手元の調理の手際の見事なるコト。
    ウットリします。
    ひとつひとつの作業をキッチリ確実に、しかもとても丁寧にする。
    料理が次々できていく、その過程すらもがオゴチソウ。
    カウンターの上に扇子が置かれて、どうぞ涼んでくださいな…、っていうのもステキ。
    実家に帰った気分をもらえる、ありがたい。

    306a847c.jpeg煮込み料理がここはメインで、野菜をタップリ食べていってネって、そんなかぁさん的なるやさしさ感じる。
    今日の煮込みは豚バラ肉と厚揚げ豆腐。
    ちょっと甘めのあんかけ風になっているのが、ココの煮物の特徴で味が具材にシッカリからむ。
    なかなかぬるくならないし、ご飯のオカズにピッタリになる。
    だからこうした調理法。
    二つのメインの具材の他に、クニュカリとしたキクラゲに、プチュンとジュースを吐き出す大根。
    青いお豆に細切りゴボウ。
    野菜モリモリたっぷり食べれるたのしい料理。
    余分な油を使わない。
    だから厚揚げ豆腐の油の風味をたよりに味わう、素朴でやさしい味が好き。

    一皿120円で追加することができる小さなお惣菜。
    コロッケ、唐揚げ、卵焼き。
    ポテトサラダやシラスおろしと、どれも見事に家庭料理な数々にいつも、どれをもらおうか…、ってたのしく迷う。
    今日もやっぱり唐揚げにする。

    8745bfe0.jpegボクが何をたのもうか、と迷う姿を厨房の中から笑顔でみつめるココのかぁさん。
    「唐揚げ下さい」って言った途端にニッコリ、顔がほころんで「好きですもんネ…、唐揚げが」ってひと言添えて作りはじめる。
    衣をタップリまとってガッシリ揚がった唐揚げ。
    強めの味をほどこして、噛むとジュワッと鶏の旨味とタレの旨味が一緒に口に広がっていく。
    ご飯のおかずにぴったりの、ボクの好物。

    もともとお米屋さんを経営していたというお父さんが焚くご飯の、おいしいコト。
    ありがたいほど。
    ご飯のおかわりおねだりしたくなるけれど、ここはお代り自由じゃないのネ。
    丹精込めたご飯ですから、お代りするならお金を払ってという当然。
    昔のお店は大抵みんなそうだった。
    お店の人の笑顔と元気はオカワリ自由。
    それでいいんだ…、って思い知る。

    やさしい味わいの味噌汁と、自家製ぬか漬け。
    どれも料理屋さんの料理とすれば迫力にかけ、特徴も欠く平凡な味。
    でもその平凡こそが、毎日食べても飽きることのない家庭料理の特徴でもある。
    上等な平凡。
    やさしい平凡。
    刺激があふれる東京で、かけがえの無い非凡な平凡。
    やっぱりボクは、ココが好き。

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    同じ物
    ボクも先々週ランチで同じ物を食べましたよー。丁度、鳩山総理辞任のニュースを見ながら、お父さんと娘さんが楽しそうに調理されてました。
    本当にあそこは貴重で、あの辺に行く時は必ず立ち寄っちゃいます。
    お茶もソバ茶?で、ほっこり落ち着いちゃいますよね。
    オレンジさん / 2010/06/15(Tue) /
    そうでしたかぁ
    > オレンジさん
    なんという偶然。
    ココのお料理、空気、そしてやさしさってまるで奇跡みたいですよね。
    親子仲良く、しかも手伝いのおばさまたちもとてもにこやか。
    原宿に行くたび出来れば…、って思っています。
    サカキシンイチロウさん / 2010/06/15(Tue) /
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