朝を赤坂…、ちょっとお疲れ気味でして体に染み入るゴチソウ食べたい。
それで「一龍別館」にくる。
韓国料理のお店であります。
小さなお店。
しかもメニューはソルロンタンを中心に5種類ほどしかないという、超専門店。
東京の街に韓国料理のお店が集まる地域がいくつかある。
古くからあるのは上野。
それから大久保、赤坂の街。
上野の韓国料理のお店はほとんど焼肉専門店のようになってる。
大久保の店はサムギョプサルの店ばかり。
赤坂の街は特徴のある韓国料理のお店しか残らないのがオモシロイとこ。
個性的な韓国料理店のメッカにあって、中でもココはかなり特別。
24時間営業で、ランチタイムでも満席になることはないけど必ず、どんなときにやってきても1組、2組、先客がある。
今日も一組。
多分、近所のサムスンあたりに勤めてる韓国系のビジネスマンじゃないかなぁ…。
お店の人とおしゃべりしながら食事をしてた。
長く続いた老舗の一つで、けれど決して有名じゃない。
知る人ぞ知るお店でもあり、韓流マダムの姿がないのになぜだかホっとすると同時に、ソウルに来たような気持ちになってく。
椅子に座ってするべきコトは「ソルロンタンを下さい」と一言いうだけ。
キムチにカクテキ、韓国のりにおかずが続々やってくる。
韓国にいくと当たり前のこの景色…、大久保のお店なんかでもオカズが並ぶところが多くはなったけどココのおかずは種類、クオリティともに抜群。
干したタラを唐辛子味噌で和えたモノとか、おでんの煮込み、もやしのナムルにチリメンジャコを唐辛子炒め煮したモノ。
あるいは出汁をタップリ含ませ焼いた出汁巻き玉子のスライスと、日本の家庭料理に限りなく近いおかずで、でも味付けがちょっとづつ違ってなんだかオモシロイ。
ひとつひとつが丁寧に作られている手作りでそれを食べ食べメインがやってくるのを待つのが、たのしかったりするのであります。
ソルロンタンがやってくる。
雪濃湯と書く通り、雪のごとく白いスープ。
東京でソルロンタンを売る店はたくさんあるけど、ココのソルロンタンが一番おいしいとボクはずっと思ってる。
そして来る度食べてみて、それが間違ってないというのをたしかめる。
それがたのしく、ウレシクて。
何も入れずに一口、スープをスプーンですくい、ススッと飲むと口いっぱいにおだやかな肉のうま味とスベスベとしたゼラチン質のとろみを感じる。
なめらかな味。
癖も臭みもどこにもなくて、ただ純粋なタンパク質のうま味を感じる。
塩をほんの少々いれると、スープの中に潜んでた甘みやほのかな脂の風味、牛肉ならではの淡い酸味が姿をあらわす。
そこにカクテキ、キムチを入れて赤唐辛子の辛みや酸味をくわえて食べる。
何かが入るたびにスープの味わいが変わっていくのがおもしろく、けれど最初に感じたやさしいうま味は決して壊れず、ずっと舌の上にある。
芋のでんぷんで作った春雨が、トゥルンと喉をかけおりて、お腹をポカッとあっためる。
固めに炊いたご飯が一膳。
それをスプーンですくいスープに浸して食べるとスベっとご飯の粒がひとつひとつ、パラリとほぐれて舌の上を転がっていく…、なんとおいしい、オゴチソウ。
白濁したスープの底をスプーンでさわると、中にタップリ薄切り牛肉。
牛すね肉を塊のままスープで炊いてやわらかくさせたモノ。
それを薄くスライスしたものを、再びスープの中で煮込んだもので、口に含むとクチャっとなめらか。
奥歯にまとわりついてくるような肉の食感。
脂の香り。
筋の部分がネットリとろけて、コラーゲン分が口いっぱいに広がっていく。
この肉感的が10枚ほども入ってますか。
これをそのままほぐして食べたら、コーンビーフになるんだろうなぁ…、と思いながらご飯にのっけ、キムチを添えてパクリと食べると、そのおいしさに飛び上がる。
そしてスープをコクリとのむと、体の中に元気と滋養が染みわたる。
疲れた体だけじゃなく、気持ちまでもが修復される、そんなゴチソウ、オキニイリ。
それにしても韓国料理とか中国料理のお店って「別館」を名乗る名店がなぜだか多い。
この赤坂にももう一軒、チョンギワってお店があってそこは「新館」が「本館」よりも有名だったりするのがたのしい、理由をシッカリしらべたい!
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