渋谷で昼をとるスケジュール…、あそこをのぞいてみなくては、とそれでテクリと。
マメヒコ飯店にやってくる。
コーヒーがおいしい喫茶店から始まった店。
そこにとんかつ専門店が併設されて、けれどやむをえぬ理由で閉店、豚肉がおいしい中国料理のお店になって再出発。
ところが先日、再び改装…、今度は豚肉と野菜がおいしいお店になって再々登場。
名前も「ハタケのマメヒコ飯店」って名前になって、店のレイアウトはそのままでテーブルや椅子が軽やかで、カフェっぽい感じのモノに入れ替えられてた。
一つのコンセプトに執着しないでお客様の気持にあわせて柔軟におもてなしのあり方を自ら変える姿勢がスゴイ、しかも改装するたびに確実に良くなっていくのが見事と思う。
カウンターの端に座って、お店の中をぼんやり眺める。
改装前は夜がたのしい雰囲気だった。
けれど今では、昼が明るく気持ちがよくて、食堂っぽさを感じる気軽なお店になった。
カウンターの中にはお湯がチュンチュンわいてて、あぁ、中国茶が飲みたくなる…、って感じの風情。
いい感じ。
メニューは相変わらず豚に対する愛情のある料理がならぶ。
けれどどれもが「旬の野菜のおいしさ」を引き立てるための豚肉料理という感じ。
肉しゅうまいがあったりカレー。
軽い料理もある中で、気になったのが「豚と旬の野菜のバター焼き」。
今日の野菜は「ズッキーニです」というのでなおさら気になって、お願いしたらやってきたコレ。
ズッキーニが主役の料理。
皿からはみでるほどに大きく、ツヤツヤしていて緑も鮮やか。
箸で持ち上げるとずっしりとして、噛むとクチュっと歯切れて口にやってくる。
みずみずしくて、しかも甘みとうま味がどっしり。
バターと塩を使って焼いてるだけなのに、目もさめるほどにおいしくてそれも温度と時間の管理がしっかりしているからでしょう。
生の状態をまだ忘れてないほどよき熱の加減でおいしくなっている。
調味料をおこのみで、といくつか置かれていたのだけれど、そんなモノには目もくれずただただ自然の味を味わう。
当然、豚肉もおいしいのです。
150gくらいでしょうか?…、厚切りの豚ロース肉を表面こんがり、中シットリとやきあげた、これも素材の持ち味がシッカリ活きたよい料理。
歯ごたえだって、歯ざわりだって上等でウットリするけど野菜のうま味にはかなわない。
他にも野菜の料理がいくつか。
切り干し大根を酸味を加えた醤油につけた、夜には酒のつまみに最高の粋な一品。
大豆をタップリくわえてコリコリとした大根の食感の他に、ホツホツ、たのしい噛みごたえ感。
噛む楽しさを存分に、味わえ頭がスッキリしてくる。
それからキャベツ。
この店がとんかつ専門店だった頃、とんかつもおいしかったんだけど実は豚汁と千切りキャベツが本当においしかった。
それを再現したんですよ…、と。
これを持ってきてくれた人が実は、とんかつ屋さんのオープンからのスタッフで二ヶ月間も毎日、とんかつの試食をして、けれど太らなかったのはご飯を食べずに千切りキャベツばかりを食べていたからかも…、って思ってそれで復活したというのであります。
風味控えめなドレッシングであえるようにして鉢に盛る、おかわり自由でなんともうれしい。
当然、おかわりいたします。
女性だけでやってるお店。
だからこそのやわらかで、やさしい空気が店一番のゴチソウかもね。
しかもみんなニコニコしていて、見守られてる感じがするのがとてもウレシイ。
スープがわりに豆乳がつく。
出汁で割った豆乳で、豆乳自体が自家製、そしてしぼりたて。
だから豆の香りがさわやかで、サラッとしていてゴクゴク飲める。
そこにカツオや昆布でとった、やわらかな出汁。
豆乳の香りやうま味を損なわぬ程度。
ほどよき量を入れて割り、冷たくひやしてどうぞという。
食事の最初に飲んでもよし。
お汁替わりに食事のお供に飲んでも良し。
食事が終わって、口直し。
飲むとサッパリ、しかもうま味が広がって後口の良いランチの思い出になるおいしさで、体に染み入る滋味にあふれたオゴチソウ。
考えてみれば、無理にスープなんか作らなくても、これで十分、汁やスープの役目を立派に果たしてくれるんだよね。
ビシソワーズなんかより。
冷たいコーンポタージュなんかより、ずっとやさしくしかも気がきいていて、「ハタケの食堂」ってイメージをキチンと伝える見事な一品。
ご飯は豆のご飯でしかも、豆の量がとても少ない…、3口食べてやっとホツっと歯に当たる程度の量で、それがボクにはありがたい。
調味料は中国風の辛味味噌に、鮭のうま味を加えた醤油。
最小限の味付けの料理自体はそのまま食べて、持ち味味わう食べ方をした。
けれどおかわりをした千切りキャベツに鮭の醤油をちょっとかけて食べてみたらば、魚の風味がポワンとただよい、ただのキャベツがまるで野菜の料理のようになっていく。
不思議なパワーにウットリします…、またこなくちゃぁって思って帰る、オゴチソウ。
関連ランキング:中華料理 | 神泉駅、渋谷駅、代々木公園駅
[4回]
PR