友人と銀座ランチをしましょうと…、それで「銀座古川」にくる。
ニューメルサなる商業ビルの飲食フロアにある店で、ランチタイムがはじまったばかりの時間にしてもうおばさまたちでにぎわっている。
決して安いお店じゃなくておばさまパワーはスゴいものです…、感心します。
それにしてもこのビル自体、かつてはオシャレな西欧ブランドのお店が入っていたけど、今じゃユザワヤ、呉服のお店、ベビー用品のファミリアと三世代女子の集まる場所になっている…、銀座の街もさまがわり。
料理を注文するとまず、アイスティーとサラダが来ます。
水で食事をするよりも、アイスティーとお供の食事は口もスッキリ、気持ちも贅沢。
サラダもタップリ。
食べてる途中で、ドレッシングは足りてらっしゃいますか?とサービススタッフがやってくる。
おいしいだけじゃなくて、サービスもシッカリしてるというとこが、おばさまレストランの条件のひとつなんでしょう。
食べたくてしょうがなかった料理が2つ。
一つはエビフライとカレーピラフの盛り合わせ。
もう一つが、魚介類のクリームシチュー。
洋食のお店にはいろんな流儀があって、例えばグリル料理が得意なお店。
その中にはフライパンに命をかけるお店も含まれるわけですけれど、そうでなければ揚げ物系のお店があって、その2つでほとんどの洋食店を網羅する。
けれど中には「煮込み料理」を売り物にする変わり種があり、その代表がこのお店。
カレーにシチュー、ハンバーグでさえ煮込み料理に姿をかえて提供される。
ほとんどのお客様が今日たのんだ料理のどちらか…、つまり煮込み系の料理をたのんでるのが、他の洋食店にはない光景で、なんだかワクワク。
まずはエビフライとカレーピラフがやってくる。
ドーナツ型に抜いたピラフの中にエビフライがスタッと2本。
それから土鍋にカレーソースが入ってそれがグツグツ沸騰しながら湯気立てる…、シズル感が抜群でカレーの香りが食欲そそる。
お米の粒がカレー粉まとって、ちょっとパサパサ粉っぽい。
その食感がご飯というよりお米の料理を食べてるみたいでオモシロく、しかもビリビリ辛味が強い。
そこにカレーソースをかける。
甘くてトロリとなめらかなソースがかかると、これがなんとも不思議なコトに、バサバサしてたカレーピラフが口の中ですべるがごときライスカレーになっていく。
カレーピラフの鋭い辛味も、ほどよくやさしく上等な辛味に変わっていくのもたのしい。
ソースとピラフのバランスを変えると味の傾向が移ろい変わる。
ひとつのお皿でいくつもの料理を自分で作ってたべる…、そんな食べ方、オモシロイ。
それからシチューが浅いお皿にグツグツしながらやってくる。
洋食屋としてのもうひとつの特徴が、すべての料理がご飯のおかずにピッタリくるように最適化されているというモノ。
ここのシチューがまさにそういう料理であります…、甘くてコッテリ、ホワイトソースがポッテリ重たく、舌の上に置くとゆっくり、うま味がススッと広がっていく。
あぁ、おいしいと暫くソースに混じった海の幸たちのうま味を味わいウットリします。
具材も豊富、ホタテにエビにタコに白身魚。
それらそれぞれうま味タップリ、しかもソースのうま味がそれにのっかって味があまりに強烈で、それで舌が何か別の味を探してめくるめく。
そこにご飯が登場するわけ。
白いご飯のムッチリとした食感と、すべてを包んでやさしい味に変えていくその味わいに救われる…、そして再びソースをペロリ、白いご飯をパクリパクリのくりかえし。
カレーソースをほんの少々くわえると、スパイシーな風味がくわわる。
エビフライをシチューに浸し、カレーと一緒に口にふくむとこれまた旨い…、そもそもフライのパン粉がカサッと香ばしく、エビもムチュンと上等なエビ、素材それぞれが自分がすべき仕事をキチンとこなしてる。
その上、それぞれ手を取り合っていろんな味や食感を作り出していくオモシロさ…、さっぱりとした漬物もすべてをおいしくしてくれるよき相棒でウットリします。
ちなみに宝塚出身の男装のマダムがテキパキ、ホールを取り仕切っているのもココの名物でして、けれど今日のお昼はお休み…、ご挨拶をできなかったのが心残りで、また参りましょうと思う昼。
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