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2025/01/31 (Fri)

松屋デパートの裏っ側、昭和通りのちょい手前。
そこに立派な自前のビルをもって営業してる…、肉屋も経営している店で肉の品質には信頼おけるということなのでありましょう。
かなり強気の値段だけれど、かなりの人気で次々、お客様がやってくる。
扉をあけると、いらっしゃいませと和服の女性に挨拶されて、靴脱ぎ預け、代わりに下足札をもらってどうぞと案内される。
４０畳ほどもありましょうか…、大きな座敷に座卓に座布団。旅館でご飯をたべてみるたいな感じでもあり、なんだかウキウキ。

たのんだのは薄切りステーキ。

まずは漬物に湯葉の刺身がやってきて、お茶を飲みつつしばらく待って、やってくるのがこの一皿！
赤身を帯びた和牛のロース…、色美しく脂の艶がなんともキレイ。
すき焼き用の肉より少々厚い肉。大きな番手でそれを二枚、油をひいた鍋で表面こんがり焼いてる。この厚さにして、中がレアで真っ赤というのにもうウットリ。
看板メニューでもあるすき焼きと人気を二分するランチメニューのようで、みてると半分くらいの人がコレをたのんでる。
すき焼きよりも肉の味を素直にたのしむコトができるから、いいのかも…。
レタスやレッドキャベツをドレッシングでしんなりさせた付け合せ、飾り切りしたキュウリに甘いトマトが脇をかためて、肉が主役でありながら見るから和食という風貌に、お腹がグーッと大きくなった。

わさびを乗っけて醤油で食べると、脂のうま味がジュワッと口に広がっていく。
大根おろしにポン酢をまぜて、肉でくるんで食べると脂がスッキリ、肉の甘味がひきたって、口でクチャっと歯切れて潰れるその食感にもウットリします。
色っぽいとでもいいますか。
芳醇にして豊かな味わい、ご飯もおいしく味わえる。

ぬか漬けではある。けれど糠の香りが主張せぬサッパリとした漬物が肉の香りを邪魔せぬステキ。
味噌の風味より出汁そのもののうま味で味わう味噌汁と、あくまで肉が主役でござるというもてなしに粋を感じる…、さすがなり。

みかんが一個、食後のたのしみにやってくる。
小ぶりでズッシリ、重たくしかもミッチリしてる…、これは旨いに違いないとお尻の方がパックリ２つに割って味わう。
愛媛育ちのボクであります…、みかん農家の友人がみかんはこうして食べるんだよと、教えてくれた食べ方で、房を最初に全部皮からとってしまうと、乾いておいしくなくなってしまう。
食べる分だけ皮からはずし、パクっと食べる…、特に小ぶりの甘いみかんは房を２つ、３つ一緒に一度に口に含んで食べると口の中がジュースで満たされる。
みかんジュースを食べてるみたいな感じがたのしい…、すべてをおいしく堪能す。

吉澤

関連ランキング：すき焼き | 銀座一丁目駅、東銀座駅、銀座駅

[4回]

2014/02/10 (Mon) 銀座イースト：和 Comment(0)

浅草の午後

浅草に来て尾張屋で昼…、今日、金曜日は本店の方が定休日。それで支店にやってくる。

雷門の近くにあって昭和風情のしつらえで、立派で大きく鄙びた感じ。本店然としたしつらえで、けれどここが支店というのがオモシロイ。
昼から酒を飲むおじさんが多くていつも、ニッコリします。
そもそも蕎麦は、酒のお供に食べるモノ。わさびをつまみに酒を飲み、お腹がほどよくあったまった頃合いで、蕎麦をたぐって〆とする。そんな粋な食べ方を、今日もたのしむおじさんたちに混じって、ボクはいきなりの蕎麦。

季節の蕎麦を食べることにする。「あられそば」でございます。
温かいそばに海苔を浮かべて、そこに青柳の柱をパラリとちらした蕎麦。貝がおいしくなるこの季節だけに提供されるもの。
熱々の出汁に浸ったところは、柱の色が白身を帯びて、それ以外のとこはつややかな明るいオレンジ色をしている。
柱を一粒…、サクッと歯切れて口いっぱいに海のうま味が広がって、金属っぽい貝独特の香りが鼻から抜けていく。これで冷酒飲んだら旨いに違いない。

結局、そば屋はすべてのモノが日本酒誘うようにできてるんだなぁ…、って思ったりする。仕事の前の我慢にふける（笑）。
それにしても、ココの出汁のおいしいコト。
かつお節の香りがフワッと漂って、最後に酸味でキリッとしめる。
一口目からおいしく感じ、にもかかわらずゴクゴク飲んで最後の一滴までもがおいしく感じる。
わさびを軽く溶いてゴクリ…、甘みが引き立ちそこに小柱の香りとうま味が混じって消える。大人のお昼でございます。

尾張屋支店

それから少々時間があって「アンヂュラス」なる喫茶店。

ドイツ風というかアルプス風というか、焦げ茶色の梁、白い壁。東京のいろんな場所にある昭和的なる喫茶店の親玉みたいな存在感。
一階、二階、三階とそれぞれ異なる趣向の内装…、ボクは二階の低いアーチ状の天井の席が好きで今日もそのフロアー。

ここのクラシックなケーキやエクレアもおいしいけれど、やっぱりココではフルーツポンチを食べなくちゃ！

大ぶりのバルーン状のパンチグラスにズッシリ、タップリ。
その表面にはサイコロ切りした色とりどりのゼリーが浮かび、砕いた氷がキラキラちらかる。スプーンと一緒に短く切ったストローが添えられていて、グラスを満たすシロップをチュウチュウしながら、味わう趣向。
ぶどうにミルク、メロンソーダにリンゴのゼリー。ツルツルしてて、しかも人工的な香りがなんだか未来のお菓子を食べてるみたいな気持ちになってく。
ゼリーの下にはリンゴにミカンにパイナップル、それからブドウのシロップ煮。
こういうお菓子を食べてると、生の果物の方が缶詰よりもずっと上等。缶詰フルーツはフレッシュフルーツの代用品だ、なんて言うのは野暮だなぁ…、って思ったりする。体の疲れが取れるような甘いゴチソウ…、さぁ、仕事。

アンヂェラス

[5回]

2013/12/20 (Fri) 銀座イースト：和 Comment(2)

ざくろ

銀座で少々、贅沢します…、「ざくろ」のランチ。

しゃぶしゃぶやすき焼きで有名な上等な店。
銀座松屋の近所にあるビルの地下一階にある店で、かつてこのフロアー…、この店だけじゃなく同じ会社が経営しているイタリア料理の店も並んで出店してた。
階段を降りるときから、その贅沢な空気が漂い気持ちがあがるようだった。
そのイタリア料理のお店も今では、餃子を売って大きくなった中国料理屋さんのお店に変わってしまって、立地自体のスペシャル感はいささかダウン。
けれどお店の中に一歩入ると、上等なレストランの空気変わらず昔のまんま。

いらっしゃいませとレセプションで挨拶をされ、こちらにどうぞと黒服を着た男性スタッフに案内されて、再びいらっしゃいませとテーブル担当の女性にバトンタッチする。
お出迎えのすべてがひとつにつながっていく…、なめらかにして優美なサービス。
大切なお客様のおもてなしにこの店をかつて重宝したけれど、その理由がこのエレガントなサービスだった…、なつかしい。

お気軽定食という平日限定のランチ商品があってそれ。
選ぶとまずは、冷たい料理が２つとどきます…、一つはココの名物前菜のひとつでもあるトマトのサラダ。
刻んだトマトに醤油風味のドレッシングをグイグイ飲ませて刻んだ玉ねぎを散らしたモノで、スプーンを使ってドレッシングと一緒に味わう。
生のトマトが嫌いだったボクもこれなら食べられた…、酸味と甘み、緑の香りでお腹の入り口こじ開ける。

それからマグロの赤身に胡麻ダレをかけまわしたもの…、ご飯のおかずにもなる上にこれでお酒を飲んだらおいしんだろうと思いつつ、今日は我慢のお昼でござる。

そしてメインの牛ロース。
牛肉の切り落とし肉を薄切りにして、こんがり焼いてポン酢ダレで味わう料理。
焼いたしゃぶしゃぶみたいな感じ…。
脂少なめ、赤身の肉で量にしてどうだろう…、１００ｇぐらいでしょうか？
実はこの定食、１７００円という値段の料理でそれを考えるとこの肉のクオリティの高いコト。
しゃぶしゃぶやすき焼き用の肉の端材を上手に使っているということもあり、なによりこのほどよきボリューム…、量より質って割り切りがステキと思う。

その分、使わせの野菜がタップリ。
茹でたキャベツにブロッコリ、甘く仕上げたにんじんグラッセ、蒸した小松菜はにこんがりローストしたじゃがいもと、味わい、食感、彩り多彩な野菜がタップリ。
それぞれそのまま食べても充分、その持ち味でたのしめて、けれどポン酢にちょっとだけくぐらせてやると風味がキリッとひきしまる。
ホースラディッシュもツーンっと鼻から香りがぬけて、肉の脂をスッキリさせる。
ご飯に味噌汁も上等なモノ。
次々お客様がやってくる、その忙しさの中にあっても「たのしんでらっしゃいますか？」といちいち世話を焼いてくれる、そのもてなしが料理の味を引き立てる。
やっぱりいい店…、贔屓にするのが誇らしくなる、よきお店。

ざくろ銀座店

関連ランキング：しゃぶしゃぶ | 銀座駅、東銀座駅、銀座一丁目駅

[2回]

2013/12/17 (Tue) 銀座イースト：和 Comment(2)

プラチナム

昼を仕事仲間と一緒に東銀座の「白金や」…、勉強兼ねたランチでござる。

東銀座の歌舞伎座の脇にある。お店の表の造りは決して上等とはいえぬ雰囲気。
しかも「白金や」とかいて「ぷらちなや」と呼ばせるところが、気恥ずかしくってずっと来ずにいたのだけれど、気になることにはかわりなく、それで今日をチャンスにこの訪問。
中に入ると思ったよりも小さな店で、カウンターに６人ほど、２人かけのテーブル４つに、あとはお座敷。お座敷部分は芝居小屋の楽屋みたいな雰囲気で、狭い割には存外居心地よかったりする。

昼のメニューの中で一番人気という「ご贔屓御膳」というのをたのむ。

商品のな前に「ご贔屓」とつけるところが、芝居小屋の近くにある店って感じがしてまずいい感じ。
やってきた料理はお盆の上に丸い竹籠。そこに料理がズラリと並び、汁にデザートという内容。見目麗しく、量はかなり控え目。これを弁当箱に詰めたらほどよき量の芝居弁当になるだろうなと思う内容。

ちなみにこれで２５００円という値段は、はっきり言って高いと思う。
けれど世の中の料理の値段には「理由のあるもの」と「理由の無いもの」の二種類があって、高かろうが安かろうが、それぞれ理由があるあれば納得できる。
ここの高さには理由があるから、ボクはいいなと思ったワケです。

まずひとつには楽屋飯ってこんな感じなのかもしれないネ、と歌舞伎談義をしながら食べると、なんだかウキウキしてきたりする。それが理由のひとつでしょう。
そう思わせるのはひとつひとつの料理が女性の小さな一口分。紅を差した唇を、汚さず食べ切れるサイズになっているとこも、役者料理のような感覚。
そして料理のメインをなしているのが小さな稲荷寿司。
ここの名物料理で、実際、お土産にこれだけ買いにくる人がたくさんいるのにビックリします。
そのお稲荷さんも舌の上にそっと自然に収まる程度の大きさで、とはいえギュギュッとキッチリご飯が中に詰め込まれていて、虫養いにほどよい分量。

柚子の香りが特徴的なお稲荷さんに、お揚げを焦がしてドッシリとした風味を出したお稲荷さんと、味の変化もたのしくて、分量以上の満足感を感じてうれしい。
抹茶塩で味わう天ぷら、刺身に湯葉に切り干し大根。
季節の料理があれやこれやとキレイに並び、休日だったらこれを肴に日本酒をちびりちびりとやりつつ歌舞伎をみたらどんなにシアワセだろうと、悔しくなってしまうゴチソウ。
この場所だからの店かもしれない。
けれどこういうもてなし料理は、日本全国、背筋の伸びたご婦人方がいるところには、あって悪くない料理だろうなぁ…、と思いもします、良き勉強。

白金や

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[3回]

2013/12/16 (Mon) 銀座イースト：和 Comment(2)

銀座吉宗

銀座を歩く…、なんだかスゴくひさしぶりに来たみたい。
歩行者天国をやっていて、そもそも広い歩道に車道。それがひとつになると空間とても伸びやか。都心なのにちまちましたとこがないのがウレシイ。

そして食事を「吉宗」にする…、長崎料理の名店の銀座のお店。

長崎会館の地下にあって、ビルそのものにも中国風の飾り付け。螺旋階段をグルグル降りると、もう行列で４組ほども待ってましたか。
人出の多い今日でもあって、しょうがないね、待とうと待った。
そしたら丁度、お客様の入れ替わりのタイミングだったのでしょう…、１０分ほどで案内されてテーブルにつく。よきお昼。

いつものオキニイリの定食たのむ、「夫婦蒸し」。

茶碗蒸しと蒸し寿司がセットで「夫婦」。どちらも同じサイズ、同じ形の器で調理され、なのにお店の人は蓋をとらずにどっちがどっちかをピタリと当てる。
重たさ、厚さ、それになにより蓋の乾き方が違うんですよ…、と。プロの知識と経験感じてニッコリなります。

さて、今日もプロの手技を…、と、蓋をとったらたしかに右手に茶碗蒸し、左側には蒸し寿司だった。
蓋をとった途端にフルンと茶碗蒸しの表面揺れる、喉が鳴る。

甘さが際立つ酢飯の中は、刻んだかまぼこ、しいたけ、ゴボウ。錦糸玉子とデンブと穴子をキレイに並べて蒸し上げた…、蓋をとると甘い香りがやってきてハフハフ食べるとやさしい味わい。
ひと味足りない程度の味付け。
甘さはシッカリしてて、それそのもので味わうよりも茶碗蒸しと交互に食べると互いの味が引き立つ感じ。
お酢をかけると味がキリッとひきしまり、寿司って感じになるのもなんだかオモシロイ。

なによりここの茶碗蒸しのなめらかにしてみずみずしいコト。レンゲでそっとすくいあげると、中にはタップリ、透明スープ。出汁の味わい深いコト。
しかもスベスベ、サラサラと玉子が喉を撫で、かけおちる。
お腹がホワッとあったかくなり、そこにかまぼこ、甘辛煮付けのしいたけやお麩に鶏肉、白身魚と具材もタップリ。
このお料理を料理の分野に分けるなら、「スープ料理」に分類したい。それほどやさしくみずみずしくて、体が芯からあったまる。

それから皿うどんをたのんで分ける。揚げた細麺のじゃなくて、茹でて油で炒めた太麺。この太麺がムチムチ、歯ごたえ抜群でちゃんぽん麺のと同じかなぁ…、と思って周りを見渡すと、ちゃんぽん麺は少し細めで、これ独特の麺。
ところどころが焦げているのが香ばしく、そこにコッテリとしたうま味強烈なあんがからんで、蒸し寿司のおかずになりそうなオゴチソウ。
ウスターソースをかけて酸味や香りをたして、ムチムチツルツル食べあげる。

九州から帰ってきたのに、気づけば九州料理でランチをすませる…、やっぱり九州の血が流れてるって思ったりした、オキニイリ。

銀座吉宗銀座店

関連ランキング：和食（その他） | 新橋駅、銀座駅、東銀座駅

[5回]

2013/12/14 (Sat) 銀座イースト：和 Comment(0)

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