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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    夜、海外からのお客様をもてなすために銀座の矢部さん。もう10年以上もお付き合いをしている和食のお店。大木戸矢部という名前。



    10人ほどが座れる大きなカウンター。中の厨房の隅から隅が見渡せて、居心地のよい個室がありはするけれど、やっぱりココはカウンターが一等席。
    しかもご主人の矢部さんが守る板場の真正面。
    手仕事好きの人たちが作る丁寧な料理をたのしくいただく所存。
    まずはイクラとワタリガニ。小ぶりで粒の揃ったイクラを醤油漬けして菊の花と合わせて味わう。プチッと弾けて口の中にトロリとおいしさ広がっていく。
    スベスベ、ハリのあるワタリガニ。キュッキュッと奥歯をくすぐるキュウリの青い香りと酸味が旨みをひきたてる。



    お椀は季節の土瓶蒸し。
    土瓶の中にはハモと松茸…、松茸は初物でした。七十五日の長生きの素。
    松茸の香りもおいしい。けれど出汁の旨いこと。
    ハモの脂がプツプツと浮かんで風味とコクを移して、なんとも旨い。
    このハモをずっと矢部さんが身を撫で太い骨を抜き、ザッザッと包丁を細かく当てて骨切りをする。
    手を休ませず、ウレシそうに食材扱ういつもの姿にニッコリします。



    刺身を三点。ハモにマグロに鯛を一度に味わうシアワセ。
    しばらく寝かせた薄造りの鱧のネットリとした歯ごたえ、強い旨みにビックリします。前歯、奥歯を撫で回す力強さに顎がよろこぶ。
    マグロは一転、じゅわっと滑らか。
    ハラミの皮に、見えぬほどの細かさで包丁を入れ、噛んだときのとろけ感を邪魔せぬようにする配慮。
    鯛はブリブリ。噛んでも噛んでもへこたれぬ、たくましい味、そして食感。



    大きく、しかも分厚いとり貝を小さな握りにして、どうぞ!と。
    貝をそのまま食べるのもいい。けれど少量のしゃりと一緒に口にいれると、そのクニュクニュした食感が一層引き立ち、金属なめたときに感じる、渋味や酸味を強く感じて、あぁ、貝だ…、って実感が湧く。
    そのとり貝を細切りにして、それを芯にした細巻きも、クニュっと旨い。良きおしのぎに白いワインもグイグイ進む。オキニイリ。

    そして今が旬の秋刀魚をこんがり焼いたメインの一皿。



    秋刀魚の季節になると築地に毎朝行って、太った秋刀魚を探して回るのがたのしんですよ…、と、たしかに今日の秋刀魚のまるまる太っているコト。

    しかもキレイに骨を抜き、その抜いた骨はカリッと揚げてパリポリ食べる。
    遠火の直火でじっくり時間をかけて焼いてて、焼いたというより自分の脂で揚がったようにすら見えるほど、皮がパリッと香ばしく、身はシットリ。
    とうもろこしのかき揚げも、ここのお店の昔からの一品で、塩味おいしく苦味たのしい秋刀魚の味と、とうもろこしの甘みがほどよきバランス。見事なり。



    クエのちり蒸し。
    まだまだ季節のはじまりのクエ。9キロほどの大きさだったというモノで、脂ののりはほどほどだけど、筋肉質で、歯ごたえたしか。
    しかも唇同士が貼り付くほどにゼラチン質がタップリで、ネギをタップリ散らしたちり酢も弾き返すほどに力強くて味わい深い。
    エビに茄子に里芋の炊合せを食べ、〆の蕎麦へと気持ちが移る。



    日本料理のお店でありつつ、蕎麦が旨いで有名な店。
    古典的なせいろやかけ、天ぷらそばに混じってオリーブオイルとチーズをかけた蕎麦であったり、ちょっと変わったモノもある。
    蕎麦屋ではなく、日本料理屋の蕎麦なんだから、冒険的なモノがあってもいいじゃない…、ってことなんだろうけど、今日はカチッとせいろにします。
    口の中で角を感じるほどにキリッと凛々しい蕎麦で、酒でしたたかあっためたお腹もスッキリ、気持ち良い。
    ポッテリとしたそば湯でタレを割ってゴクリと…、お腹がたのしく満たされる。



    黒豆ときな粉の風味で味わうパンナコッタに、グレープフルーツの酸味が特徴的なプリン。
    これも昔から変わらぬココのスペシャリテ。お腹にやさしく蓋をする。
    食事をしている間もずっと、気配りしながらずっと手を動かして料理の準備をしたり厨房磨いたり。働き者の厨房は、見てて気持ちがいいものですネ。
    料理を目指す若い人たちに、見せてあげたい景色でもある。ごちそうさまです、また来ます。


    関連ランキング:懐石・会席料理 | 新橋駅銀座駅内幸町駅

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    秋の味覚満載ですね
    こんばんは、食いしん坊です。素敵な器に盛り付けも美しく秋満載、美味しそうですね。涼しくなったのでお洒落して行ってみたいです。初めてのお店に行くときはやはりランチも予約をした方がいいのでしょうか?予約の際のアドバイスを頂ければ幸いです。
    食いしん坊さん / 2014/09/09(Tue) /
    初めてのお店
    > 食いしん坊さん
    ボクもまずランチから、ということが多いです。
    お店の雰囲気。
    空間や働いていらっしゃる方たちの雰囲気を、まずランチで味わってから夜。
    気軽な出費ですみますし。
    ただ、ランチはお店の本領発揮とまではいかないので、そこの空気感が自分に合うのかどうかを判断するだけに行くようにしないと、残念な判断を下してしまうことがあるので、要注意ではあります。
    サカキシンイチロウさん / 2014/09/10(Wed) /
    ありがとうございます\(^o^)/
    こんばんは、食いしん坊です。出張でお忙しいところアドバイスありがとうございます。自分にあうポイントを楽しみに母といってみます。ありがとうございます。
    食いしん坊さん / 2014/09/10(Wed) /
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